飛行機エンターテインメント 週刊飛行機ダイスキ!

飛行機エンターテインメント・ブログ「週刊 飛行機ダイスキ!」

飛行機ファンによる、飛行機ファンのための、飛行機ポータル・ブログ。
日替りの記者によるオリジナル記事で航空エンターテインメントを堪能しよう!
本文ヘッダー
【航空100年】航空ドキュメンタリー「最後の飛行」第12回 ◀

航空100年記念キャンペーン

航空ドキュメンタリー「最後の飛行」第12回 ハーレクイン8673便、東京レディオHF空域へ

著作・録音 武田一男


「260度から162ノット。凄い風が吹いていますね」
 三宅機長がINSのモニターを見ながら言った。
「(風速は)時速300キロメートルです」それから、丁度、コックピットに入室していたキャビンアテンダントに振り返って「ブラックね」とコーヒーのおかわりを頼む。
 今日は三宅機長のラストフライトを祝福するかのごとくホノルルまでのエンルート(航路上)にはさしたる天候の乱れも無く、天候に恵まれていた。
 副操縦士のダウニングがポジションレポートについて機長に報告した。
「ネクスト レポート イズ メイソン。ネクスト ポジション イズ マーレイ バット ソー ノウ リポート」
(次の位置報告はメイソンです。次のウエイポイントのマーレイ(MORAY、ウエイポイントNO11)の位置報告しなくていいようですから)
 三宅機長は頷いて窓の外に視線を移す。
 外は満天の星空である。三宅機長が星の想い出を語った。
「ホノルル線(日本エアシステムの定期便)を飛んでいるときに流星群に出会ったことがありますよ。飛んでいるあいだ中(星が)飛行機にぶっつかるのではないかと思いましたよ」
 そしてパイロットの醍醐味についても彼は語った。
   「何千、何万回と飛んでいても、そのひとつひとつのフライトが
    すべて違う。飛ぶごとに何かしら大自然の新しさに遭遇して感動する。
    例えば、空から見たオーロラとかね。それもパイロットという仕事の
    魅力のひとつかもしれませんね」
 キャビンでは食事や免税品の機内販売も一段落して、今夜一本目の機内映画が上映され始めた。
 今のように順調に飛行している場合、これから先は数時間後にホノルルへ下降を開始するまで操縦室では取り立ててする仕事は少ない。
 ウエイポイントを通過するときの位置報告、定期的な計器類のウォッチング、ときどき客室と連絡をとりあって機内の室温の調整などをするくらいだ。
 この時間クルーは交代に食事や飲物をとるなどリラックスした時間を過ごす。三宅機長も操縦をダウニングに任せて遅い夕食を済ませた。
 そのときひとりの少年が操縦室を見学に訪れた。
 その少年は夜間飛行時の照明を落としたコックピットの暗さにまず驚き、窓の外の星の輝きに目を奪われた。
「うわー。星がきれい!」鼻を窓ガラスにくっつけて無心に星を眺めている。
「北極星、わかるか。これが柄杓でしょう。あれが北極星…」
 将来はパイロットになりたいと目を輝かす少年に、三宅機長は星やコックピットの中の様子を、次世代に航空機を託すように熱心に説明していた。

 スピーカーからはHF交信が聞こえている。夜間飛行の照明を落とした薄暗い操縦室でHF交信を聴いていると、遠くから、とても遠くから電波に乗って飛んできた音の粒が、やっと飛行機に届いて、コックピットのスピーカーから、ポロポロとこぼれ落ちる感じがする。それはとても遠くで奏でる孤独な音楽を聴いているようだ。



※「▶」マークをクリックするとサウンドが流れます

 管制官が航空機を呼び出すセルコールの音が響きカリカリという空電が混じる。飛行機がメイソンに近づいたのでこれから先は東京レディオの指定周波数がHFに変わるのだ。
ATCクリアランス。ダイナスティ018 メインティン マックポイント86 トウキョウ ゴーアヘッド
(中華航空18便へ。こちらは東京レディオです。管制承認をします。速度はマッハ0.86で飛行して下さい。どうぞ)
 東京レディオが台北発の東京羽田空港からホノルルへ向かう中華航空(コールサインはダイナスティ)18便への交信が傍受された。
メインティン マック…マックポイント86…ウィ アー…
(速度をマッハ…マッハ0.86…こちらは…)
 このダイナスティのB-747はハーレクイン8673のかなり先(東)を飛行しているので、遠い飛行機からの交信には空電が入ってよく聞き取れない。
 HF電波は電離層に跳ね返って遠距離まで届くが、磁気の状態が悪いと聞き取り憎くなる場合がある。三宅機長が「近い将来には衛星通信に変わるのでもっと聞きやすくなりますよ」と笑った。
トウキョウ ラジャ」(東京レディオ。了解しました)
 続いてダイナスティ18便のすぐあとをホノルルへ向かっているユナイテッド航空826便ジャンボが東京レディオを呼んだ。
トウキョウレディオ 。ユナイテッド826 オン 65…
(東京レディオへ。こちらはユナイテッド航空826便です。65(HF周波数6532Hzのこと)で交信しています)
ステーション コール イン トウキョウ セルコール サイン
(こちら東京レディオです。セルコールのサインを知らせて下さい)
ラジャ。ユナイテッド826」(はい。ユナイテッド航空826便)
ラジャ。スタンバイ セルコール チェック ユナイテッド826
(ユナイテッド航空826便へ。そのまま待機して下さい)
826 アー チャリー(C) パパ(P) デルタ(D) リマ(L) チャリー(C)… ナンバー197 ユニフォーム アルファ セルコール アルファ(A) シエラ(S) エコー(E) リマ(L)
(826便です。CPDLC…、197…UA。セルコールはASELです)
 ピー、ポーと音がしてセルコールチェックが終わった。
セルコールチェック オーケー サンキュウ
 セルコールとはHF周波数で管制が航空機を呼び出す信号でアルファベッドの4桁の記号がそれぞれ航空機独自に設定されている。
 電話番号の短縮登録のようなもので、管制がその航空機と交信したいときには無線送信機のアルファベットを送信すると航空機のコックピットの中の無線機が受信し、「チンチン」とまるで昔の路面電車のベルのような音を発してパイロットに管制が呼んでいることを伝える。
 このセルコールがない場合はパイロットは終始、無線を聞いていなければならず、その労力がセルコールによって省けるのだ。
 ユナイテッド航空のセルコールサインはアルファベットのA(アルファ)S(シェラ)E(エコー)L(リマ)である。



