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世界の航空史サウンドエッセイ「わが心のキティホーク」第3回

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 世界航空史案内の3回目、木村先生の講義は、大西洋、太平洋など遠い海原を乗り越えて初飛行の偉業を達成したリンドバークやアメリア・イヤハート、バングボーンなど航空史を飾る名パイロット達の足跡を語ります。彼等を語るときの先生は、目をキラキラさせて、まるで親しい教え子達が成しえた偉業を誇らしげに語っている老教師のような、心暖かさを感じます。


リンドバークの想い出

ライアンNYP1長距離機

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ライアンNYP1長距離機

「パリが見えてくる。・・・バリは大地の隅からせり上がって来る・・星空の下に星が輝く地面の切れ切れ・・パリの灯だ」1927年5月20灯から21日、リンドバークがニューヨークからパリまでの5,809キロメートルを33時間30分かけて、大西洋を単独で初めて横断した、その時のパリを見たときの感想です。このときの飛行機がライアンNYP1長距離機。ところでその翌年の1928年に毎日新聞社が同型のライアンNYP1を購入し日本で飛行させたことはあまり知られていません。


女性飛行家アメリア・イヤハート/p>

フォッカーF7b3Mフレンドシップとロッキード・ベガ

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ロッキード・ベガ

 2007年、女優の天海祐希さんが宮本亜門さんの演出で「テイクフライト」という航空史をテーマにした舞台劇がありました。その主人公が女性飛行家アメリア・イヤハートでした。ご覧になった方も多いと思います。木村先生は女性飛行家アメリアのことをことのほか愛情をもって語っています。彼女が女性初の大西洋横断飛行をしたロッキード・ベガはリンドバークの大西洋横断飛行の5ヶ月後に完成した高翼単葉機でロッキードの依頼で当時アメリカ航空技術の第一人者だったノース・ロップの設計によるものです。アメリア・イヤハートは1937年に南太平洋をロッキード・エレクトラ機で飛行中消息を断ちますが、そのアメリアの操縦するエレクトラが現在のロスアンジェルス空港に突然舞い降りることで始まる面白い航空小説「ゴースト・フライト」(ウイリアム・カッツ著 鴻巣友季子訳 東京創元社)もあります。折あればご一読ください。
女性飛行家アメリア・イヤハート


世界最初の北太平洋無着陸飛行/p>

ベランカ・スカイロケット・パングボーン機

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ミスビードル

 1931年10月4日、アメリカ人バングボーンとハーンドンのふたりは青森県淋代海岸を離陸、北太平洋大圏コースで約7910キロ飛び、飛行時間41時間12分でアメリカのウエナッチに胴体着陸し太平洋無着陸の記録が達成されました。日本でも北太平洋横断飛行は当時、いろいろな試みがあり、そのひとつに1927年(昭和2年)10月に帝国飛行協会(現財団法人日本航空協会)が発表した太平洋横断飛行計画がありました。コースは北海道から樺太、アリューシャン列島の島沿いに途中、給油しながらアメリカまで飛行する北コースで、機体は川西航空機製作所が製造した川西Kー12型単発複葉水上機でした。だが、訓練中に墜落、パイロットが死亡しこの飛行機による太平洋横断を断念しています。太平洋横断に熱心だった帝国飛行協会は、昭和6年(1931年)に、「北緯45度以内の日本から北緯50度以南のアメリカまで昭和8年8月までに飛行に成功した者に、賞金20万円を贈る」と発表し、朝日新聞社も協賛して話題をびました。
 バングボーンとハーンドンのふたりは帝国飛行協会と朝日新聞社から賞金が渡されたことは言うまでもありません。唯、この離陸が10月だったことを考えれば、その数ヶ月前に北太平洋横断飛行を予定し、その準備が整わず延期していた報知新聞社の「第三報知日米号」が、もし予定通りに離陸していれば、無着陸ではないにしろ太平洋横断の栄誉は日本人の手で達成されたかもしれなかったのです。残念ですね。

