機長席第8回 成層圏飛行

東京コントロール東北セクターから札幌コントロール三沢西セクターへ

※「▶」の再生ボタンをクリックすると航空サウンドが流れます

▼東北空路地図
東北空路地図

▼ナビゲーションログ
ナビゲーションログ

トーキョー・コントロール オールニッポン67 レベル 370」(東京コントロール管制へ 全日空67便です 高度3万7000フィートです)
オールニッポン67 トーキョー・コントロール ラジャ」(了解しました)
 エアシステム115便のすぐあと離陸した全日空67便札幌行き747が高度37000フィートに上がってきた。115便は67便の4000フィート上を飛行している。
トロポポーズの上、今、成層圏ですよ
 4万1000フィートまで上昇すると、空の色が一変する。
 青空色は紺色になり上空は黒に近い紺色となる。まるで宇宙の入り口を見ている感じがして5000フィート違うと空がこんなに変わるものかと驚く。この高度では真昼に星さえ見えるのだ。
 ルネッサンスの頃、レオナルド・ダ・ビンチも飛行機を想案したように人は昔から空を飛ぶことにロマンを感じている。日頃空を飛び慣れたパイロットにとっても、とくに高高度の空を飛行するのはロマンなのであろう。 
 管制官が115便に先行する旭川行き全日空869便767を札幌コントロールへ移管させた。
オールニッポン869 コンタクト トーキョー… コレクション サッポロ・コントロール 133.3」(全日空869便へ 以後は東京…、訂正します。札幌コントロール管制133.3メガヘルツに連絡して下さい)
オールニッポン869 サッポロ 133.3」(札幌コントロール管制133.3メガヘルツに連絡します)
スピード V‐NAV パス
スピード V‐NAV パス
 エアシステム115便は宮城県と山形県の県境沿いに北上しまもなく蔵王上空にさしかかる。そのあと山形県天童市の東にあるウェイポイントKAEDEに向かう。午後の黄色味をおびた光りがコックピットの窓いっぱいに射し込んで暖かい。
そこが蔵王です その山が…、仙台があの辺で…、あと佐渡島が見えますし…
 左下に緑の森を抱いた蔵王の山々が連なり始めた。ひときわ高い山が屏風岳だ。右手には太平洋が見え、少しもやがかかった海はベールを透かして淡い青色に広がっている。海岸線の左には仙台の町並みが広がり、そして首を左に振れば新潟県の佐渡島まで遠望できる。4万1000フィートでのコックピットからの展望は日本列島を挟んだ太平洋と日本海が一望できるというまさに信じられないような一大パノラマだ。この景色だけはパイロットしか見ることができないのだ。
エアドゥ14 コンタクト トーキョー・コントロール 124.1」(エアドゥ14便へ 以後は東京コントロール管制124.1メガヘルツに連絡して下さい)
124.1 エアドゥ14」(東京コントロール管制124.1メガヘルツに連絡します)
 札幌発羽田空港行きのエア・ドゥ14便767-300が札幌コントロールから東京コントロール北セクターへ移管した。そして115便の下を飛行していたJA8846が仙台空港進入管制へ受け継がれる。
ジュリエット アルファ 8846 コンタクト センダイ・アプローチ 120.4」(JA8846へ 以後は仙台アプローチ管制120.4メガヘルツに連絡して下さい)
8846 コンタクト センダイ・アプローチ 120.4 グッディ」(仙台アプローチ管制120.4メガヘルツに連絡します さよなら)
グッディ」(さよなら)
ちょうど、強風軸の上あたりですね 方向がゴロっと変わった」300度方向から吹いていた風が急に西へまわった。これでヘッドウインドではなくなるので飛行が楽になる。
ちょうど今、山形盆地、山形、右が仙台、ちょうど海岸の近くに黒い線がピューって見えません?仙台…」 木村副操縦士がパノラマの説明してくれる。
トーキョー・コントロール オールニッポン861 メインテイン 210 プロシード ヤマガタ」(東京コントロール管制へ 全日空861便です 2万1000フィートで山形に向かっています)
オールニッポン861 トーキョー・コントロール ラジャ」(了解しました)
 函館へ向かうルートはここで分かれる。札幌へ向かう115便はそのままY11で東北VOR(MWE)に向かうが、函館へは山形VOR(YTE)へ機首を転ずる。
オールニッポン743 コンタクト サッポロ・コントロール 124.5」(全日空743便へ 以後は札幌コントロール管制124.5メガヘルツに連絡して下さい)
オールニッポン743 コンタクト サッポロ・コントロール 124.5」(札幌コントロール管制124.5メガヘルツに連絡します)
 115便より先行し釧路へ向かう全日空743便が札幌コントロールへ移った。
コリアンエア206 レーダー コンタクト アプローチング アスター」(大韓航空206便へ レーダーで捕捉しています アスターに進入して下さい)
サンキュ コリアンエア206
 大韓航空といえば過去、大韓航空007便747がアラスカのアンカレッジを離陸して北太平洋ルートでソウルまで飛行する途中、ソビエト圏に迷い込み撃墜されるという悲惨な事故を思い出す。
 その原因はパイロットがイナーシャー・ナビゲーション・コンピューター(INS)にインサートする緯度、経度の数字を間違えたために、知らず知らずの内に飛行機がソビエト領空に入りこみ、結果、撃墜されたという原因説明をするひともいる。
 大韓航空の場合は、アンカレッジからソウルまでの通過地点はすくなくとも20ポジションはあったであろう。たしかにその間に挿入にミスがなかったとは誰も言えない。
 777にかぎらず、第四世代の旅客機のナビゲーションコンピューター(FMS)は改良されパイロットがインサートするという作業を省き、コンピューターソフトに通過予定の緯度、経度を最初から記憶させて、出発地/目的地ごとに呼び出せばその飛行ル-トがすぐに出てくる仕組になっている。しかも、777のFMSは衛星と地上の航行支援標識から送られる電波により、僅かな狂いも修正しながら飛行しているので正確な飛行が可能となったのだ。もし、大韓航空007機に現在の777が持つナビゲーション・コンピューターが搭載されていたならば、間違ってソビエトの空に入り込むことはなかったろうと残念に思われる。

