B747コックピット「ヨーロッパ飛行」第11回

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ヨーロッパ飛行画像(haruhikon提供)

「北海からコペンハーゲンへ下降」

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★「ヨーロッパ飛行」挿入11

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412便はバルト海上空を下降し続ける。バルト海は琥珀の産地で有名である。まもなく空港進入を管制するコペンハーゲン・アプローチ管制に入る。相変わらず他機の交信が飛び交い、コックピットは一時も静寂することはない。
コペンハーゲン・コントロールの管制官がスイス航空854便を呼び出した。
「スイスエア854 コンタクト マルメ 127.75」(スイス航空854便へ。以後はマルメ・コントロール管制127.75メガヘルツに交信して下さい)
「127.75 854」(127.75メガヘルツで交信します。スイス航空854便)
スイス航空854便は今の管制域を離れ、次のマルメ・コントロール管制域に入った。立て続けにコペンハーゲン・コントロールの管制官が日本航空412便に交信してきた。

「ジャパンエア412 コンタクト コペンハーゲン・アプローチ 119.1」(日本航空412便へ。以後はコペンハーゲン・コントロール管制119.1メガヘルツに交信して下さい)
「119.1 ジャパンエア412 グッデイ」(119.1メガヘルツに交信します。さようなら)
チューリッヒ空港を離陸してから、チューリッヒ、ライン、マーストリヒ、コペンハーゲンの各コントロール管制に引き継がれてきた。412便はカストラップ空港の進入を管制するコペンハーゲン・アプローチに移管された。岸田副操縦士は無線機の周波数を119.1メガヘルツにセットし、交信を始めた。
「コペンハーゲン・アプローチ ジャパンエア412 ディセンド トゥ 70」(コペンハーゲン・コントロール管制へ。日本航空412便です。7000フィートに降下中です)
「ジャパンエア412 レーダー コンタクト … ILS 22レフト ウィ  ハブ インフォメーション ブラボー」(日本航空412便へ。レーダーで捕捉しています。ILS 22レフトに誘導します。空港情報はブラボーを入手して下さい)
空港情報がB(ブラボー)に変わった。

「インフォメーション ブラボー、ちょっと聴いておいてくれます?」
鈴木機長は空港情報を再度聞くよう指示を出した。
「ディス イズ カストラップ アライバル インフォメーション ブラボー ランウェイ ユース ランディング 22レフト ウェザー リポート 1220 220 ディクリーズ 8ノット ビジビリティ 25キロメートル 4オクターズ 2500フィート テンプラチャー 11 デューポイント 41 QNH1019 ノーシグ トランジション レベル 40 インフォメーション ブラボー」(カストラップ空港への着陸情報ブラボーです。着陸滑走路は22レフト、世界標準時12時20分現在です。風は220度から8ノット吹いています。視程は25キロメートル、上空2500フィートに雲があります。気温は11度、露点は41度。気圧は1019ヘクトパスカル。トランジッション・レベルは4000フィート、空港情報ブラボーです)
空港情報Aとあまり変化はなく、着陸には差し障りは無い。因みに先ほどの空港情報A(アルファ)では、風速は10ノット、2000フィート上空に雲、気温は12度、露点は5度であった。少しでも計測値が変わると次々と新しい情報を流す。アプローチ管制域に進入する飛行機は、管制官にいつの空港情報を聞いたかを知らせなければならない。

「じゃあ、そっちは暫くそのまま残して、マイサイドILS」
鈴木機長はCODANの周波数を残したまま、別のVHFにカストラップ空港のILSの周波数109.59メガヘルツにセットした。
「ILS 22レフト アイデンティファイ オーケーです」
ILSの周波数をセットすると、電波をキャッチしたことを岸田副操縦士が確認のコールをした。
「1万フィート、お願いします」
鈴木機長は飯田航空機関士に高度1万フィートを通過したことを告げた。
これを受けて飯田航空機関士は機内無線でパーサーに「コックピットです。1万フィート通過しました。お願いします」と伝えた。
パーサーは機体が最終着陸態勢に入ったことを機内アナウンスで知らせた。
「皆様にご案内致します。この飛行機は、まもなく着陸致します。どうぞお座席のベルトを、しっかりとお閉めおき下さいませ。また、お座席の背、お使いになりましたテーブルを、元のまっすぐな位置まで、お戻し下さい」
「重ねて、ご案内申し上げます。ご通過のお客様は、次の出発まで機内でお待ち下さい。その間のおタバコは、ご遠慮下さいますよう、お願い申し上げます」

乗客はシートベルトを締め直したり、慌ててタバコの火を消したりと着陸に備え始め、機内は慌しくなってきた。
着陸するカストラップ空港は、コペンハーゲン市の東南に位置するアマー島にあるカストラップに設置されており、正式にはコペンハーゲン空港という。
ヨーロッパ内のハブ空港の一つとして機能しており、北欧の大手航空会社 スカンジナビア航空の拠点でもある。スイス・インターナショナルと同様、成田線に週7日のデイリー運航をしている。日本航空も就航していたが、冷戦終結と同時に全廃した北極圏ルートの廃止に併せて、撤退している。
日本航空412便は、まもなくウエイポイントのCODANに到達する。

桃田素晶

「B747Cockpit ヨーロッパ飛行」
解説:桃田素晶/録音:武田一男 ©Director’s House

【著作について】「B747Cockpit ヨーロッパ飛行」で収録している音声、音源等は武田一男、及びディレクターズハウスが著作権を保有しています。商用、非商用に関わらず無断転載、複製の一切を禁止いたします。また、解説は桃田素晶、表紙写真はharuhikonに著作があります。詳細については当ブログ管理人までお問い合わせください。

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    • Mattari
    • 2011年 7月31日 2:03pm

    このコペンハーゲン・カストラップ国際空港は
    2000年に初めてヘルシンキへSASで乗り継いだ時に使って
    それから今年約11年ぶりにSAS乗継で寄りました。
    実際にはLHのA380でフランクフルト経由にする予定が取れず
    SASでこの空港経由のフライトのみしか取れなかったので
    これも武田マジックなのかなと思っています(笑)
    さすが北欧きってのハブ空港なので使いやすく
    導線に無駄がない印象が好きですね。

    • 竜子
    • 2011年 8月1日 12:50am

    ■Mattariさん
    ヘルシンキですか! まったりするためだけの映画「かもめ食堂」の舞台はヘルシンキでしたね。ピカッと光るような面白いシーンはないのですが、食べ物がとにかくおいしそうで良い映画でした。ヘルシンキでは降りましたか?
    コペンハーゲンの空港は、以前武田さんに映像をいただきました。
    そのせいもあって、クリスマスに行ってみたい空港です。

    • Mattari
    • 2011年 8月1日 7:15am

    あの日はヘルシンキ空港近くの
    クルムスホテルに泊まって
    翌日1日2便程度しかない北極圏の町
    イバロへDC-9で飛び
    その数日後にオーロラを撮りました。
    そういえばクリスマスの記事で
    ロバニエミが出てたね…

    • 竜子
    • 2011年 8月1日 9:41pm

    ■Mattariさん
    このヨーロッパ飛行に搭乗されているお客さんにも、オーロラ目当てのお客さんがいらしたかもしれませんね^^

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