空港ではたらく車 トーイングカー編

こんにちは、竜子です。
おかしな写真が続いちゃってすみません。でも…まだ続いて、実は数回シリーズです。
題して、「空港ではたらく車」シリーズ! 
で、第1回は、空港の特殊車両の中でもヒーロー的存在、300トン級の巨大な飛行機を押したり引いたりするトーイングカーです。以前、グランドハンドリングの勉強ついでに撮り溜めたもので、(申し訳なさもありますが)少し写真で遊んでみようと思います。知らない車両が出てきた方は「へぇ〜」と、そして知ってる方はおさらいのつもりでおつき合いください。では!

トーイング

あらためて説明するまでもないけれど、飛行機は前には進めてもバックすることは出来ません。もちろん逆噴射でもすればバックできますが、危ないので日本の空港では禁止です。バックできたらそれはそれで便利なこともあるかもしれませんが(?)、そもそも後方確認のできないコックピットにおいて、必要のない機能です。そこで活躍するのがトーイングカー(=トーイングトラクター)。トーイングカーを操作する人を「トーイングマン」っていいます。大型免許や大型特殊、牽引免許が必要なほか、航空会社ごとの厳格な管理のもと、技能を維持しています。

トーイングカー

さて。飛行機の中から外を見ていると、トーイングカーを操作するわけでもなし、飛行機に沿って歩きながらずっとついてくる人がいませんか? その人はウォッチマンです。プッシュバック時にはトーイングカーと一緒に動きます(トーイングカーがなくても安全の監視員として飛行機の近くにいます)。
高級温泉宿の玄関見送りよろしく、なにも出発前のお客さんに挨拶するためのホスピタリティ精神ではないのです。パイロットやトーイングマンの合図、それからトーイング中の飛行機の安全確認の橋渡し役という重責を担っています。コックピットだけでなく、トーイングカーの運転席からの死角も多く、大型機では2名以上のウォッチマンがいることもあります。また、周辺に車両がある場合も交通整理をしなくちゃいけないのがウォッチマンの役目でもあります。

ウォッチマン

トーイングカーの種類は2つ

(1)トーバーをかまして飛行機と連結するトーイングカー(トーイングカー)

トーバーを使用したトーイングカーの場合は、ノーズギアにトーバーを取り付けます。

(2)トーバーで接続しないトーイングカー(トーバーレス・トーイングカー)

トーバーレスの場合は、ノーズギアを一旦持ち上げて、ギア自体を抱え込ませたり、ギアの下にトーイングカーの車体の一部を潜らせたりするので、前輪(主輪=ノーズギア)が地面から浮いた状態になります。つまりトーイングカーに機体の上半身をおぶってもらう状態になるので、高速で移動できます(っていっても30km/h程度)。

トーバー(Tow Bar=飛行機とトーイングカーを連結する棒)で接続するか、接続しないかの違いです。

(1)も(2)も「トーイングカー」には違いませんが、牽引の仕組みそのものが異なるので、こう分類できます。

この2つの違いは下の写真のとおりパッと見でわかりますが、(1)の場合は飛行機の大きさによって小型・中型・大型とあったり、メーカーによって平べったい平型、運転席部分が凸状に出っ張ってるものなどもあります。

▼トーバー
トーバーの種類は豊富で、機材によって形状が異なったり、航空会社ごとに機材の互換性をもたせたトーバーを用意したりしています。

トーバー

▼トーバー接続のトーイングカーで牽引されている様子。
ノーズギアが地面に接地しています。

トーイングカー(トーバーなし)

▼運転席中央タイプ(写真はコマツ社製)
こっちのタイプは座席は中央に1ヶ所(2シート)ですが、同じ中央1ヶ所タイプでも座面がくるっと回転するものもあります。一番上の写真や2枚目の「ウォッチマン」の写真のトーイングカーがそのクルッとタイプです。
この写真はコマツ社製なのですが、日本製のトーイングカーには、コマツの他にもトヨタ、三菱などがあります。

コマツのトーイングカー

▼運転席前後2ヶ所タイプ(写真はStewart & Stevenson社製)
このイカツいグレーカラーのトーイングカーは、スチュワート・アンド・スティーブンソン社製のトーイングカー。
ガラス窓のある手前側2席とは別に、画面の奥にも屋根なしのハンドル1席分があります。前後どちらにも運転席があるタイプです。

