シンガポール航空ボーイング747-200B

今日は節分。占いもこの日が一年の初めなんていいますから、更に気を引き締めたいものですね。
さて第18回目は香港フィリップ親父の登場です。

ダイキャスト:シンガポール航空ボーイング747-200B

空港バスAIRBUSに揺られること約10分ほどで待望のネイザンロードへ突入! あのネオンの看板だらけの風景を見ると香港に来たと実感する。香港でも悪名高きビルといえば、香港屈指の安宿エリア重慶マンションのことである。安宿を泊まり歩いた人なら必ず知っているほど有名なビルだ。両替商やら時計屋など雑多な店が密集しインド人経営の軽食屋など、多くの人種が入り混じるルツボと化していた。実際エレベーターで上がる時でもあらゆる人種が乗っていて妙にドキドキしたものだ。当時香港のホテル代がとても高かったことを考えるとバンコクからやって来た人間にはここの一泊3500円足らずの金額でも高く感じたものだ。重慶マンションとアナウンスが流れて、チンとベルを鳴らすと、バスは重慶マンション前のバス停に止まる。大きな荷物を持っている私に迫り来る人影を感じると5名あまりの怪しい親父集団に囲まれてしまった! うわっ、もしや物盗りでもやってきたかと身構える…。

何とこの集団こそ大小合わせて約100はあろうとも言われる重慶マンションの安宿オーナーの連中で、直々に客引きをしていたのだ。今年最後のお客をなんとか捕まえようと必死で彼らは私にアピールしてくる。そのうちの一人が人柄の良さそうな笑みを浮かべながら名刺を渡して来た親父がフィリップだった。宿名はOSAKAゲストハウスと書いてあり、値段交渉する間もなく半ば拉致されるようにエレベーターに乗った。彼が表の重々しい扉に付いた鍵を2個開けており、同時に治安の悪さも頭に過ぎる。まるで香港人の家にホームステイするような感じなのだが、これから始まるのはフィリップ親父との宿代交渉だ。日本円で一泊シングル5000円程度からスタートしたが、余りにも高い。帰ろうとする素振りを見せると親父がまあまあといった感じで引き留めて椅子を勧める。こんな感じで繰り返すこと約15分近く交渉を続け、「これがファイナルプライスだ! 一週間分の現金前払いなら一泊3300円にするからもう勘弁してくれ」と日本人にしては珍しくしつこいのか、疲れた顔して言ってくる。何とか予算内に収まり、日本円でも問題ないというので日本円で払って領収書もしっかりくれた。まあ三割程度まけてくれたからよしとしよう。

部屋はベッドにシャワールームとトイレが一緒になった狭い部屋で、多分全部で3畳もない狭さだったが香港の安宿はこんな感じであるから無理もない。小さいけど窓もあるし、テレビもしっかり写るからまあまあだった。テレビを見ると現地の三越年始初売りらしきCMをやっていて驚く。近くのセブンイレブンで飲茶の点心を幾つか買い、香港の地ビール(?)と化しているフィリピンのサンミゲルビールを飲みながら夜食を食べていると、遠くで鳴る爆竹が新年の訪れを告げた。生まれて初めて迎える海外の新年もわりとあっけないものだったが、後で彼らは旧正月で盛大に祝うことを知ると納得出来た。

目が覚めて、また昨日と同じようにエアバス機に乗って啓徳空港へ向かう。さっそく有名撮影地のひとつ空港ターミナル横の駐車場へ行くと一人の地元航空ファンが既に撮影していた。彼に手持ちの飛行機の写真を見せてあげると、香港で撮れない飛行機があったのか興味深く見ていた。既に光が逆光気味で向かい側の撮影地を探そうと思ったら、向かいに飛行機が撮れる場所へ行くから一緒に行かないかと言うのだ。彼が指をさす先には確かに小さいながらも展望デッキらしい場所が見える。渡りに船と思い、彼に付いて行くことにした。マクドナルドへ寄るから何か食べた方がいいと言われ、セットを買っても300円もしなかったのが驚き。アルバイトの張り紙を見ると当時の香港ドルレートで時給500円程度だったのが印象的だった。

そのデッキがある場所は香港飛行倶楽部と呼ばれ、現地でセスナを飛ばす人が使うらしく駐機場と英国風のカウンターバーが一緒になった場所のようだ。彼は常連らしく、カウンターに居たスタッフに展望デッキへ入れて欲しいと言うとすぐ入れて貰えた。ありがたいことにこの場所は雑誌にも載っていない情報であり下記のような写真が撮れたから、やはり地元ファンの情報は一番だ。彼にはお礼に好きな飛行機の写真をあげると嬉しそうに数枚持って行ってくれた。地元の航空ファンが大抵居たから退屈することもなく、色んな情報も貰えたし、飛行機の趣味も国境を越えるものだなと実感出来た。こんな感じでこの展望デッキには5日ほど通ったが飽きることはなかった。このニュージーランド航空のジャンボも当時の日本では撮りにくい時間帯にやって来てたから驚いたし、ANAのトライスターも香港らしい高層ビルを背景に撮れるのがたまらなかったものだ。

