シンガポール航空ボーイング747-400

第17回目は前回の続編で、シンガポール航空最新鋭機初搭乗のお話です。
ダイキャストプレーン:シンガポール航空

年の瀬も押し迫った92年大晦日のシンガポールは雨季で雨だった。この時期のタイでは乾期に入るのでたった2時間あまり南へ飛ぶだけでこんなにも気候が異なるとは。飛行機を撮ろうと当時唯一撮れたターミナルへ行ってみると便数が多いガルーダ航空のエアバスA300が3機並んでいるのを除けば、あまり良い写真が撮れる印象はなかった。

フライトの発着ボードを調べてみても珍しい航空会社もなかったので、早めに撮影を切り上げる。シンガポール航空の乗継カウンターへ行くとSQ002便にはやっと窓側の座席があるというので嬉しく思った。ターミナル全体がショッピングモールと思えるほど大きな規模に圧倒されたが、日本より安めだったので途中小さなスニーカーのショップで新しいスニーカーを買った。新しい靴で新しい飛行機に乗るとは何とも田舎者丸出しだが何となく気分が良かった。その最新鋭機とはボーイング747-400、通称ダッシュ400と呼ばれる新型ジャンボだ。

今現在では既に引退機が多くなっているが、この92年当時は従来型ジャンボの性能を凌駕する新時代の切り札だったのだ。シンガポール航空では既に89年4月に日本線への初就航を果たしていたが台北経由便などにも就航していたので、乗務員養成の意味合いが強かったと思われる。案の定数ヶ月ほどでボーイング747-400は本来の就航路線である欧州路線などへシフトされてしまい、再び従来型ジャンボへ戻ってしまった。時刻表を調べるとシンガポールー香港間を毎日飛んでいるSQ002便がダッシュ400だったからわざわざこの便にしたわけである。ワクワクしながらF81ゲートへ向かうと既にダッシュ400はスポットに入っていた。

シップナンバーは9V-SMJ。まだ一年半という機体の新しさは嬉しく感じたものだ。当時のフライトレポートでは410人仕様で378名搭乗とほぼ満席。紫を基調としたキャビンは高級感を感じさせ、Yクラスでもフットレストが装備されていたのが意外だった。その当時は今みたいに個人モニターも装備されておらず、時折大型スクリーンで映し出される飛行ルートを熱心にメモしたものである。窓からは最新鋭機の証ウィングレットがしっかり見え、後方の46Aに座っていたがやはり新型だけに不思議と機内は静かさを感じたものだ。
ダイキャストプレーン:シンガポール航空

この当時のYクラスは今と違ってしっかりスパークリングワインもサービスされていて、機内食は美味しかった記憶が残っている。メニューも立派なもので、今ならビジネスクラス用と見間違えてもおかしくないほど。如何に燃料高騰が航空会社にとって重くのしかかるものだと実感する。インドシナ大陸を左手に眺めながら飛んでいくと、まもなく陽が沈んでいく。日本線以外では日本の雑誌は特に積んでいないが、機内誌には日本語で曲のタイトルや歌手名も書いてある日本のオーディオチャンネルもあるのが面白い。演歌もポップスも混ざっていて、万人向けにしようとするサービス精神は日本人にとって嬉しい。機内誌に記載の音楽タイトル等で誤植も見かけたけど、まだ当時はそれも許される心地良いゆるさがあったように思う。
ダイキャストプレーン:シンガポール航空

さぁ、間もなく香港へ着陸である。徐々に香港の街の光が見えてきた。私にとってみればこの旅のハイライトの一つでもあったのが香港アプローチと呼ばれる13滑走路への着陸のことだ。今の香港新空港と違い、92年当時は香港啓徳空港と呼ばれるパイロットの間でも難関な空港で有名だったのだ。着陸といえば真っ直ぐに滑走路へ向かって降りるのが普通だが、啓徳は違う。ゆるやかながらもまるで直角三角形の90度に沿って曲がるような感じで、約45度ぐらいまで翼を精一杯に右側へ傾ける。山に目印である赤白の格子状チェッカーボードの塗りわけが見えたら大きく右側へカーブして降下後、息を吐く間もなく直ちに体制を立て直して滑走路へ向かうという極めてアクロバティックな着陸だったのだ。既に使い尽くされた表現ではあるが、本当に近くのビルのアンテナや洗濯物に翼が引っ掛かるような感覚を覚え、その後香港へ向かう時はこの着陸が楽しみのひとつとなったのは言うまでもない。

約3時間あまりの最新鋭機の初飛行は物足りなさを覚えた。どうせならこのままサンフランシスコまでへ飛んで最新鋭機をもっと心ゆくまで堪能したかったほどだが諦める。天井の低いコンコースを通って、入国審査と税関へ吸い込まれていく。それにしてもアジアの空港は何ともここまで出迎えの習慣が強いのか、何時行っても狭い到着ロビーは人が多いのが不思議だ。AIRBUSと呼ばれる空港バスに乗る。しかし冬なのにエアコンが何故か全開に効いていたりする。九龍半島のメインストリート、ネイザンロード周辺の各ホテルを経由するこのバスはこれから私が向かう悪名高き某ビルも停まるわけだが。大晦日の夜に再びアジアらしい洗礼が待っているとも知らず・・。