スチュワート・アンド・スティーブンソン社製のトーイングカー

▼トーバーレス・トーイングカーで牽引されている様子。
ノーズギアの下に、トーバーレス・トーイングカーをもぐらせています。

トーバーレス・トーイングカー

▼トーバーレス・トーイングカー(写真はDouglas社製)
メーカーや対応機材にもよりますが「コの字型」になっていて、平べったく大きいのでかなり目立ちます。空港のデッキに行くと、このトーバーレス・トーイングカーの独特なディーゼルエンジンの音が響きます。ちなみにこの写真のトーバーレスはダグラス社製のタグマスター。骨太な感じがかっこいい…。

Douglas Tugmaster

▼トーイングカーから外部電源として機内に電源を供給することも可能です。

トーイングカーから電源供給

なんでこの状況なのかよくわからないけど…。
 どなたか、ご存知の方は教えてください!

<追記します>「決まったスポットへトーイングする時間に差し掛かったため、機内への電源を供給しながら機内清掃を続行しているからだと思われます」とMattariさんよりお寄せいただきました。

以上、トーイングカーは終わり!!

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    • Mattari
    • 2011年 8月6日 10:41pm

    >↑なんでこの状況なのかよくわからないけど…。
    恐らくこれは決まったスポットへトーイングする時間に
    差し掛かったため、機内への電源を供給しながら
    機内清掃を続行しているからだと思われます。
    757だったら作業時間は精々30分程度なんだけどね〜

    • B777
    • 2011年 8月6日 11:07pm

    最後の写真の状況は初めて見ました。
    伊丹ではJASカラーのトーイングカーが活躍しています。
    因みに、電源供給ってトーイングカーからも出来るんですか?

    • 竜子
    • 2011年 8月7日 8:36am

    ■Mattariさん
    なるほど…。これって中には乗客がいないんですね!
    じゃぁ、コックピットはクルーではなくって、ブレーキマンですよね?
    (写真じゃ何とも言えないかもですが)
    実はカーゴでも同じようにトーイングしながら外部電源を接続しているものがあったので、はて、なんでだろう? と思ったのです。
    それで、窓も日よけが下がっている、という解釈でいいのかな。
    (↑日よけ下げてCO2削減運動?)
    ■B777さん
    トーイングカーからでもできますよ!!
    でも、できないトーイングカーもあります!
    電源供給車もありますが、でも、羽田・成田はたいてい地下配線から電源供給ですよね。APUより効率的なんだそうです。

    • Mattari
    • 2011年 8月8日 4:51pm

    何か緊急時なら乗客が乗っている場合も
    あるけど滅多にないね。
    コックピットには
    大抵その航空会社の整備士か
    その整備を請け負っている会社の整備士が
    乗っていますね。
    カーゴの場合はエアコンを切れない
    熱に弱い精密部品類や
    生鮮食料品があるからだと思います。
    日よけが下がっているのは
    JALかどこかだったような…。

    • 竜子
    • 2011年 8月8日 8:23pm

    ■Mattariさん
    なるほど。よく見たら、写真にあるトーバーレスで運んでいるカーゴも電源ケーブルがついてますね。
    勉強になります。ありがとうございました!
    以前、JALのキャンペーンであったんです。エコジェットので。<日よけ

    • Mattari
    • 2011年 8月9日 12:03am

    さっきランキングみたら人気記事一位になっていたよ!おめでとうございます!