「世界の航空史・わが心のキティホーク」の最終回は小型複葉機の勇、デハビランドDH60モスや北極を超えて世界初のポーラフライトに成功したロシアのANTツボレフ25機などが登場します。ご期待下さい。

武田一男

世界の航空史サウンドエッセイ「わが心のキティホーク」
著作・録音 武田一男 ©Director’s House

【著作について】「わが心のキティホーク」の文章、または付録の音源に収録している音楽、音声は武田一男、及びディレクターズハウスが著作権を保有しています。商用、非商用に関わらず無断転載、複製の一切を禁止いたします。詳細については当ブログ管理人までお問い合わせください。

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世界の航空史サウンドエッセイ「わが心のキティホーク」第2回

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 世界航空史の2回目の今日は、第一次大戦の複葉機の特集です。木村先生のお話を聴いていると、ナレーションというより、先生の大学の講義みたいな感じがしますね。余談はさておき、最初は先生の想い出深いアブロ504K練習機です。


アブロ504K練習機

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木村秀政先生の解説をお楽しみください。

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アブロ504K練習機

 アブロ社の名前を世界中に広めたイギリスの傑作機で1913年7月に初飛行をしました。第一次大戦初期には偵察爆撃機や夜間戦闘機として使われ、そのあとも1930年代まで世界の軍隊の練習機として活躍、のべ、一万機以上生産されました。複葉機の名機です。


エルファーゲCV1偵察機

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エルファーゲCV1偵察機

 第一次大戦末期に使用されたドイツの偵察爆撃機。軍用機としてより戦後に民間輸送機に改造され1912年2月から開設されたドイツ初の航空路に使われたことで有名になりました。


ブリストルファイター戦闘機

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★「わが心のキティホーク」挿入:kittyhawk23_bristol.mp3
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ブリストルファイター戦闘機

 ブリストルファイター戦闘機は強力なロールスロイス・ファルコン200馬力を搭載して1917年の夏に登場したイギリス陸軍の戦闘機で、世界最初の二人乗り、いわゆる複座戦闘機です。戦後も長く使われて英国空軍を退役したのは1932年でした。


ソッピース・キャメル戦闘機

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★「わが心のキティホーク」挿入:kittyhawk24_sopwith.mp3
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ソッピース・キャメル戦闘機

 木村先生の著「世界航空史案内(平凡社カラー新書)」のソッピース・キャメル戦闘機の解説をそのまま、引用します。
「第一次大戦が生んだ伝説的名機のひとつ。その空戦性能は”カミソリの切れ味”といわれ、ドイツ戦闘機の恐怖の的となる一方、あまりにも鋭敏な操縦性能は未熟なパイロットには敬遠された。しかし名手の操るキャメルの威力は1917年のデビューから終戦までに1294機という驚異的戦果を記録した」

次回はリンドバークのライアンNYP1長距離機や女性飛行家アメリア・イヤハートのフォッカーF7b3Mフレンドシップとロッキード・ベガなどが登場し、木村先生の「航空史講義」はいよいよ佳境に入ります。ご期待下さい。

武田一男

世界の航空史サウンドエッセイ「わが心のキティホーク」
著作・録音 武田一男 ©Director’s House

【著作について】「わが心のキティホーク」の文章、または付録の音源に収録している音楽、音声は武田一男、及びディレクターズハウスが著作権を保有しています。商用、非商用に関わらず無断転載、複製の一切を禁止いたします。詳細については当ブログ管理人までお問い合わせください。

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世界の航空史サウンドエッセイ「わが心のキティホーク」第1回