エンルート リポートしておきます
 操縦を木村副操縦士と交代して、森田機長は羽田のエアシステム運航部ディスパッチ・ルームにエンルートの報告を始めた。
 これは4万1000フィートで飛行している現在の気流や風、外気温などをデーターなどをACARSでアップロードしてエアシステム運航部に知らせるのである。この気象データー等はこれから運航、すなはちY11の飛行を予定しているエアシステム便が、飛行前のブリーフィングをする際の資料のひとつになるのだ。
 ACARSは「エアクラフト コミュニケーション アドレッシング アンド レポ-ティング システム」という長い名前のコミュニケーション・コンピューターで、略してエーカーズと呼ばれている。目的地の空港の天気情報やノータム、エンルートの気象データーなどを即座に入手、かつ送信することが出来る装置である。このエーカーズのおかげで巡航中のカンパニーコールがなくなった。
 キャビン・クルーがコックピットに副操縦士のコーヒーをひとつ持って入ってきた。
(機内)サービスは終了しました
はい、お疲れさま
飲み物を何か?」と森田機長に尋ねる。
ちょっと待ってね。…僕もコーヒー、じゃあブラックで…はい
 飛行機の中は乾燥しているのでこまめに水分を取らなければ、と木村副操縦士がコーヒーをおいしそうに飲んだ。
月山ですね…」115便はウェイポイントKAEDEを過ぎた。左下に東北地方の代表的な山のひとつ出羽三山で有名な月山(1984メートル)が見える。このあと115便は宮城県に入って平泉の北西にある栗駒山、そして花巻の西から岩手県上空に向かう。
ついでに千歳のウエザーを…」森田機長はACARSで札幌の天気データを取り始めた。
トーキョー・コントロール オールニッポン363 アプローチング フライト レベル 250 アサイン 330 スタンディング バイ アルチュード」(東京コントロール管制へ。全日空363便です。 高度2万5000フィートに向け上昇中です。そのまま高度3万3000フィートへ上昇しても宜しいですか?)
 福島空港を飛び立った15時25分発札幌行きの全日空363便767-300が管制エリアに入ってきた。
オールニッポン363 トーキョー・コントロール スタンバイ ハイ アルチュード ワン トラフィック 11 オクロック 20 マイル パラレル ゼン フライト レベル 260」(全日空363便へ 11時の方向20マイル先に同方向の飛行機がいるので、高度2万6000フィートを維持して下さい)
260 オールニッポン363」(了解しました)
 今度は三沢空港14時55分発羽田空港行きエアシステム226便A300が管制官を呼んだ。
トーキョー・コントロール エアシステム226 リクエスト フライト レベル 200 アベラブル」(東京コントロール管制へ エアシステム226便です 2万フィートで飛行したいのですが)
エアスシテム226 スタンバイ」(待機して下さい)
スタンディング バイ」(待機します)
 キャビンアテンダントがコックピットに入室して森田機長にコーヒーを渡した。
(コーヒー)ありがとう はい、サンキュ