ダイキャスト:シンガポール航空ボーイング747-200B

その後、まだ93年当時は日本人でも台湾へ入国するのにビザが必要だったから指定の旅行業者だったか忘れたが、生まれて初めてビザの申請をしに香港島のあるビルへ向かう。私の記憶では日本円で2000円もしなかったが、若干値上げされていたから高いよと言ったら、すぐ安くなったのが可笑しかった。平日に申請して3日程度で出来て思ったより簡単に出来たように思う。こんな感じで旅の道中では旅のノウハウを徐々に体得していくのが旅の醍醐味をも感じさせ、トラベラーズチェックの両替もレートの良い店を探すのに苦労した事も思い出す。今は不要になった航空会社も多いリコンファームもまだ当時は必要だったが、着いた空港で済ませるなど自分なりに工夫したものだ。

ダイキャスト:シンガポール航空ボーイング747-200B

色んな旅の思い出が詰まった香港もとうとう出国する日となった。今度はSQ860便で台北へ向かう。機材はボーイング747-200Bと呼ばれシンガポール航空が初めて導入したジャンボ機である。ちょうどボーイング747-400と入れ替わる時期に差し掛かっており、まだ数機が日本線や東南アジア路線に活躍の場を見い出していた。シップナンバーは9V-SQSと呼ばれ、90年頃に見た時は上記のモデルと同じ旧塗装だったが、この時は彼らの功績を称えてなのかボーイング747-400と同じ新塗装へ切り替わっていた。

チェックインも無事終えて、出国審査を受けようとしたら、何があったかわからないが発着ボードに約2時間の出発遅れと出ていた。そういえばチェックイン時に何か金額が書かれた紙切れを渡されたが、何かわからず離陸した後になってそれが空港内の飲食で使える無料の喫茶券とわかって悔しかったのを思い出す。約2時間遅れたお陰で香港島100万ドルの夜景を眺めながらの離陸となった。夜景を眺めることが出来たのはいいが、次の台北でちょっと困ったことに遭遇するとも知らず、私を乗せたジャンボ機は北東の島へ進路を向ける…。

今回のダイキャストモデルはシンガポール航空ボーイング747-200Bです。メーカーはドラゴンモデルで縮尺は1/400。塗装はジャンボを受領した1970年代後半の旧塗装時代のもの。シップナンバーは9V-SIAと自社の3レターコードSIAとダブらせてしまうところは遊び心を感じさせる。後方には1979年4月に認可された悲願の米国路線開設記念に因んだロゴが施されている。当時はシンガポール〜香港〜ホノルル〜サンフランシスコという経由便ながらも便名はSQ002/001という栄えある便名を採用したほど。それだけ米国路線へ対するシンガポール航空の強い意気込みが伺える。現在のサンフランシスコ線はダッシュ400から交代した双発機のボーイング777-300ERが香港経由サンフランシスコ線SQ002/001便とソウル経由のサンフランシスコ線SQ016/SQ015便に就航し、何とも隔世の感があるこのモデルは発売された数もたったの4種類! ドラゴンモデルとエアロクラシックスの2社からリリースされているのみでそろぞれシップナンバーが違うのと米国路線開設記念のロゴ入りとロゴなし違いがある程度。さらに私が乗った新塗装仕様は全然発売される気配もなく、そろそろ使っていない金型を掘り起こして新製品に期待したいほど! ドラゴンモデルで米国路線開設記念ロゴなしのモデルは若干売れ残っており、私がいつも買う某店でも残っているほど。対するエアロクラシックスは生産数がそれぞれ約400も満たないのでお店に残っている可能性は低く、翼まで金属で作られた重量感を求める人が買う程度なのであまりお勧めはしない。ただ翼端に付いたアンテナはドラゴンモデルの方が短くなっており、エアロクラシックスはしっかりその翼端アンテナまで再現されている点は評価できる。

というわけで在庫があって予算もあるならエアロクラシックス、手に入れやすさではドラゴンモデルということでご理解頂きたい! 最近は楽天などでも1/400で検索すると掘り出し物が出てくることもあるので、要チェックです。

次回は台北の街で月と星に救われる(!?)をお送りします。

では来週もお楽しみに!

Mattari

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  1. いやー面白いですね。
    自分が経験したことの無いことを、
    この場を通して仮想体験しているような気になります。
    SQの747についての解説も、知識欲を満たしてくれます。
    毎週、次が楽しみです。
    本になりますね!

    • B777
    • 2010年 2月3日 2:47pm

    15分の交渉で3割引きとは、なかなかの商売人でんな(^.^)
    来週も楽しみにしてまっさ!(笑)

    • Mattari
    • 2010年 2月3日 9:47pm

    Airmanさん
    仮想体験と言って頂けて光栄です。
    ひとりでこの旅行をした時のインパクトは強いです。
    機体やダイキャストの解説が少しでもお役に立てたら
    嬉しいですね。
    B777さん
    いえいえB777さんほどではありません(笑)
    あの時はギリギリのお金しかなかったので
    必死だったんですよ。今でも言葉もわからないのに
    良く値切ったなと思いますよ。

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