    • 竜子
    • 2011年 8月9日 1:46am

    ■Mattariさん
    ぜんぜんおめでたくないです(><
    じつは…。言うのもみっともないので、早くあそこから逃げ出したかったのですが…。どうせなのでココで白状します(;;
    昨日、1位、2位と成田空港のJKの記事と、成田空港って素敵だよねの記事がありました…。おいしくもない店に、なんかの拍子で行列ができたら、その行列がまた人を呼び…の状態でどうも2、3日、上位になってましたが、たぶんこれは単純に「JK」の文字についつい反応しちゃっただけと思われます。
    つい先日まで、人気記事ランキングがあることすら気づきませんでしたが、少なくてもこの2週間ほどは、私の記事が上位5位に入ることなんてなかったように思うので、ひょんな拍子でそうなってしまったんだと思います。たぶん常に10位以下とか20位以下とかです。なので、逆に自分で自分の記事をクリックすることもなかったのですが、いきなりそんなのを見つけてしまって
    「え? 急になんだ? INポイントは全く増えてないのに!」と思って…。
    で…、次に、私、お試し感覚で、何度も「トーイングカー」のリンクをクリックしてみました。たぶん、人気記事のランキングは、1人1回のルールがないように思います。だから、今トーイングカーの記事が1位なのは、そのときの私のズルポイントのはずです。その証拠に「フード・ローダー」は圏外。これからも入らないでしょうね…。おまけに、私が他の方たちのブログをクリックしても全く反応しないです…。多分、ブロックされちゃいました。人気記事は自分でクリックしちゃダメってことみたいです…。バチがあたった…。
    あぁ、ほんっと恥ずかしい!

    • ピクニックランチ
    • 2013年 9月19日 10:27am

    もう2年も前コメントのようですが、たまたま見て気になったもので書き込ませていただきます。
    飛行機をトーイングする際には、機体電源は入れておくのが原則です。
    これはトーイング中のブレーキ圧確保のためにハイドロポンプを入れたり、衝突防止等を点灯させたりするためです。
    別に機内清掃をするためではありません。
    また電気を入れただけでは、エアコンは作動しません。
    一番下はB757ですが、中型以上の航空機は主電源がACパワーですが、飛行機搭載のバッテリーでは当然DCパワーしか供給できません。
    (非常用では供給可能ですが、普通はしません。)
    ACパワーを飛行機に供給するには、エンジンを回す、APU(機上の補助動力装置)を回す、地上から電源を供給するといった方法がありますが、トーイングの場合には地上(トーイングカーからも含む)から供給するのが普通です。

      • 竜子
      • 2013年 9月20日 1:49am

      ピクニックランチさん

      こんにちは。コメントどうもありがとうございます!
      なるほど、トーイング中は電源が入っていることが大前提なんですね。
      正直なところ、AC/DCの違いが何なのかも分からないところからなので、交流/直流をググりつつなのですが、
      ・中型機以上の主電源ONはACで行うもの
      ・でも飛行機に搭載しているバッテリーはDCからだから、別途ACの電流が必要
      ・なので、通常動作として電源を供給している(この場合はトーイングしながら)
      ということなのですね?!
      質問なのですが、最後の写真の場合、動きながら電源を供給していましたが、エンジンやAPUからでないということは、この先飛ばずに移動するだけと考えて良いのでしょうか。

      そもそもなのですが…恥ずかしながら、蓄電池は直流でとか勉強になりました(;;
      ありがとうございます。

    • 北の 陸自 OB
    • 2014年 3月24日 4:12pm

    初めまして、以前近くの民間飛行場が、再開オープンしました。

    その時に、勤め先の若い同僚から大型特殊の二種を取りたい、
    どうしたら取れるかと聞かれました。

    その若い子が言うには、飛行場が再開さるのに合わせ、飛行機
    をけん引する職種を募集しているので、応募したいとの事でした。

    ネットで”航空機牽引車両”を調べている内に、こちらに漂着しました。

    一時は純白のツナギに”AGSとかANA ? ”のロゴを染め抜いた、
    職場に強くあこがれていました、のでこちらのブログの写真を拝見し
    懐かしく思いました。

    人生に”もし”はない?とも言いますが、もしかしたらこの写真に運転席に
    いたかもしれません。

    あこがれだったの職場の車両を見せて頂き有難うございました。

    • 竜子
    • 2014年 5月21日 10:23pm

    北の陸自OBさん

    返信が遅くなってごめんなさい…。
    そうなんですよね。「”もし”はない」ですよね!
    そうと理屈では分かっているんですが、私の中にも”もし”があるから、空港に行ってはしゃげるんだなって気がします。
    ”もし私が…”、”もしあのとき…”って、楽しいです。

    来訪いただきどうもありがとうございました。

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