【ヒマラヤ飛行】はじめに

「機長席II ヒマラヤ飛行」のブログ連載にあたって

コックピットのボイス・レコーディングとその解説文で綴る航空ドキュメント作品は、過去、「機長席」(朝日ソノラマ社)、「ラストフライト」(愛育社)と発表させて頂き航空ファンの多大なるご声援を賜りました。ほんとうに皆様には深く感謝しております。

 さて、今回、そのシリーズの新作「機長席II ヒマラヤ飛行」をこのブログ「飛行機ダイスキ」でリリースさせて頂く事になりました。著者として連載が始まる前に簡単ではありますがご挨拶させて頂きたいと思います。

「機長席」は北海道から羽田空港へ飛行するボーイング・トリプル7の、「ラストフライト」は関西空港からホノルルへ飛ぶダグラスDC-10のドキュメンタリーでした。そして今回の作品「機長席II ヒマラヤ飛行」は福岡空港から中国大陸を横断しミャンマー、バングラディシュ、インドを経由しネパールのカトマンズへ飛行するA300-600のドキュメンタリーです。

 この第3作が前作2作品と違うのは、チャーター便であると言うことです。定期便はご承知のごとく飛行するルートをクルーは事前にすべて熟知しています。又、相手国の管制官も定時にその飛行機が通過することを承知しており安心感があります。

 しかし不定期便の場合は全く様相を異にします。そのひとつの問題は管制官とのコミュニケーションです。どの場所でどこの管制官とコンタクトを取るかということは事前のデータ等で把握しているにせよ、現実、それがデータ通りうまくいくとはかぎりません。とくにこの飛行ルートはミャンマー、バングラディシュ、インド東など国境が入り乱れる地域の上空を通過しなくてはなりません。中でもミャンマーは軍事国家で内乱などいつ非常事態が起こり上空通過を拒否されるか、など不安がいっぱいでした。実際、このフライトでは何回も管制官との交信が出来なくなるシーンがありました。ふたりのパイロットがそれぞれ別の無線機を使ってふたつの国の管制と同時にコンタクトをするという定期便では考えられない事態も起こりました。その緊張感はそのままこの作品のクライマックスになっています。

 又、飛行ルートは航空機に搭載しているナビゲーションで目的地上空まで飛行出来ますが、経験のない空港の離発着はクルーにとって最も気を使う事柄であり、定期便にはないコックピットの緊張感が生まれるのです。この作品の最後、世界でも有数のアプローチ、着陸が難しいといわれるカトマンズ空港への進入が醸し出す緊張感もこの作品のもうひとつのクライマックスを作り上げています。それから、ひとつだけ特ダネ(?)自慢もあります。中国の管制事情を赤裸々に公開するのはこの録音が日本最初だと思います。

 何にしてもこのヒマラヤ・フライトのドラマチック、かつスリリングさは前作のフライトに比べて桁違いなものでした。それらの臨場感を31回の連載でお届けします。長丁場になりますが最後までお楽しみ頂ければ幸いです。

 最後にお願いがあります。私の知識不足で交信内容や航空機の技術的な事柄で記載ミスが多々あると思います。もしお気づきのことがありましたら、訂正のコメントをして下さい。作品を”より完全なもの”にするためによろしくお願い致します。

武田一男

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    • まったり
    • 2008年 11月28日 2:25pm

    武田様
    夏頃に頂いたCDのお礼の挨拶すら出来ず
    大変失礼致しました。私みたいに少しでも
    航空無線を齧った人間にはとてもタマらない内容であり
    私も幾度か乗ったA300-600R機でもチャーター便ならではの
    面白さも伝わってきていいですね。こうやって
    武田様の作品を体感出来る機会が得られて
    嬉しく思います。

    • 武田一男
    • 2008年 11月28日 5:38pm

    まったりさん。お元気そうで何よりです。まったりさんが元気だと嬉しいですよ。その元気、僕、少し貰おうかな。ヒマラヤ飛行の配信、まったりさんの知識をあてにしています。今後も適切なアドバイスやコメント期待していますのでご指導下さい。よろしくお願いします。武田一男。

    • B777
    • 2008年 11月28日 8:58pm

    武田一男 様
    初めまして。
    私は5年前まで飛行機が大嫌いでした。
    結婚を機に新婚旅行でオーストラリアに行く事になり、飛行機嫌いを克服する為に、ありとあらゆる本を読み漁りましたが、ダメでした。
    そんな時、「機長席」を何気なしに手に取りパラパラとめくって購入しました。
    家でその音源を聞いた時の衝撃は未だに忘れられません。
    飛行機は好き勝手に飛んでいるのでなしに、パイロットと管制官が綿密に交信をし、目的地にお客様を送り届けている事に感動をしました。
    それからと云うもの、飛行機をもっともっと知りたい好奇心に駆られ、今は飛行機に対する恐怖心もなく、飛行機に乗ることが楽しみで仕方ない程に成長しました。
    これも武田様のお陰であり、誠に勝手ですが、御礼が云いたくて云いたくて、どうすれば良いか困っておりました。
    本当に有難う御座います!
    今では武田様の大大大ファンでして、毎日の様に武田様の音源を耳にしております。
    現在ではコックピットの入室は禁じられて、現在の音源は聞けないのが残念ですが、今まで収録された音源を全て聞きたい衝動に駆られている日々を過ごしているぐらいで、ちょっと危ない人間かも知れませんが、「機長席」「機長席ーラストフライトー」「アジア回帰線飛行」の交信内容は全て自然と暗記してしまいました。
    きっかけが「機長席」でしたので、一番好きな航空機はB777で、今はなくなった「レインボーセブン」が私にとっての航空機の象徴みたいなものです。
    これからも航空機の素晴らしさ、そしてパイロットを始め管制官、スタッフの人間臭さを体感できる作品を世に出して頂くことを、切に願っております。
    この場をお借りして、御礼かたがた今後の活躍を期待し応援させて頂きます。
    (追伸)新婚旅行で行くはずだったオーストラリアは行く直前、嫁さんが妊娠した為、行っておりません…未だに新婚旅行に行ってないなぁ〜と愚痴られております。
    ●竜子様
    私の勝手で、この場を利用させて頂いた事をお許し下さい。
    このサイトには、本当に感謝しております。
    ありがとうございます!!!

