第23回 トイレシリーズ

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蓋に…

トイレの話で恐縮なのですが、外国の習慣の違いをトイレの使い方で垣間見た珍事。
機内のトイレは、いわゆる日本で言うところの洋式便器になっているのですが、初めての方も多く若干仕様も異なることから、30年くらい前迄は2、3名のお客さんが便器の蓋の上にウンチをして、やはり違和感があったのか、そのモノの上にトイレットペーパーをかぶせていたこともありました。
次に使用するつもりで一旦トイレ入ったお客からの苦情で、スチュワーデスはそのモノを処理するのですが「一体、どういう体勢でやったんだろう?」と言うことになったのですが、機内は常に微妙に揺れており余程あの便器の上にまたがって用を足すとすれば、かなりのバランスを取らなければ不可能であり、当然両手で何かにつかまるか、支えるかしない限り難しいのです。

今のトイレは突然の揺れに際して怪我防止の為に?まることの出来るハンドル(取っ手)が設置されているのですが、その当時はいってみれば四角い箱の中心に便器がチョコンとあるといった「簡易トイレ」のようなものだったので未だ確たる答えは出ておりません。

トイレがなぜか水浸し?

別の使用方法として、スチュワーデスがある外人女性客の後に清掃の為にいったところ、床一面が水浸しだったので、どこかパイプが壊れたのだと思い、当時はフライトエンジニア(航空機関士、現在も旧タイプの1部の航空機に乗務している)がいたので彼にチエックしてもらったが不具合も見つからず、別のスチュワーデス達とその件を話していたところ「あの外人女性が就寝前のシャワーのつもりで中で身体を洗ったのではないか」という結論に到ったのであります。
よくある使用方法としては、一般家庭の便器と同じで常にブルーの消臭液が溜まっており、そこでイスラム系の男性客は頭に巻いているターバンを洗っていたようだ。これは白いターバンがブルーのだんだら模様に変化していたことが確かな証拠となった。手洗い用のベイスンはあるのだが、小さすぎるのでこちらより便器の水を洗濯するのに選択した(失礼!)という訳だ。手洗いのベイスンの方は赤ん坊のオムツを取り替える時にお尻を洗うのに有効活用されていたようだが。トイレ活用で身体を洗ったり、洗濯したりするのは航空会社としても禁止させるわけにもいかず、特に他のお客さんに迷惑となるわけではないので目をつぶっていたのです。

スチューワーデスの着替えはトイレで

スチュワーデスのトイレ活用方法としては、当時は着物を着用してサービスにあたるスチュワーデスが小型の飛行機では1名、大型のジャンボ機では3名(各クラスに1名)いて、当初は出発から到着まで着ていたが、航空機事故の経験や緊急脱出の際に着物では対応が難しいということで離陸、着陸時には着用せず、機内で着替えるようになった。この際、トイレの空間を活用したのである。

しかし実際に、あの狭いトイレに着物用バッグを持ち込んで、通常の制服から和服に着替えるのは想像しただけでも大変で、勿論パンストから白足袋に履き替えるのですから、当初はいくら訓練で和服を着る講習を受け、数時間実技があったにしろ実際の現場では揺れもある中で約10分間でやらなければならないこともあり、スチュワーデスの誰もが和服担当になるのを嫌がっていました。
当時は、「大奥」みたいな職場でもあったので、当然ながら、若手スチュワーデスにその担当が回ってくるわけで、彼女達は自宅のトイレで涙ぐましい着替えの練習をしていたようです。

最初の頃なんか、乗務の為に更衣室で着物に着替えて事務所に出頭するのですが、行き先がホノルルなんかの場合はホテルの部屋に着くまで着物(浴衣ではない、当時の時価で20万円のチャンとした和服)なのですから、他のスチュワーデスはスッキリした夏用の制服に着替えて涼しげでしたが、かたや着物スチュワーデスは汗だくで見ていて可哀想でした。

風天マン

実録「ハチャメチャ乗務員の飛行日誌」
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