※「▶」マークをクリックするとサウンドが流れます

 今度はハーレクイン8673が位置報告のために東京レディオを呼んだ。
トウキョウ ハーレクイン8673 イズ ポジション メイソン 1107 フライトレベル330 エスティメイテング アー 33ノース160イースト アット 1155 フォーロイング トゥ FIR 320/65ノース 165イースト テンパラチャー イズ マイナス41 ウィンド 260ダイゴナル170 セルコール イズ ジュリエット(J) パパ(P) デルタ(D) ケベック(Q) コーアヘッド
(東京レディオへ。こちらはハーレクイン8673便です。メイソンを通過しました。通過時刻は11時07分(標準時間)でこれから次の通過点、北緯33度、東経160へ向います。通過時間は11時55分の予定です。その次はFIR、北緯32度6、5分、東経165度に向います。現在の外気温はマイナス41度。風は260度方向から170ノット吹いています。セルコールはJPDQです。どうぞ)
 操縦室の無線機がチンチンと音を発して受信を知らせる。
 それを確認して三宅機長は飛行高度を37000フィートに上げる旨、管制にリクエストする指示をした。
OK。370」(OK。高度を37000フィートに)
 ダウニングはすぐ機長の要求を管制に伝える。
ハーレクイン8673 セルコール チェック イズ オーケー。リクエステング イズ フライトレベル 370
(ハーレクイン8673便です。セルコールチェックはOKです。高度37000フィートへ上昇したいのですが?)
ハーレクイン8673 スタンバイ」(ハーレクイン8673。待機願います)
 レーダーでコントロールをしていないこの洋上空域では、管制が航空路を調整する間、暫く待機させられる。
 再びセルコールが鳴って東京レディオがハーレクイン機を呼んでいることを知らせる。
ハーレクイン8673 アイ レシーブド セルコール
(こちらハーレクイン8673です。セルコール受信しました)
ATCクリアランス ハーレクイン8673 クライム メインテイン 370 リポート リーチイング オーバー
(ハーレクイン8673へ。管制は高度37000フィートへ上昇する承認をしました。37000フィートへ到達したら報告して下さい。以上)
ラジャ。ATCクリアランス ハーレクイン8673 クライム トゥ メインテイン フライトレベル 370 リポート リーチング」とダウニングが復誦して、
ウィ アー リービング フライトレベル 330 トゥ 370 ハーレクイン8673」(これから高度33000フィートを離脱し高度37000フィートへ上昇を開始します。ハーレクイン8673)とコールバックして交信を終えた。
 ハーレクイン8673便は洋上通過点、メイソンからOTR(Ocean Traffic Ruet)ルートのトラック12には入り一路、ホノルルヘ向かうのだ。


つづく


にほんブログ村 その他趣味ブログ 航空・飛行機へバナーをクリックしていただけると「にほんブログ村」ランキングに1票入ります!



【航空100年】航空ドキュメンタリー「最後の飛行」
著作・録音 武田一男 (C)Director's House
著作について▶「最後の飛行」収録している音声、音源のすべては武田一男、及びディレクターズハウスが著作権を保有しています。商用、非商用に関わらず無断転載、複製の一切を禁止いたします。詳細については当ブログ管理人までお問い合わせください。




width="600"

→その他、下記サイトのサイトでも、航空サウンド・武田一男プロデュース作品を好評配信中♪
→作品へは「航空サウンド・武田一男」で検索!!
ミュージコ
モーラ
ツタヤディスカスバークス●楽天ダウンロード
●その他、iTunes Storeなど

JUGEMテーマ:航空機


| 竜子 | 【航空100年】ドキュメンタリー 最後の飛行 | 09:15 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 航空・飛行機ランキング |
本文ボトム
本文ヘッダー
羽田空港で記者会見! そのお値段はいかに!? ◀
こんにちわ!
羽田空港情報、ちょっとご無沙汰してしまいましたが、今日は羽田空港でこんなこともできる! を。
実は、羽田空港には「夏プラン」というのがあって、羽田空港で宴会ができたんですね…。しかも、東京23区内であればエアポートリムジンバスの送迎までついて、6,500円の飲み放題プラン。乾杯はスパークリングワインで、瓶ビールやウイスキー、ワイン、日本酒、焼酎の他、ソフトドリンクで、飛行機の見えるギャラクシーホールで2時間盛り上がり放題っ!!
バスの送迎がいらなければ、5,500円と6,500円でお料理の内容が選べちゃいますっ!
でもって、浴衣コンパニオンもオプションでつけることもできますよ〜。こちらは、1人つけるごとに21,000円! 30人で宴会をすることを考えれば、少なくても5人くらいは欲しいところですが…だとすると、まぁ、だいたい1人1万円くらいでの予算の宴会って感じですかねっ。以前、都内のホテルで盛大に行われた某社の忘年会に呼ばれて行ったときには、身長170cm以上という規定がありそうな何十人ものモデル風の女性が、紅白の美しいロングドレスを着て給仕していましたが、やっぱり、プロのコンパニオンが入ると、かなりテンション上がりますよねっ。CAさんたちとまたちょっと違って、夜メイクの、紅の濃い口紅があでやかなのですが、決して下品ではなくってですね…、場がわっと華やいでいて、なかなか良かったです。
羽田空港の夏プランの場合は「浴衣コンパニオン」って響きがどうにもこうにもチープな響きなのですが、しっとり美女が、涼しげに給仕してくれることでしょう! …ってか、ギャラクシーホールがキャバクラ状態だったとしたら、ホントへこみますわ…^^;

もちろん都内の会社の暑気払いで使うってのも、ひとつですが、たとえば、どっかの企業の人たちが地方へ研修へいく際に、あるいは地方の支社から東京本社での研修期間終了! みたいなタイミングで、打ち上げパーティなんかを羽田空港でするなんてのはどうでしょうかねっ。ギャラクシーホールの使用時間は21:30まで。17:00に仕事を終えて、18:00スタートの宴会へみんなでGO! でもってそこで2時間、飲めや歌えやの宴会をした後は、最終便で各地方へ帰っていくという算段。20:00終了なので、場所が限られてしまいますが…間に合うかなっ?? ま、飛行機なので飲みすぎには注意が必要です。
でもすみません、これは夏のプランでのお話。まだまだ暑い日は続いていますが、もうじき夏は終わっちゃいますよね。