 仙台空港15時35分発札幌行き全日空727便767-300が東京コントロールに入ってきた
トーキョー・コントロール オールニッポン727 グッドアフタヌーン リーチィング 9500 クライム アンド メインテイン 250 イフ アベラブル トゥ リクエスト トウホク VOR」(東京コントロール管制へ 全日空727便です 現在高度9500フィートです 2万5000フィートで東北VORに向かう飛行許可をもらえますか?)
オールニッポン727 トーキョー・コントロール スタンバイ」(待機して下さい)
 ここで森田機長が操縦を交代する。
アイ ハブ コントロール
ユー ハブ コントロール
オールニッポン727 クリア ダイレクト トウホク VOR レスト オブ ルート アンチェンジ 」(全日空727便へ 東北VORに直行して下さい。以後の飛行に変更はありません)
レスト オブ ルート アンチェンジ、 トウホク。 オールニッポン727 サンキュ ベリーマッチ」(ルート変更なし。東北VORに直行します ありがとう)
つづいて管制官は三沢空港発羽田空港行きエアシステム226便A300に下降の許可を出した。
エアシステム226 ディセンド アンド メインテイン フライト レベル 200」(エアシステム226便へ 高度2万フィートに降下して下さい)
エアシステム226 リービング 260 フォア 200 サンキュ」(2万6000フィートから2万フィートに降下します ありがとう)
 多分。エアシステム226便の機長は一旦、2万6000フィートへ上昇しながらも乱気流を避けて高度2万フィートで飛行することにしたのだろう。今日の東北の空は3万9000フィート以上か2万5000フィート以下の高度が気流が安定している。
 さきほど3万3000フィートへの上昇を要求していた福島空港発札幌行き全日空363767-300ヘ管制官が上昇の許可を与えた。
オールニッポン363 クライム アンド メインテイン フライト レベル 330」(全日空363便へ 高度3万3000フィートまで上昇して下さい)
クライム アンド メインテイン 330 オールニッポン363」(3万3000フィートに上昇します)
エアシステム226 コンタクト トーキョー・コントロール 124.1」(エアシステム226便へ 以後は東京コントロール124.1メガヘルツに連絡して下さい)
エアシステム226 124.1 サンキュ グッディ」(さよなら ありがとう)
 三沢空港発羽田空港行きエアシステム226便A300が管制エリアを離れ東京コントロール北セクターへ移管された。
ANAの67のボイスが、全然聞こえないですね」 管制官と他の飛行機との交信を聞き入っていた木村副操縦士が言った。
ふう〜ん…聞こえないね」と森田機長。
高度、いくつで来てるのかな?」木村副操縦士は羽田空港を115便のすぐあと離陸して同じ札幌ヘ向かう67便の存在がとても気になる様子である。
却って33、37の方が風が強いよね 向かい風が」森田機長も3万7000フィート前後で気流の悪いところを飛行しているであろう67便を気遣って言う。
そうですね、はい
トーキョー・コントロール アンクエア376 メインテイン フライト レベル 220」(東京コントロール管制へ エアーニッポン376便です 現在2万2000フィートです)
 旭川発14時55分仙台16時10分着予定のエアーニッポン376便737-500が管制エリアに入ってきた。
アンクエア376 トーキョー・コントロール ラジャ」(了解)
 つづいて3万7000フィートを飛行中の全日空67便が高度4万1000フィートへの上昇をリクエストする。
トーキョー オールニッポン67 リクエスト 410」(東京コントロール管制へ 全日空67便です 4万1000フィートの飛行許可をもらえますか?)
オールニッポン67 スタンバイ」(待機して下さい)
ラジャ スタンバイ」(了解 待機します)
41にリクエストしてましたね 67が…」 木村副操縦士がニャリと笑って言った。そのとき管制官が115便を呼んだ。東京コントロール東北セクターから札幌コントロール三沢西セクターへの移管交信である。
エアシステム115 コンタクト サッポロ・コントロール 133.3」(エアシステム115便へ 以後は札幌コントロール管制133.3メガヘルツに連絡して下さい)
エアシステム115 133.3」(了解しました)
オールニッポン67…
あっ…67だ」と森田機長。そこで周波数が札幌コントロール133.3に変わり115便は岩手県に入った。現在、花巻市の東を通過して岩手山の西にあるウェイポイントPEONY上空である。このあと、八幡平の西、十和田湖の東を飛び東北VORがある青森県の野辺地に向かう。眼下には美しい東北の緑が広がっている。