今回掲載した飛行機のモデルはシンガポール航空ボーイング747-400です。メーカーはドラゴンモデルで縮尺は1/400。シップナンバーは9V-SMU。ボーイング747の通算1000機目という栄えある機体をシンガポール航空は1993年10月に受領し、1000th Boeing747の記念ロゴをコックピット近くに入れました。ドラゴンモデルでも比較的初期に作られたものだけに若干コックピットウィンドウが小さいなどの改善箇所はあったとはいえ、既にドラゴンモデルの完成度は高かったこと証明するモデルでもあります。ちなみにこの9V-SMUは今でも営業飛行を続けており、既に記念ロゴはなくなったとはいえ、数日前の成田でSQ11/12便として飛来しているようです。

もっとダイキャストの情報が欲しいという声がございましたので、ちょっと長くなりますが興味ある方はもうしばらくお付き合い下さい。今回は縮尺1/400モデルのシンガポール航空ボーイング747-400について分かる範囲で書きたいと思います。今のところ私が知る限りでシップナンバーがダブっているものや特別塗装機、貨物機など含め過去に約33種類も発売され、メーカーもドラゴンモデル、ジェミニジェッツ、ビッグバード、フェニックス、ヘルパなど6社からリリースされたほどの人気商品でもあります。ただ大半は既に生産中止品が多いので、オークションで手に入れるのが早いかも知れません。

私の独断と偏見で比較的品質が安定していると思うのがドラゴンモデルです。日本でも手に入れやすく、流通量も多いのが特徴で再販が行われることもあります。オークションでも人気があるようです。胴体のみ金属製でジャンボの特徴を的確に捉えている金型もなかなかの合格点。プラスチック製の翼もよく出来ています。前脚は取れやすいものもあるので、木工用ボンドなどで接着すれば少しはみ出ても透明になるので便利です。今まで買ってきた私の印象では歴代のシンガポール航空のモデルは予約時点での売切も多かったので専門店の予約は必須です。海外通販ではまだ扱っているお店もあるようなのでじっくり探す価値もあります。

ジェミニジェッツはシンガポール航空の場合、初代の金型を採用しており、水平尾翼の下に接着した切れ目が見えるので見栄えがイマイチとはいえ、全て金属製なので重量感は満点です。その欠点を見事に解消された新金型を採用したのがジェミニジェッツⅡですがシンガポール航空のモデルはリリースされていないのがもったいない! 引退記念に引っ掛けて新製品リリースをやって欲しいものです。

ビッグバードは版権無許可モデルで有名なのですが、塗装の仕上げや金型のレベルも高くがゆえ、生産する数も全世界で数百機程度! それゆえに大抵1機5000円以上と高価なのに海外通販でも割と手に入らないのが玉にキズ。しかし人気があるため日本でも扱うお店が増えてきました。特に特別塗装機トロピカルメガトップは出来の良い大傑作でもあります。

フェニックスはここ数年実力を付けて来た版権無許可モデルです(笑)塗装の仕上げは比較的ムラがあってイマイチなものもあるとはいえ値段は比較的手頃なものも多い。さらに新しい特別塗装機もほぼ確実にリリースされる業界随一レスポンスの速さは特筆モノ(笑)例えば全日空商事のモデルはまだ発売されていないのに、フェニックスではANAのモヒカンジェットも既にリリース済みなのが笑えます。金型はジェミニジェッツⅡの新金型を採用しているようです。最近は前脚と主脚も転がるようにタイヤを履いているものが増えましたが時々取れやすいものもあるので取扱いには注意が必要です。

最後にあまり買わない方がいいと思うのがヘルパです。私はシンガポール航空の機内販売で買った事あるんですがガックリ来ました。1/400は特に金型が実物とあまり似ていないと思えるほどでの出来で極端に前脚が短くて低いので、実物と比べても斜め気味なのです。実物のジャンボ機を見たらわかるはずなんですがね。塗装の仕上げはきれいなのにもったいない! 尾翼部品はプラスチックなので安っぽい。ぜひ金属製に変えて欲しいですね。まず金型を改善することから始めないと無認可モデルにすら勝てません(笑)

私がこうやって書いてもなかなか伝わらないと思うので、店頭で見せて貰ってじっくり選ぶのが一番だと思います。しかしながら近くに飛行機モデルの専門店がないとお嘆きの読者の皆様のためにも、私の持っているモデルをサンプルに少しでも商品選択時の一助となれば誠に幸いであります。

さて次は香港のフィリップ親父とのバトル? をお送りする予定です。

では来週もお楽しみに。

Mattari

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  1. シンガポール航空は一度だけ乗ったことがあります。
    シンガポールからマレーシアまでの短い空の旅でしたが、
    クルーの方々の笑顔がとても印象的でした。一緒に写真も撮ってもらいました。
    香港の啓徳空港へのアプローチ、香港カーブも懐かしいです。
    本当にビルとビルの間の回廊をすべり降りていくような感じでしたね。是非、下から見てみたいと思ったものです。
    次週も楽しみにしています!

    • Mattari
    • 2010年 1月28日 12:58am

    Airmanさん
    いつもコメントありがとうございます。
    短いフライトでも印象深いのはさすがSQですよね。
    私も写真を撮って貰いましたが、笑顔のいい人たちが
    多くて私も好きな航空会社のひとつです。
    香港啓徳空港も忘れられない空港のひとつです。
    派手なネオンに上にはアップルグリーンのキャセイ機が
    降下するシーンも撮っておきたかったですね。

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