さて。
こんな夏プランが出来ちゃうギャラクシーホールは、第1ターミナルにある施設なんですが…、展望デッキによく行かれる方ならご存知かもしれませんね。ターミナルビルの6階にある施設。左右ふたてに分かれる展望デッキのちょうど中央部分にあります。
この6階なんですが、実はギャラクシーホールの他にも、会議室「オリオン」「シリウス」とあって、「オリオン」の方は、ちょっとゆったりスペースの応接セットなんかがあったり、「シリウス」の方は記者会見会場などで使用されることもしばしば。どちらも目的によって価格は異なりますが(宴会・会議・展示会・宴会付きの会議、など)明瞭価格で誰でも利用することができます。

たとえば羽田空港でオフ会をしたいなぁ、なんて時はシリウスやオリオンを使うのも面白いかもしれませんね。
応接空間の「オリオン」はやや高めですが、それでも部屋だけであれば、2時間で5,250円〜(宴会/Aスペース)で利用できます。10人参加でひとり500円程度ですね。ただし大掛かりに何かをやるとなると、マイクやプロジェクター、ピアノの利用料は別途必要です。
が、こちらもオプションになるけれどもコンパニオンや余興の手配ができるので、ギャラクシーホールはシティホテルと同様のサービスを受けられる場所として考えた方が早いかもしれませんね。なので冒頭の夏プランのような使い方をしたい、という場合も応相談になっていますよ。

ちなみに、金屏風の貸し出しは5,250円。芸能人の晴れ舞台だとか、スポーツ選手の壮行会などで金屏風をよく見かけますよね。ま、芸能人がハネムーン前に記者会見、となるとたいてい成田空港での会見になったりするので、ここはちょっとズルをして、エミレーツ航空で羽田〜関西空港〜ドバイへハネムーンへ行く神田ぴの(仮)夫妻の、記者会見と想定してみましょうかっ。
この場合のお値段を算出してみましたっ。

神田ぴの夫妻は、一応人気のある芸能人なので、キャパシティは350名収容できるギャラクシーホールの、A+B+Cホール。この室料が2時間で126,000円。一応「会議」名目で部屋代をつけてみましたが、もしかしたら芸能人の記者会見は、あるいみ「展示会」になるかもしれません。この場合はグッと上がって630,000円になります。ですが、まぁ、展示会は不特定多数の大人数の人が集まる場なのに対して、記者会見はプレス向けの限られた人のみが集まる、ということで「会議」を適用しました。
でもって、先ほどの金屏風が5,250円。そしてステージが必要ですね…。ステージは2,100円です。
さらに、マイクが必要ですね。これはもしかしたら各テレビ局が用意するものかもしれませんが、ハネムーンへ向かう2人の分の2本のマイクを設置、それから司会者のマイクを1本、そして質問者側にまわすマイクを2本の計5本。これで10,500円になります。

以上でだいたい、

会場:126,000円
金屏風:5,250円
ステージ:2,100円
マイク:10,500円(5本)
----------------------------------------
合計:143,750円

で、この他テーブルに飾るお花や、司会者のお値段などがかかってきますね。これを各10万円ずつで20万円プラスして、その額343,750円! ただ…、芸能人の記者会見が「展示会」になるとしたら、648,750円。同様にお花代や司会者のお値段を合わせて848,750円!!
ま、わたしたちがここでそんなことをするはずもないので、高いか安いかはどっちでもいいのですが(笑)

さて。次回はまた別の羽田空港の利用方法について紹介したいと思います。
では〜!

にほんブログ村 その他趣味ブログ 航空・飛行機へバナーをクリックしていただけると「にほんブログ村」ランキングに1票入ります!

| 竜子 | オールアバウトHANEDA AIRPORT | 15:53 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 航空・飛行機ランキング |
本文ボトム
本文ヘッダー
エコしてますか? ◀
アイキャッチ:金曜日

皆様、お久しぶりですAirmanです。
非常に暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
こう暑いと、エアコンのある部屋からなかなか抜けだませんよね。今年の夏の電力消費量は相当な量になっているかと思います。そうなると考えざるを得なくなるのは「エコ」。
化石燃料の消費を最小限に抑えて快適に過ごす術を探さなくてはならないですね。
我が家でも今年に入ってから、まずはオール電化にし、今月に入ってからは太陽光発電に取り組みました。
10年以上使ったエアコンも省電力タイプのものに交換し、少しでも省エネになるようにしてます。

航空会社もエコへの取り組みは熱心に行われているようです。
燃費の良い最新型機への機種更改や、飛び方そのものの工夫などなど。。。。
そんな取り組みを前面に押し出している飛行機が本日の主役です。
既に羽田空港ではおなじみになった「エコ・ジェット」。
最近はCOP10のロゴマークも追加され、羽田空港の第1ターミナルに彩を添えています。
まずはエコジェット1号機Boeing777-200(JA8984)です。

エコジェット

羽田空港のRWY16Rからの離陸のために第1ターミナルを離れ、タキシングするエコジェット。

エコジェット

RWY16Rを半分以上滑走したところで、ゆっくりと機種を上げます。
いつも感じるのですが、Boeing777の離陸滑走は長いですよね。
エコを意識してエンジンのパワーを調整しているのか? と思うくらい。

エコジェット

本当に飛び上がるのか?と思うくらい走ってからようやくエアボーン。
綺麗な主翼を大きくしならせて、青い空をめがけて突き進んでいきます。

エコジェット

さて、ここまでは国内線のエコジェットでしたが、次の2枚は”国際線”で活躍している「エコジェット」です。
「エコジェット」は国内線・国際線にそれぞれ1機づつあるとのこと。
国際線のエコジェット2号機はBoeing777-300ER(JA731J)です。
国際線では、機内食の食器やコップを軽量化したり、毛布を軽量化したり、ワインのビンもプラスチックに変えるなどの工夫をしているそうです。