 木村副操縦士が札幌コントロールを呼んだ。
サッポロ・コントロール エアシステム115 フライト レベル 410」(札幌コントロール管制へ エアシステム115便です 4万1000フィートを飛行中です)
エアシステム115 サッポロ・コントロール ラジャ」(了解しました)
ジャパンエア595 サンクス オペレーション パイロット ディスクリーション メインテイン 11000」(日本航空595便へ。ご苦労様です。パイロットの判断で1万1000フィートまで降下して下さい)
 福岡空港を14時15分に出発し函館着予定16時20分の日本航空595便767に管制官が下降の許可を出した。福岡からの長いフライトを管制官が心づくしに労うのが微笑ましい。
パイロット ディスクリーション 11000 595」(了解しました 1万1000フィートまで降下します)と言葉を残して日本航空595便は下降に移った。
アビュー71 メインテイン フライト レベル 150 コンタクト ミサワ・レーダー 317.8
(1万5000フィートで、以後は三沢レーダー管制317.8メガヘルツに連絡して下さい)
アビュー71 フライト レベル 150 コンタクト ミサワ・レーダー 317.8 グッディ」(了解しました さよなら)
グッディ」(さよなら) 
 三沢基地に降りる自衛隊機と思われる航空機が管制区を離れた。 
後ろから上がって来ましたね」木村副操縦士がレーダー画面を見ながら言った。115便のナビゲーションデスプレイに、全日空67便の機影が約20マイル後方に現れたのだ。航路上での同高度の車間距離ならぬ機間距離は20マイル以上と定められている。
ふう〜ん…これが後ろから上がった全日空のジャンボなんですけど、向こうも4万1000フィート要求してましたから 下が、ちょっとコトコト揺れたと思うんですけどね 同じ高度で同じ方向だと、20マイル セパレーションがいるんですよ 今、23、4マイルありますから、同じ高度が貰えたんですけども」と森田機長が説明する。今日のエアシステムクルーはとても全日空67便に思いやりがある。

 名古屋15時発札幌16時35分到着予定の日本航空857便737-400が管制区に入ってきた。
サッポロ・コントロール ジャパンエア857 フライト レベル 250」(札幌コントロール管制へ 日本航空857便です 2万5000フィートを飛行中です)
ジャパンエア857 サッポロ・コントロール ラジャ」(了解しました)
 今度は関西空港14時50分発函館到着予定16時30分の全日空425便767-300が管制区に入ってきた。高度4万1000フィートには、エアシステム115便-全日空67便-全日空425便と続いている。
サッポロ・コントロール オールニッポン425 レベル 410」(札幌コントロール管制へ 全日空425便です 4万1000フィートを飛行中です)
オールニッポン425 サッポロ・コントロール ラジャ」(了解しました)
ジャパンエア857 ハイ アルチュード レーダー アベラブル オン リクエスト」(日本航空857便へ 高高度に上昇することができますが、如何ですか?)
リクエスト 250 オール ザ ウェイ ジャパンエア857 サンキュ」(このまま2万5000フィートで飛行します ありがとうございます)
ラジャ」(了解しました)
レーダーで映るとジャンボあたりだと映りますけど、小さくなると映んないですよね、レーダーじゃ…」 しかし777のレーダーは最新の改良が加えられている。たとえば、ボーイング747ー400などに装備されているレーダーは、アンテナの角度が一つなので機長サイドと副操縦士のサイドのディスプレイで同一画面しかみることができない。ところが、777は左右走査時にアンテナの角度が変えられるので、機長と副操縦士が別々の角度でレーダー画像をそれぞれのディスプレイに映しだすことが可能になった。 
 旅客機の場合、レーダーが有効に活用されるのは進行方向にある雲の状態を見る場合である。積乱雲や雷雲を事前に観察してパイロットたちは気流を知り揺れに対処する。
 777のレーダーは同じ積乱雲を写すにしても、前述のように角度を変えた別の映像が機長側と副操縦士側にディスプレイされるので、積乱雲をより立体的に観察することが可能でタービュランス(乱気流)の予測がより正確になったという。
 今、全日空67便が115便の後方に映っているように、777のナビゲーション・ディスプレイは360度方向を見ることが出来る。他の飛行機が映る範囲はおよそ40マイル前後という。余談だが管制のレーダーは約200マイルの範囲で映る。

