飛行機の歴史がわかるバイブル

「飛行機の歴史」という絵本をご存知ですか?

昨年のクリスマスの時期に、絵本を紹介したのですが、その和書編にも登場した、「ひこうじょうのじどうしゃ」「とべ! ちいさいプロペラき」の作画をしている山本忠敬さんが、かかれた絵本です。

この本は私が大学生の時に買い、いまも大切に思う飛行機の歴史のバイブルなのです。刊行は1999年。山本忠敬さんは、絵本の版元では有名どころの福音館書店から数多くの乗り物の絵本を刊行しています。活動は、1958年から。1970年代には、本当に数多くの絵本を刊行し、私の年代では、乗り物の絵本といえば山本忠敬さんの絵といっても過言でないくらい、乗り物絵本の大家なのです。パトカー、消防車、トラック、新幹線…。こうした本は歯医者になんか行くと、子供のスペースに置かれていたりしますが、絵本は一度出されると本当に息が長く、こうした乗り物の絵本の多くが、いまもなお山本忠敬さんの絵本だったりします。

しかしこの「飛行機の歴史」。やはり、福音館書店から刊行されていて、飛行機の手書きの描写は、水彩の筆遣いが見て取れ、アナログ感たっぷりな色調で、これまでの山本忠敬さんの絵本のタッチではあるものの、何かが違う。いえ、絵が違うのではないです。違うところといえば、まず、価格が高い(笑)。そして、ページ数も多い。それから…、あんまり差し出がましくないですね。子供向けの「こうしましょう」「ああしましょう」「こうなのです」というような、教示的な内容でもありません。あと、飛行機の歴史が網羅されているその内容は、子供向けとは思えないくらい、充実していて、資料になるんですね。それで、大人でも没頭して読めるのです。

こんな絵本が本当に子供向けなのかといったら不謹慎だとは思うけれど、昔、人間が空を飛ぼうと夢見た時代が、彩色をもって書きおこされて、想像だけで昔にタイムスリップできてしまうような感覚になる。
漢字のひとつひとつに、ルビがふられているのをみて、あ、子供向けなんだった、と思うくらいなんです。

私にも重要な本というのはいくつかあります。
私の場合は頭の事情で、あまり知識が残らないので、想像力が膨らむものが重要なのですが、それでも、「航空知識のABC」のような本は、航空ファン、と名乗るには必須の本だったと思うし、パイロットが書いた本や、リンドバーグやサンテグジュペリの本、さらにはイカロス出版の本なんかも、好きではあるのですが、歴史のバイブル、といったら、この本に限ります。

まず、大空を飛ぶことを夢見た先人達の残した彫刻や神話の紹介から始まり、レオナルド・ダ・ヴィンチへ。そして熱気球や飛行船が飛んだ1780年代から、飛行船へ。そしてリリエンタールのグライダーからプロペラの時代へ。
ここからは、各飛行機や飛行艇、そして旅客機へと要所要所の飛行機が絵とかんたんなプロフィールつきで紹介されています。さらに、ジェット時代へ。大型旅客機はもちろん、ビジネスジェットや小型機も網羅しています。ワイドボディ機のたけくらべや胴体断面図など、資料価値も高いのです。
飛行機の歴史を見る上で、重要な飛行機や、出来事が凝縮されている、唯一無二の絵本はいかがですか?

最後に。
この本の「まえがき」にあった山本忠敬さんのことばのほうが、私の説明よりも分かりやすいので引用します。

40年前に(中略)、挿絵を描いたのがはじまりで、いつの間にか乗り物絵本作家になってしまった。どうせ乗り物絵本作家といわれるならば、徹底的に乗り物のことを調べてやろうと考えた。そして調べだしたら、乗り物の生い立ちがおもしろくて、おもしろくて。
調べながら、いろんな写真や図版をスケッチしてコレクションをしたのを年代順に並べてみると、時の流れやその形の違いや進歩していくのがみえてきて、あ、この後ろに歴史があるぞと感じた。

わたしは乗り物の歴史にも機械工学にも素人だが、いまから10年ほど前に飛行機を調べているうちに、いままでのような子どもの絵本ではなく、子どもも大人も楽しめる歴史の絵本ができるのではないかと考え、この飛行機の本ができた。これは歴史の専門書でも航空機械工学の専門書でもない、民間の旅客機を主体にした、空とぶ歴史の絵本だ。

「飛行機の歴史」(山本忠敬)

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    • B777
    • 2010年 8月10日 11:28am

    歴史は大事です。
    これも読んでみます。

    • 竜子
    • 2010年 8月12日 11:55am

    ■B777さん
    とても分かりやすいと思います。ちょっと高いですが、私にとってはとても良い教材です^^

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