エコジェット

ちなみに国際線のエコジェットには”COP10”のロゴは描かれていません。

エコジェット

なかなか定期的に記事を寄稿できず、すみません。
なんらかのテーマ性を持った記事を今後も不定期ですが、寄稿してまいりますので、よろしくお願いいたします。

Airman
| Airman | 「Airmanの飛行機写真館」番外編 | 09:13 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 航空・飛行機ランキング |
本文ボトム
本文ヘッダー
【航空100年】航空ドキュメンタリー「最後の飛行」第11回 ◀

航空100年記念キャンペーン

航空ドキュメンタリー「最後の飛行」第11回 夜の洋上管制、東京コントロール133.6

著作・録音 武田一男




※「▶」マークをクリックするとサウンドが流れます

 夜の太平洋には絶え間なく航空機の交信が続く。
ユナイテッド882 クリア トゥ プレゼントポジション ディレクト パーバ レスト オブ ルート アンチェンジ
(ユナイテッド航空882便へ。現在地点からパーバに直行して下さい。それ以後のルート変更はありません)
サンキューベリーマッチ ディレクト トゥ パーバ ユナイテッド882
(ありがとう。パーバへダイレクトに飛行します。ユナイテッド810)
 続いて東京コントロールの空域に入ってきた日本航空6402便、ロンドンからポーラルートでアンカレッジを経由して成田空港に向かっている貨物便に管制官が呼び掛けた。
ジャパンエア6402 クリア トゥ プレゼントポジション ディレクト メロン
(日本航空6402便へ。現在地点からメロンに直行して下さい)
プレゼントポジション ディレクト メロン ジャパンエア6402
(メロンに直行します。日本航空6402)
 メロン(MELON)は航路OTR10上の、銚子の北東約50マイルにあり、太平洋から成田空港へ進入するポジションのひとつである。
アメリカン154 レーダーサービスターミネイテッド スコーク2000 コンタクト トウキョウレディオ126.7
126.7 スクオーク2000 アメリカン154 グッデイ
 管制官は東京コントロールのレーダー限界に近づいたアメリカン航空154へ東京レディオへ移管する交信をして、飛行高度を上げるリクエストをして待機している日本航空1092ホノルル便に高度39000フィートへの上昇許可を与えた。
ジャパンエア1092 クリアー トゥ フライトレベル メインテイン390
(日本航空1092便へ。高度39000フィートの飛行許可をします)
クライム トゥ メインテイン390 ナウ リービング ジャパンエア1092
(すぐに高度39000フィートへ上昇します。日本航空1092)

 ハーレクインのコックピットではダウニングとネイヤーが食事をしている。
 その間に三宅機長が太平洋洋上のルートとその管制方式について話をしてくれた。
「今日はノータム(飛行情報)でいうとパコッツ(PACOTS)と言うのですが、ホノルル行きのルートはふたつあるんですよ。上が(北側が)トラック11というルートで下が(南側が)トラック12というルートです。それで今日は上の方(トラック11)が混んでいそうなのでトラック12という下の、南側のルートを通っているのです」
 パコッツとはパシフィック・オーガナイズド・トラック・システムの略で、航空機が混雑する太平洋空域の有効利用を図るために設定されたシステムである。(末巻、参考資料)
 日本側の出入り口とアメリカ西海岸、及びハワイ西部の出入り口を定め、そのあいだを毎日、日単位で飛行ルートを選定し航空機を飛行させる。
 このルート選定は毎日、日本の航空交通流管理センター(ATFMC)とサンフランシスコのオークランドARTCCが運航者の希望、天候、軍用空域を考慮して決定しているもので原則として、次の数のルート(トラック)が決められる。

   1 日本から北米へ5ルート(トラック)
   2 日本からハワイへ2ルート
   3 北米から日本へ6ルート
   4 ハワイから日本へ2ルート
   5 北米から東南アジアへ5ルート

 三宅機長の説明のように今日のホノルルまでのルートはトラック11と12が選定されているのである。

パコッツのルートマップ

※画像をクリックすると拡大します

 トラック11と12のどちらを飛行するかは機長が飛行前に会社の運航管理者(ディスパッチャー)と相談して決める。
 前にも述べたが現在、関西空港を前後して離陸しホノルルへ向かっているハーレクイン8673と日本航空1092はハーレクイン機がトラック12を日本航空機がトラック11をそれぞれ選んで飛行している。
 日本からハワイへの東飛行の場合、夜9時から朝1時(日本時間)の間に東経160度を通過する飛行機にのみ設定される。すなはち日本を夕刻に離陸すしてホノルルへ向かう航空機がその対象となるのである。
 三宅機長は地図を見ながら説明を続けた。
「で…、どこからそれに(トラック12に)入るかというと、メイソン(MASON)という(ウェイポイント)がありますね。メイソンから入っていくのです」
 メイソンは飛行プランではウェイポイント(通過地点)NO12の北緯33度50・3分。東経149度59・8分、飛行航路OTR15上にある地点で管制エリアから言えば日本の管制(東京レディオ)の限界地点であり、ハーレクイン8673は現在、メイソンに向けて飛行をしている。
 次に三宅機長はパコッツ・ルート上の管制コントロールの話を始めた。
「今はRVSMといって1000フィート間隔で飛ばすので非常にシビアな高度管理をしているのですよ、以前は2000フィート間隔だったのですが…」
 RVSM(リデュース バーチカル セパレーション システム)とは29000フィート以上の高度を飛行する場合、1000フィート間隔(航空機の上下間隔が約300メートル)で飛行することが出来る管制システムである。普通は日本上空のように2000フィート間隔であるが、北太平洋や北大西洋など航空機が混雑するエリアは航路をワンウェイにして1000フィート間隔で飛行機を上下に並べて飛行させることによって交通緩和を図るのである。
 このシステムが北太平洋に導入されたのは1998年1月からであった。
 そのとき東京コントロールの管制官が東京コントロール133.6の限界に達したことを知らせる交信が入った。
 三宅機長はRVSMの説明を中断して交信に聞き入る。東京から送信する管制官の声がスピーカーから小さく聞こえた。