    • 武田一男
    • 2008年 11月29日 8:24pm

    B-777 様
    ご丁寧なコメントありがとうございました。僕は30代の中頃から飛行機に興味を持つようになり航空無線が少しづつ理解できるようになって面白くなりました。いつも作品を聴いて頂き感謝しています。これからもよろしくお願いします。

    • 竜子
    • 2008年 11月30日 5:56pm

    ■B777さん
    そういえばカンニングの竹山さんも飛行機が嫌いだったのに、一転して好きになったというお話をどこかで見かけました。同じだ…! 嫌いだったものが好きになる、って凄いですね。「機長席」は、飛行機好き以外の人でも読んでいる人がいるのは何となくわかります(それくらい、売れたと思うので)。ここにその方がいて、しかもファンになってるという素晴らしさ! なんの縁だか分かりませんが、そして人ごとなのですがなぜか嬉しいです。
    今回の「機長席II 〜ヒマラヤ飛行」はB777さんもご存知の通り、テクノブレーンからリリースされた「アジア回帰線飛行」の音源になります。iTunesStoreやヤマハMySoundでも有料配信されています。このお話を頂く前に、私も福岡〜昆明までの音源を聴きながら電車に乗っていたわけですが、もし交信内容を暗記するほどに覚えてらしたとしても、新しい発見があると思います。また、交信だけでは読み取れなかった気配も、解説を読んでいただければ、もっと身近に感じられると思うので、楽しんでください♪
    ではでは
    武田さん宛のコメントに横やり入れてすみません!

    • B777
    • 2008年 11月30日 11:57pm

    竜子 様
    とんでもないです!勝手なことして申し訳なく思っています。
    仰られている通り、既に新しい発見があり、一層の気配をプンプン感じております!
    「そうだったんだ〜!」と云うのがわかって、嬉しいです!
    おそらく私だけと思うのですが、武田様の音源を聞いていると、頭の中でコックピットが描かれて、パイロットの動きを自分で想像する時もあれば、自分自身がパイロットになった気になって、知らず知らずにスラストレバーを押している動きをしたり、FLのツマミを回している動きをしているんです。(怖いでしょっ!車を運転している時なんて、完全にその気になっています。)
    明日から12月です。
    良いお正月を迎える為に、もうひと踏ん張りっ!
    頑張って行きましょ!

    • 竜子
    • 2008年 12月1日 1:25am

    ■B777さん
    ぜんっぜん、B777さんだけじゃないですよっっっ!!! 電車はいちばん前の車両で、線路のレールを見ながらでもその気になれます。滑走路の中心線もどきにみえてきますしね。通勤時は2本の1級河川を越えるのですが、そのまっすぐに橋を渡るときなんて頭はもう空(川なのに)!
    車を運転しながら聴くのも気持ちがいいですよね! わかります、かわります!! 首都高なんかのってると、まるでコックピット! モノレール脇のトコなんて最高です。まっすぐな滑走路にみえてきたりして、しかもその先には羽田空港が待っているわけです…。
    とかレスを書きながら、いま一瞬トリップしてました(笑)
    怖いですよね、危ないですよね…(わたしの人格が)。

    • hiro
    • 2011年 1月7日 4:55pm

    こんにちは。
    先日「ヨーロッパ飛行」の第二回にコメントさせていただきました。
    こちらのコンテンツも気に入って何度も聞いております。
    まだ訂正は受け付けていただけるのでしょうか?
    何カ所か気になる箇所がありますので、もしよろしければコメントさせていただきたいのですが。

    • 竜子
    • 2011年 1月7日 5:15pm

    ■hiroさん
    こんにちは。いつもどうもありがとうございます。
    ぜひ、お願いいたします!!
    本文中で武田さんが呼びかけているように、作品を"より完全なもの"にするために、更新終了後もぜひ修正やご意見を頂ければ、とてもありがたいです。
    どうぞよろしくお願いいたします。

    • hiro
    • 2011年 1月7日 6:20pm

    竜子さん
    さっそくの返信ありがとうございます。
    ヨーロッパ飛行の続編の更新も楽しみに待っております。

    • 竜子
    • 2011年 1月8日 7:16am

    ■hiroさん
    はいっ(^^
    いま、桃田素晶さんが鋭意製作中です(確認段階です)。
    よろしくお願いします!

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