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 YS-11の生みの親、木村秀政名誉教授が晩年、まるでご自分の人生を振り返るかのように綴られた珠玉のエッセイ「わが心のキティホーク」に感動し、その本をサウンド・エッセイにしたいと提案すると、快く引き受けて下さり、また、先生の著「世界の航空史案内」(平凡社カラー新書)を合わせて「音による世界航空史」にしてはどうか、とのご提案まで頂き、先生ご自身のナレーションに加え、先生の貴重な航空機のサウンドコレクションまで使わせて頂いて完成した作品です。エッセイ「わが心のキティホーク」のもつ詩情豊かな雰囲気をだすために音楽や効果音なども使い、かなり苦労して完成までに時間がかかリました。それだけに僕としては例えようのない愛着をもっている作品でもあります。過去、レコードで発売した際には航空各方面から身に余る賛辞を頂きました。今回はその作品を木村先生の想い出をこめてノーカットでこのブログで4回にわたってご紹介したいと思っています。ご試聴いただければ幸いです。

武田一男

木村秀政

★「わが心のキティホーク」挿入:10
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木村秀政先生の解説をお楽しみください。

ライト兄弟 フライヤー1号機

★「わが心のキティホーク」挿入:11
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木村秀政先生の解説をお楽しみください。

フライヤー1号機
 世界の航空界の常識では1903年12月17日にウイルバー・ライトとその弟、オーヴィル・ライトが飛行機による動力飛行の世界最初の成功者で、その飛行はノースカロライナ州キティ・ホークで行われました。その様子を木村先生は愛情をこめて語られています。過去、僕が木村先生におめにかかるたびに感じたことは、先生の飛行機に対する無心の愛情でした。その愛情がこの作品をとても暖かいものにしてくれました。

 それから、その12馬力エンジンを持つフライヤー1号機はワシントンのスミソニアン博物館に保存され、その完全なるレプリカがキティホークのライト兄弟記念博物館に飾られています。ご興味のあるかたはぜひ、お訪ね下さい。

ライト家の三男・ウィルバー・ライト
ウィルバー・ライト

ライト家の四男・オーヴィル・ライト
オーヴィル・ライト


フランスの翼 ヴォアザン・ファルマン機

★「わが心のキティホーク」挿入:12
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木村秀政先生の解説をお楽しみください。

ヴォアザン・ファルマン機
 人が空を飛ぶ道具の開発は1783年に気球、1797年の空中からのパラシュート落下、そして1852年の飛行船初飛行などすべてフランスが世界最初ですが、そのフランスでライト兄弟と時を同じくして飛行機を開発していたのがヴォアザン兄弟です。ヴォアザン兄弟はライト兄弟より一年も早くグライダーを完成させていましたが、エンジンつきの飛行機は1907年11月5日にノルマンディ海岸で初飛行させています。そのヴォアザン機のパイロットであったアンリ・ファルマンが翼に補助翼をつけて飛行性能を安定させたのがファルマン機で、日本の徳川大尉が購入して代々木公園で日本最初の動力飛行を成功させたのもこの飛行機です。それが1910年12月19日で、この日を起点にして今年の日本の航空100年のキャンペーンが行われることになりました。


ブレリオ機 世界初の英仏海峡横断飛行

★「わが心のキティホーク」挿入:13
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ブレリオ機
 やはり、同じ時代、フランスにはルイ・ブレリオという飛行家がいました。彼はライト兄弟やヴォアザン兄弟、ファルマンなどの複葉機ではなく単翼機にこだわって試行錯誤し1909年に素晴らしい単翼のブレリオ11型機を完成させ、その飛行機で最初の英仏海峡横断飛行に成功し一躍空の英雄として賛美を受けました。この洋上飛行は所要時間が32分だったそうです。また、この飛行機でベルギー人、ジェオ・シャベーツが3000メートルの高度を飛行し、初めてのアルプス横断飛行をしたことも航空史の輝かしい歴史として残っています。

世界の航空史サウンドエッセイ「わが心のキティホーク」
著作・録音 武田一男 ©Director’s House
【著作について】「わが心のキティホーク」の文章、または付録の音源に収録している音楽、音声のすべては武田一男、及びディレクターズハウスが著作権を保有しています。商用、非商用に関わらず無断転載、複製の一切を禁止いたします。詳細については当ブログ管理人までお問い合わせください。

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