ハーレクイン機は東京レディオへ



※「▶」マークをクリックするとサウンドが流れます

ハーレクイン8673。レーダーサービスターミネイテッド スクオーク 2000 コンタクト トウキョウレディオ127.4
(ハーレクイン8673便へ。レーダー捕捉の限界です。スクオーク2000 以後は東京レディオ127.4メガヘルツへ交信して下さい)
ラジャー スクオーク2000 トウキョウ127.4 ハーレクイン8673 グッドナイト
 ダウニングが東京コントロールに最後の交信をして周波数を127.4に切り替え東京レディオを呼んだ。
トウキョウレディオ。ハーレクイン8673」(東京レディオ。こちらハーレクイン8673です)
ハーレクイン8673。トウキョウ ゴーアヘッド」(ハーレクイン8673へ。こちら東京レディオです。どうぞ)
 レーダーサービスターミネイテッドのことは前述したように日本の東海岸から約250マイル地点までの範囲は東京コントロールのレーダーARSR(エア・ルート・サービス・レーダー)で捕捉可能な範囲である。それより先の洋上管制はオーシャン・コントロールと呼ばれる東京レディオが担当する。
 本来はHF周波数が使われるが、エリアに入っても暫くの間はHFより聴きやすいVHF周波数を使用している。交信は航空管制通信官が行う。
 この東京レディオの空域ではレーダーが届かないので無線のみの誘導となる。ということは誘導は航空機側からの位置、高度通報(ポジションレポート)をもとに管制をする。
 ダウニングが位置報告(ポジションレポート)を始めた。
ハーレクイン8673。 ポジション スモルト 1037 フライトレベル330
 エステイメイテング メイソン アット 1107 ネクスト 33ノース160イースト ゴーアヘッド

(ハーレクイン8673便です。スモルト(SMOLT、ウェイポイントNO9)を通過しました。通過時間は10時37分(日本時間で7時37分)、飛行高度33000フィートです。メイソン(MASON、ウェイポイントNO12)には11時07分(日本時間で8時7分)の到着予定です。そして北緯33度東経160度地点(ウェイポイントNO13)へ向かいます)
 ハーレクイン機はスモルトを予定通過時間より2分早く通過している。
トウキョウ ラジャ。 リポート メイソン エッチエフ 6532プライマリー 8903セコンドリー
(東京レディオ了解しました。メイソン通過時にHFで報告して下さい。主周波数は6532Hz 副周波数は8903Hzです)
ラジャ リポート メイソン 6532 プライマリー セコンドリー 8903 ハーレクイン8673
 この段階からVHF通信はホノルルセンター管制と交信するまで使用しない。ダウニングは復誦して交信を終えた。
サンキュー」と東京から送られてきた東京レディオのVHF音声がか細く闇に消えた。

パンナム、太平洋へ大型飛行艇就航(太平洋の空の歴史4)
 パンアメリカン航空のホアン・トリップが太平洋に最初の定期便として就航させた大型飛行艇「チャイナクリッパー」こと、「マーチンM-130」は1935年9月22日午後3時46分、世間の注目を集めて午後の日差しがさす美しいサンフランシスコ湾からホノルルに向けて離陸した。
 イギリスの小説家ケン・フォレットはパンナムのクリッパーを「世界一ロマンチックな飛行艇」と言う。彼が書いた一文を読めば、当時のクリッパーの雰囲気が伺われる。

『パンアメリカン・クリッパーがサウザンプトン・ウォーター(イギリスの海の玄関サザンプトン湾のこと)に着水するのは、たしかこれが九回めだが、それでも新奇さは褪せてないようだ。…その飛行艇の魅力にひかれてそれだけの見物人がぞろぞろと集まってきたのだから。同じ埠頭に豪華客船が二隻、人々の頭上たかくそびえるように停泊していたが、それにはだれも注意ははらわず、みんな空を見上げていた。…「きた! きた!」子供はかん高い声で叫んだ。「クリッパーがきたよ!」…興奮のどよめきが群衆のあいだに広がっていった。…それはけたはずれに大きく堂々として、信じがたいほど力強い、空飛ぶ宮殿だ。…停泊している豪華客船にもひけをとらなかった。しかも船で大西洋を横断するのに四、五日はかかるのに、クリッパーなら25〜30時間しかかからない。まるで翼のはえた鯨のようだ』
(飛行艇クリッパーの客 ケン・フォレット 田中融二訳 新潮文庫)


 1942年にルーズベルト大統領を訪問したイギリスのチャーチル首相も、イギリスを代表する戦艦「デューク オブ ヨーク」で帰国する予定をパンナム「クリッパー」に変更した。当時、飛行機嫌いで知られていたチャーチル首相がクリッパーに搭乗したことは世界的ニュースとなったという。彼の著「第二次世界大戦」の中でもクリッパーにふれ、

『私はこの飛行艇に愛着を感じた。動きは滑らかで、振動も不快ではなかった。我々は快適な午後を過ごし、愉快な夕食をとった。私はゆったりとしたベッドに入り数時間ぐっすりと眠った』

 このチャーチル首相が乗ったクリッパーやケン・フォレットの小説に登場するクリッパーは太平洋に就航した「チャイナクリッパー」の四年後に、ホアン・トリップが北大西洋に就航させたボーイング314大型飛行艇のことであるが、サンフランシスコ湾からホノルルへ飛んだマーチンM-130もプラット&ホイットニーツウィンワスプ830馬力エンジンx4 最大離陸重量 52250ポンド 航行距離3200マイル 定員41名とボーイング314大型飛行艇より少し小振りながら豪華さにおいては同じであった。ボーイング314クリッパーも「ホノルル・クリッパー」「サンフランシスコ・クリッパー」がのちに太平洋にも就航している。

ボーイング314クリッパー


 コックピットのクルーはパンアメリカンの機長として名高いエドワード・ミュジークとサリバン副操縦士、2名のナビゲーターと2名のフライトエンジニア、それに通信士の合計七名。航路はサンフランシスコ…ホノルル…ミッドウェイ…ウェーキ…グアム…マニラ間の8210マイル。
 クリッパーはその区間を59時間48分で飛行している。そしてそのときのスケジュールは次の通りであった。

   9/22(金)15時46分  サンフランシスコ湾離陸
    23(土)10時13分  ホノルル着陸
    24(日) 6時35分  ホノルル離陸
    24(日)14時00分  ミッドウェイ着陸
    25(月)06時12分  ミッドウェイ離陸
    26(火)13時38分  ウェーキ着陸
    27(水)06時01分  ウェーキ離陸
    28(水)15時05分  グアム着陸  日付け変更線
    29(金)06時12分  グアム離陸
    29(金)15時32分  マニラ着陸

つづく


にほんブログ村 その他趣味ブログ 航空・飛行機へバナーをクリックしていただけると「にほんブログ村」ランキングに1票入ります!



