B747コックピット「ヨーロッパ飛行」第4回

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ヨーロッパ飛行画像(haruhikon提供)

「地上走行 チューリッヒ地上管制」

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★「ヨーロッパ飛行」挿入04

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JAL412便は滑走路28に向かっている。大きな空港では滑走路に並行して、誘導路が2本併設されている。多くの旅客機が離発着するので、混雑する時間になると地上はあちこちに旅客機が行き交っている。それらを整理するには誘導を2本設置しなければ大混雑になり、出発時間・到着時間が大幅に遅れる。それを解消する為に駐機所エリア(通称エプロン)内にInner-Taxi Way(I-TWY)を、エリア外にOuter- Taxi Way(O-TWY)を設置し、スムーズな流れを作っている。
I-TWYを走行しているJAL412便は誘導路イーストに向かっている。岸田副操縦士は右側に障害物がないかを確認した。

「ライト サイド クリア」
「はい」
「フラップ10 セット」岸田副操縦士はフラップが10度まで下がったことを確認した。
「ブレーキ プレッシャー ノーマル」ブレーキが作動するかを確認した。
「ライト サイド クリア」
「はい」
「ヨーダンパーズ チェック」
「ターニング インストルメント チェック」
地上走行中に装置や計器類の確認に余念がない。
「そちらのトラック…」
「チェック オーケー」
「レフト サイド クリア」飯田航空機関士が機長席と副操縦士席の間から少し身を乗り出して左側を視認した。
「はい」
「ライト サイド クリア」
「レフト サイド クリア」
「はい オーケー」
岸田副操縦士、飯田航空機関士は左右に障害物はないことを視認し、鈴木機長は飛行中の航空機を制御する装置の確認を指示した。

「コントロール チェック」
「エルロン レフト…ライト」
「エレベーター アップ…ニュートラル…ダウン…インディケーション チェック オーケー」
「ラダー レフト…レフト オーケー」
「ライト…ライト インディケーション チェック オーケー」
エルロンは主翼の上にある補助翼のことで、操縦桿を左右に回すと、その補助翼が上下し、飛行機を水平保持や旋回時に使用する。エレベーターは機体後部にある水平翼の後部にあり、操縦桿を手前に引いたり前に倒したりして、飛行機の上昇下降を司る操縦系統である。ラダーは機体後部の垂直尾翼の後部にあり、パイロットの足元にあり、車のべダルのように踏んでエルロンと併用して左右の旋回を行なう。
JAL412便の前をタキシングしている航空機が滑走路手前で待機し、タワー管制に移管する交信が聴こえる。

鈴木機長は離陸直前の最終打ち合わせを行なった。離陸滑走中に、何らかのトラブルがあった場合の手順を指示した。
「テイクオフ ブリーフィングはスタンダード通り。スピードのコール、何かあったら大きな声で言って下さい。リジェクト テイクオフはコールしますから。コンティニュー テイクオフの時にはチェックリストのスタートはオーダーした時にやって下さい。その他、何か気が付いたことがあったら、何でもいいから、その時その時」
「ビフォア テイクオフ チェックリスト」鈴木機長は飯田航空機関士に離陸前の計器点検を指示した時に、グランド管制がタワー管制に移管するよう交信をしてきた。
「ジャパンエア412 ホールド ショート ランウエイ コンタクト タワー118.1 グッディ」(日本航空412便へ。滑走路手前で待機して、以後タワー管制118.1メガヘルツに交信して下さい)
「ラジャ」
交信の都度、「ラジャ」とコールするのは、交信の内容について了解したということである。

「ジャパンエア412 ホールド ショート 118.1 グッディ」(日本航空412便です。滑走路手前で待機し、118.1メガヘルツに交信します。さよなら)
「はい、(チェックリストを)どうぞ」
「チェックリスト いきまーす。ビフォア テイクオフ チェックリスト」
「ナセル アンティアイス…オフ」
「フライト ナビ インストルメント…アライン ノー フラッグ」
「フラップス…10 10 グリーン アンド チェック…エイト グリーン ライト」
「フライト コントロール アンド ヨーダンパー…チェック」
「スタビライザー トリム…4.08 セット」
「INS…チェック アンド オート」
「ギャレー パワー…オン」
「APU…オフ」
「テイクオフ データ…レビュー」
「ブリーフィング フォア テイクオフ…コンプリーテッド」
「ドット ライン(点線まで確認済み)です」
「はい」と、鈴木機長は了解した。
残りのチェックリストの項目は、滑走路に進入する際に行なわれる。
JAL412便は、滑走路28の進入口の近くまで走行している。前方機が滑走路への進入を終え、今まさに離陸しようとしている。

桃田素晶

「B747Cockpit ヨーロッパ飛行」
解説:桃田素晶/録音:武田一男 ©Director’s House

【著作について】「B747Cockpit ヨーロッパ飛行」で収録している音声、音源等は武田一男、及びディレクターズハウスが著作権を保有しています。商用、非商用に関わらず無断転載、複製の一切を禁止いたします。また、解説は桃田素晶、表紙写真はharuhikonに著作があります。詳細については当ブログ管理人までお問い合わせください。

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