 眼下には八甲田の山々と十和田湖が春霞を透して見えている。
16時3分から降下開始です。あと…4分ですか、そこのポイントまで111マイル
 まもなく東北VOR(MWE)上空を通過する。そして115便はこのまま下北半島の西海岸に沿って飛び、恐山の東にあるウェイポイント(CAPLY)から津軽海峡に出る。津軽海峡の洋上に位置するウェイポイントNAVERを過ぎるといよいよ下降が始まるのだ。その下降地点まであと111マイルである。
サッポロ・コントロール オールニッポン67 リービング 403 クライム アンド メインテイン 410」(札幌コントロール管制へ 全日空67便です 現在4万300フィートで4万1000フィートに上昇中です)
オールニッポン67 サッポロ・コントロール ラジャ メインテイン フライト レベル 410」(了解しました 4万1000フィートまで上昇して下さい)
メインテイン フライト レベル 410 オールニッポン67」(4万1000フィート、了解)
 全日空67便がまもなく高度41000フィートに到達する。森田機長が下降地点について引続き説明をした。
(ウェイポイントが)順番に近づいて来ますから、(すると距離が)変わりますから…そこからスラスト アイドル を一番絞った状態で降りていくポイント(下降ポイント)なんですけど
 羽田発函館行き全日空861便747SRが青森VORへ向かう交信が入る。
サッポロ・コントロール オールニッポン861 210 プロシード アオモリ」(札幌コントロール管制へ 全日空861便です 2万1000フィートで青森に向かっています)
オールニッポン861 サッポロ・コントロール ラジャ パイロット ディスクリーション ディセンド アンド メインテイン 11000 QNH3008」(全日空861便へ 了解しました パイロットの判断で1万1000フィートまで降下して下さい 気圧は3008インチです)
3008 アルティメーター パイロット ディスクリーション クリア ディセンド メインテイン 11000 スタンバイ イン ア 10 ミニッツ」(気圧は3008インチ、こちらの判断で1万1000フィートまで降下します 10分後に降下を開始します)
オールニッポン861 アファーマティブ ディセンド バイ パイロット ディスクリーション メインテイン 11000」(その通りです そちらの判断で1万1000フィートまで降下して下さい)
ディセンド 11000 パイロット ディスクリーション サンキュ」(1万1000フィートまで降下します ありがとう)
 この全日空861便は青森上空から津軽半島の東沿岸に沿って北上し津軽海峡から函館に下降する。エアシステム115便や全日空67便の札幌行きは下北半島に沿って北上し津軽海峡から札幌ヘ下降する。本州の最北端にある二つの美しい半島に沿って飛ぶそれぞれの航空機の機影を管制官はレーダーのスクリーン上で見ながら誘導している。そして、福島空港発札幌行き全日空363便767-300が新たに管制官のレーダースクリーンの南端に入ってくる・・・。青森と津軽の海の上に展開する壮大な空のドラマの様子を天空の目になって垣間見る気がする。
サッポロ・コントロール オールニッポン363 メインテイン フライト レベル 330 ダイレクト トウホク VOR」(札幌コントロール管制へ 全日空363便です 3万3000フィートで東北VORへ直行しています)
オールニッポン363 サッポロ・コントロール ラジャ メインテイン フライト レベル 330」(了解しました 3万3000フィートで飛行して下さい)
メインテイン 330 オールニッポン363」(3万3000フィートで飛行します)
エアシステム115 コンタクト サッポロ・コントロール 119.3」(エアシステム115便へ 以後は札幌コントロール管制119.3メガヘルツへ連絡して下さい)
ラジャ」(了解)
エアシステム115 119.3」(了解しました)
 この交信で札幌コントロール北海道南セクターに引き継がれたのだ。あと少しで下降が開始される。

武田一男

JAS BOEING777 Cockpit「機長席」/全11回
羽田〜新千歳 フライトドキュメント
録音:武田一男/解説:武田一男・桃田素晶 ©Director’s House

【著作について】「機長席」の文章、及び音源等は武田一男、及びディレクターズハウスが著作権を保有しています。商用、非商用に関わらず無断転載、複製の一切を禁止いたします。詳細については当ブログ管理人までお問い合わせください。

にほんブログ村 その他趣味ブログ 航空・飛行機へ
[ad_kichouseki115]

  1. コメント 0

  1. トラックバック 0