【航空100年】航空ドキュメンタリー「最後の飛行」
著作・録音 武田一男 (C)Director's House
著作について▶「最後の飛行」収録している音声、音源のすべては武田一男、及びディレクターズハウスが著作権を保有しています。商用、非商用に関わらず無断転載、複製の一切を禁止いたします。詳細については当ブログ管理人までお問い合わせください。




width="600"

→その他、下記サイトのサイトでも、航空サウンド・武田一男プロデュース作品を好評配信中♪
→作品へは「航空サウンド・武田一男」で検索!!
ミュージコ
モーラ
ツタヤディスカスバークス●楽天ダウンロード
●その他、iTunes Storeなど

JUGEMテーマ:航空機


| 竜子 | 【航空100年】ドキュメンタリー 最後の飛行 | 06:36 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark | 航空・飛行機ランキング |
本文ボトム
本文ヘッダー
エールフランスA380がまもなく日本就航! ◀
エールフランスのA380の就航まであと1週間!
パリ〜成田線で月・木・土の週に3便(パリ発は日・水・金)の予定になります。
11:50の便で出発すると、到着は17:15、さらに10月5日からは毎日就航する予定です!

エールフランスA380のエコノミークラスは、VOYAGEUR(ボヤジャー)クラスといって、だいたい450席ほど。2階建てのうち、翼より前がLA PREMIEREというファーストクラスに割当てられ、翼より最後尾まで、それから2階席の翼より後ろの最後尾までがボヤジャーに割り当てられています。
ちなみに、ビジネスクラスはAAFFAIRESといって、2階の頭からおよそ2/3ほどが割り当てられていて、ラウンジがあります。

1階のエコノミーは、3-4-3の配列なのに対して2階のエコノミーは2-4-2。よく見ると後部シートの方はエコノミーとはいえかなりゆったりスペースになっているのではないでしょうか。

面白いのは、シートに備え付けられたモニター画面では、座席間でチャットが楽しめたり、さらにUSBが備え付けられているので、旅先のガイドやゲームをダウンロードすることができるんですね!
USBは機内でも販売しているということですが、最近は大容量USBメモリでも1000円程度から購入できるので、あらかじめ買って行っても面白いかもしれません(といっても、出力装置となるネットブックやノートパソコンは必須ですが…)。

いまは暑い暑い夏ですが、そのうち木枯らしが吹いて、ツーンと寒い冬になると、パリの素敵なシーズンになります。シャンゼリゼ通りのマロニエの並木はクリスマスのイルミネーションで包まれ、街角のショーウィンドウも華やかに。通りの両脇にはこの時期だけマルシェ・ド・ノエルという雑貨や惣菜、お菓子などを販売する洒落た露天が軒を連ねるようになります。移動式遊園地なんかも出現して、観覧車やメリーゴーランドや…。童話に出てくるような素敵な気配ですよね。
行ってみたいです、パリ。

いま、エールフランスのWEBから予約すると、もれなくキャンペーングッズがもらえるんですって!!
といっても、男性はあまり惹かれないかもしれません…。
バーバラ・リールのトラベルグッズだそうですが、バーバラ・リールってもう女の子が虜になるようなデザインが多いんですよね。日本だと、お洒落な雑貨が多くて私も好きなセレクトショップ「アッシュ・ペー・フランス」で販売していたりします。
こんな感じです。
アッシュ・ペー・フランスのページにあるバーバラ・リールのバッグ

あ、ちなみにこのバックがもらえるわけではありませんからねっ!!!

これかな…。
トラベルタグ
(これについては、詳細が分かったらまた更新しますね)

「バーバラ・リールのトラベルグッズ」としかみつからなかったので、どんな物かは知りません。
だって…もしバックだったら速攻で予約したいですよね! バッグだけでもけっこうしますからね。オイルチャージは別ですが、12月は7万円以下で往復できちゃいます。


にほんブログ村 その他趣味ブログ 航空・飛行機へバナーをクリックしていただけると「にほんブログ村」ランキングに1票入ります!
JUGEMテーマ:旅行


| 竜子 | 航空雑記とつれづれぐさ | 11:00 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark | 航空・飛行機ランキング |
本文ボトム
本文ヘッダー
【航空100年】航空ドキュメンタリー「最後の飛行」第10回 ◀

航空100年記念キャンペーン

航空ドキュメンタリー「最後の飛行」第10回 夜間飛行

著作・録音 武田一男



 照明を暗くしたコックピットの中では、計器類の光りがほの暗く光り、窓の外の星空とつながっているように見えて幻想的な雰囲気を作っている。
 ダウニング副操縦士とネイヤー航空機関士が夕食を取り始めた。


※「▶」マークをクリックするとサウンドが流れます

 コックピットのスピーカーからトラフックで混雑する東京コントロール関東東エリアの様子が伺われる。管制官がアメリカから飛来してR220航空路を西へ向かう貨物専用航空ポーラ・エアー・カーゴ87便をレーダー捕捉して、現在の飛行地点を知らせる。
ポーラタイガー87。レーダーコンタクト 45マイル ノースイースト オブ ナナック」(ポーラタイガー87便へ。レーダーで捕捉しています。現在位置はナナックの北東45マイル地点です)
 ナナック(NANAC)は三沢市の東約80マイルの洋上にある飛行ポイントである。
ラジャ。ポーラタイガー87。リクエスト 360
(了解しました。ポーラタイガー87便。36000フィートへ上昇許可願います)
ポーラタイガー87 スタンバイ」(ポーラタイガー87便へ。待機願います)
トウキョウ ユナイテッド882 パッシング アリス 1005 クライム フォー フライトレベル 330
 成田空港を離陸したシカゴへ向かうユナイテッド航空882便B747-400が東京コントロールの空域に入ってきた。現在高度10500フィートで銚子沖アリス(ARIES)を通過、高度33000フィートへ上昇中という報告である。
ユナイテッド882。トウキョウコントロール ラジャ
ユナイテッド882。ウィ ハブ トラックワン トゥ パーバ?
(ユナイテッド882便です。パーバ(PABBA)へ向っていいですか?)
 パーバは北太平洋パコッツルートのトラック1の日本側の入り口である。
ユナイテッド882 ジスタイム クリア トゥ プレゼントポジション トゥ ディレクト ケイジス」(ユナイテッド882便へ。今回は現在位置からケイジス(KAGIS)に向かって下さい)
 ケイジス(KAGIS)は房総半島の銚子の沖、約100マイルの地点でその後北太平洋への航路A590をアモットへ向うユナイテッド機には若干まわり道になる。
サンキュ。ディレクト トゥ ケイジス ユナイテッド882
(ありがとう。ケイジスに直行します。ユナイテッド882便)
 次に管制官は東京コントロールが管轄する空域の限界地点に達した成田空港発サンフランシスコ行き日本航空2便に、レーダー捕捉の限界を告げ、以後は東京レディオに移管するようにというハンドオフの指示をする。
ジャパンエア2 レーダーサービスターミネイテッド スコーク2000 コンタクト トウキョウレディオ126.7
(日本航空2便へ。レーダー捕捉の限界地点です。ス クオーク2000 以後は東京レディオ126.7へ交信して下さい)
ジャパンエア2 スコーク2000 126.7 グッデイ
(日本航空2便です。スクオーク2000 以後の周波数126.7メガヘルツ了解しました)
ユナイテッド810 レーダーサービスターミネイテッド スコーク2000 コンタクト トウキョウシディオ 126.7
 今度は関西空港をハーレクイン8673便より先に離陸したユナイテッド航空810便B-747ー400、サンフランシスコ行きが東京コントロールのレーダー限界に着いた。
2000 126.7 ユナイテッド810 フライトレベル330 どうも

 ここでユナイテッド航空810便と同じく、ハーレクイン8673便が関西空港から現在の東京コントロールまでハンドオフされてきた管制エリアを辿ってみると、
 まず、関西空港デリバリー管制で飛行プランの承認を受け、関西空港のグランドコントロールへハンドオフ、そこで滑走路までの地上管制を受けた。次は関西空港のタワーコントロールの指示で離陸。離陸後は関西空港ディパーチャー・コントロールのレーダー誘導で上昇。ここまでが飛行場管制のエリアである。
 そして航空路に入るとエアールートを管制するACC(エアー・コントロール・センター)の管制下に入り、東京コントロールの紀伊セクター133・5、次に関東南Cセクター124・55、三宅島近くになると関東南Aセクターに引き継がれ、現在は関東の太平洋空域をコントロールする関東東セクター133.6のエリアにいる。
 ハーレクイン8673は出発から現在まで無線機の周波数を八つも変えて飛行していることになる。
 そしてこのあと、東京レディオからサンフランシスコ・オークランド管制に入って、ホノルル管制へとハンドオフされてゆく。
 オートパイロットを作動させ、楽に飛行しているようにみえる航空機もいろいろな規制の中を飛んでいるのだ。
 そのオートパイロットも無かった時代、広大な太平洋に定期路線を就航させるべく情熱を燃やした航空会社があった。

太平洋へ民間定期路線就航 パンナムの時代(太平洋の空の歴史3)
 太平洋を乗客を乗せて飛行した最初の航空会社は「パンナム」の愛称で知られているアメリカのパン・アメリカン航空であった。
 太平洋の民間航空の歴史はパンナムの歴史でもある。そしてそれはひとりの男の空への夢に支えられた歴史でもあった。
 1927年(昭和2年)3月14日フロリダを起点にして、キーウェストとキューバのハバナを結ぶ144キロのアメリカ最初の国際航空路をもつ小さな航空会社が生まれた。 それが情熱の人、ホワン・トリップが設立したパン・アメリカン航空である。

ホワン・トリップ


 1927年といえばリンドバークが大西洋を、メーランドとヘーゲンがサンフランシスコとホノルルの間を無着陸で飛行した年である。
 そして翌年にはホワン・トリップはマイアミとハバナ間を就航させ、その後バッフアローやニューヨークにもあった小さな航空会社を統合させて本格的にパン・アメリカン航空の創業を開始する。
 当時の主力機種はフォツカーF7-3M、八名の座席を持つ3発エンジン機であった。
240馬力のエンジンを3基、最大離陸重量8800ポンド、飛行距離は660マイルである。

フォッカーF7-3と客室


フォッカーF7-3


 ホワンは空に夢をかけた野心家であった。祖父のホワン・テリーはキューバの富豪で船乗りで、ホワンはその祖父から冒険心と野心を受け継いで育つ。
 エール大学では飛行クラブを作り、大学を一時休学して海軍の爆撃機の操縦士になったほど飛行機が好きであったという。
 エール大学を卒業すると銀行に入るが、空への夢をあきらめきれずに航空事業家に転身する。
 最初、ホワンは空軍の払い下げの中古飛行機を改造し、その飛行機でニューヨークの社交界の名士を別荘に運ぶという航空会社をつくる。ボストンとニューヨークの郵便輸送も始めた。そして30才のとき、パン・アメリカン航空を設立する。
 国際線運航は政府の認可が必要なので、彼はエール大学時代の人脈でワシントン政界にコネを作る。ホワンの妻の兄はルーズベルト大統領の国務長官であった。
 次々と郵便輸送と国際線の認可を手に入れると、彼は矢継ぎ早にキューバ、中南米、南米、アメリカ東海岸に路線を拡大し、パンナムを創立して5年後の1932年には、約二万キロに達する中南米路線をもつアメリカ最大の航空会社に発展させている。
 ホワンは路線を拡張する一方で新しい飛行機の開発に全力を注ぐ。パンナムが使用した飛行機はアメリカ航空界を代表する名機ばかりである。
 例えば、フェアーチャイルドFC-2(定員6名、プラット&ホイットニーの450馬力エンジン一基)。フォード・トライモーター・シリーズ(定員12名、420馬力エンジンx1と450馬力エンジンx2)。ローッキードL10エレクトラ(定員10名、450馬力エンジンx2)などである。
 その中でも一際、輝いている飛行機は、シコルスキーF7-3大型飛行艇であった。

シコルスキーS-40大型飛行艇


 彼は祖父が、そして先祖が乗った快速帆船にちなんで、その飛行艇を「アメリカン・クリッパー」と名付けた。パンナム最初のクリッパー命名機である。
 次にホワン・トリップが目をつけたのは太平洋であった。
 当時アメリカ政府が中国に市場拡大を求めていた経済的背景もあり、ホワンはアメリカと中国を結ぶ太平洋に定期便を就航させるという壮大な夢を抱く。
 ルートはふたつ考えられた。ひとつはサンフランシスコからアラスカ西海岸、アリューシャン列島、日本、マニラ、香港を結ぶ北太平洋コースで飛行距離は約14000マイル。もうひとつはサンフランシスコからホノルル、ミッドウエイ、ウェーキ、マニラ、香港を結ぶ太平洋横断の海洋コースで飛行距離は約8000マイルである。
 最初、ホワンは島伝いの北大西洋コースが距離は長くなるが途中、給油や安全面で現実性があると考えていた。
 当時の飛行機の航行距離は双発のロッキード・エレクトラで800マイル。シコルスキーF7-3飛行艇でも1200マイルなので長距離の海洋横断には無理があったからだ。
 そしてホワンは大西洋を単独横断して名を馳せるチャールズ・リンドバークを技術アドバイサーに迎えて、1931年夏、コースの調査のためにリンドバーク夫妻に北太平洋のルートを香港までの飛行を依頼する。
 リンドバーク夫妻が単発のロッキード・シリウスでニューヨークを発ち、カナダ東海岸、アラスカのノーム、アリューシャン列島からカラフト、北海道の根室を経て東京に飛来したのは、昭和6年(1932年)の8月である。その年は奇しくも報知新聞社の「報知日米号」が青森県淋代海岸からアメリカへ太平洋横断に飛び立った年でもあった。

リンドバーク機


 リンドバークの調査の結果、パンナムの飛行ルートは北太平洋コースに決まったが、途中通過するロシア政府の反対で許可が出ず、結局ルートは太平洋の中央を横断するコースに決めざるをえなかった。
 しかしこのルートにはノン・ストップで飛行しなければならないサンフランシスコとホノルル間の2494マイル(約3890キロ)という当時の飛行機の航行距離では想像を絶する太海原が横たわっていた。

パンナム太平洋開発飛行ルート

※画像をクリックすると拡大します

 この大海原は冒険飛行やチャレンジフライトならともかく、乗客をのせた定期便を就航させるには長すぎる距離であった。
 ここでホワンの夢は挫折するかに見えた。
 しかし彼は途方もない方法でこれを実現する。
 それは航行距離が3000マイルを越える新しい航空艇(フライングボート)の開発であった。
 すでに彼はシコルスキー社にカリブ海や南アメリカで使用する1200マイルの航行距離を持つ飛行艇、シコルスキーS-42(定員32名、プラット&ホイットニー700馬力エンジンx2、離陸総重量38000ポンド)を持っていたので、シコルスキー社にS-42の航行距離を延ばす改良型とマーチン社に新しい大型飛行艇を発注する。
 そして三年後の1935年9月22日、彼の情熱は乗客を乗せたマーチンM-130大型飛行艇を太平洋に就航させた。
 41名の定員を乗せて3200マイルも飛ぶことが出来る大型飛行艇を、彼は「チャイナクリッパー」と名付けた。当時、夢の飛行機と騒がれた歴史的航空機である。

チャイナクリッパー


 「チャイナ・クリッパー」の出発の様子はアメリカ全土にニュースとして流され、記念切手までが発売されたという。そしてハンフリー・ボガード主演で映画「チャイナ・クリッパー」(邦題「太平洋横断」)が製作されるなど、ホワン・トリップの名とパン・アメリカンの「チャイナ・クリッパー」は一躍有名になった。

つづく


にほんブログ村 その他趣味ブログ 航空・飛行機へバナーをクリックしていただけると「にほんブログ村」ランキングに1票入ります!



【航空100年】航空ドキュメンタリー「最後の飛行」
著作・録音 武田一男 (C)Director's House
著作について▶「最後の飛行」収録している音声、音源のすべては武田一男、及びディレクターズハウスが著作権を保有しています。商用、非商用に関わらず無断転載、複製の一切を禁止いたします。詳細については当ブログ管理人までお問い合わせください。




width="600"

→その他、下記サイトのサイトでも、航空サウンド・武田一男プロデュース作品を好評配信中♪
→作品へは「航空サウンド・武田一男」で検索!!
ミュージコ
モーラ
ツタヤディスカスバークス●楽天ダウンロード
●その他、iTunes Storeなど

| 竜子 | 【航空100年】ドキュメンタリー 最後の飛行 | 21:11 | comments(7) | trackbacks(0) | pookmark | 航空・飛行機ランキング |
本文ボトム
AD_航空100年キャンペーン
AD_わが心のキティホーク
AD_最後の飛行
AD_DC-3特集
▶ランキング参加中!!
にほんブログ村 その他趣味ブログ 航空・飛行機へ
バナーをクリックしていただけると、
「にほんブログ村」ランキングに1票入ります!
記者のモチベーションを上げる1クリックにご協力ください!!
AD_音楽配信サイト MySound 武田一男プロフィール
MENU「FD機長が操縦するB747チャーター便の旅」へ
MENU「Airmanの飛行機写真館 番外編」へ
MENU「ダイキャストプレーンでまったり紀行」へ
MENU「雨中航路」へ
CONTENTS「台風飛行」
CONTENTS「機長席」
MENU「ヒマラヤ飛行」
▼ OEW 追加(2009.12.25) MENU「FD機長の航空用語辞典」へ
MENU「FD機長の航空管制解説」へ
MENU「本の紹介」へ
MENU「羽田空港特集」へ
MENU「チェックしておきたい航空関連NEWS」へ
AD_はじめての航空管制
Airmanの飛行機写真館へ
↓飛行機グッズを生活で楽しむ!!
「ひこうきのあるくらし」バナー画像
にほんブログ村 その他趣味ブログ 航空・飛行機へバナーをクリックしていただけると「にほんブログ村」ランキングに1票入ります!
航空関連サイトの検索エンジン GOOD SKY SEARCH
「ヒコーキ大好き」さんに紹介していただきました。
飛行機待ち受け画像を取り揃える携帯サイトです(有料)。
↓↓↓↓↓↓↓

タイアップされました
本ブログテーマ「高度一万メートル」(アップルハウス)
本ブログコマーシャル
「週刊 飛行機ダイスキ!」バナー画像
/