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「週刊東洋経済特大号」 ボーイング vs. 三菱 vs. HONDA

見かけましたか? 9月16日発売の東洋経済特大号。「激烈! 世界の航空機ビジネス ボーイング vs. 三菱 vs. HONDA」です。

「東洋経済」のようなビジネス雑誌って、仕事ではチラッと見ることはあっても、個人的にはまったく読まないのだけど、航空関係となれば別腹。ビジネス雑誌、特に「東洋経済」って、向かってくるパワーが強くってなんだか根負けしちゃうんですよね…(笑)。

けれど、やっぱり週刊誌独特の勢いはあって、特集ひとつとっても、なかなか航空雑誌ではやらない切り口をしていて、久々に読んでいてサッパリとした気分になったし、さすがにみせ方が巧いですよね。図版や図表がわかりやすくまとまっていて、情報量が濃密な印象。ディープな航空ファンには、目新しい情報はないけど、概要についてわかりやすいという感じですかね。もし、最近飛行機や航空業界に興味を持ちはじめた人なら、即効薬として価値が高いです。要は、最近の動向を知るのに「月刊エアライン」をコツコツと1年読み続けるよりも、この特集を読んでおけば、一通りは知れる、という感じです。しかも航空ファン向けではないので、専門用語もないしね。

ビジネス雑誌だからこそスパスパ実現出来る、インタビューなんかも面白い。たとえば、三菱重工の大宮社長と三菱航空機社長の話や、ファンも多いホンダエアクラフトの藤野社長の話。全体的に60ページ程度なのに満足度が高い。

興味がある方は中吊りを参考に。

「週刊東洋経済」ボーイング vs. 三菱 vs. HONDA
「週刊東洋経済」2008年9月20日特大号・中吊り広告

↓ 航空ファンが増えますように!
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<激烈! 世界の航空機ビジネス ボーイング vs. 三菱 vs. HONDA>
■PART1 ボーイングとエアバス、きしむ巨人
・787よ、お前もか! エアラインも日本メーカーも大混乱
【インタビュー】スコット・カーソン/ボーイング民間航空機部門CEO
 「787の開発が遅れ、エアラインには迷惑をかけた」
【現地リポート】 のぞいてきました! エアバス巨大工場
・こだわり職人ボーイング vs. ハイテク主義者エアバス「外伝」
■PART2 三菱重工の覚悟とリスク
・半世紀ぶり 「国産旅客機」、航空機自立への最後の切符
・ 出された男と残った男、MRJの運命を託された同期の2人
・MRJが「重工」を変え、「重工」がMRJを支える
・中国産ジェットARJ MRJの向こうを張る米中の“航空蜜月”
・ロシアを米伊仏が全面支援、「スーパージェット」の全貌
・日の丸ジェットエンジン繁盛記─大盛況の中の矛盾
・みんなが知りたい! ハイテク旅客機の乗り心地 10のポイント
■PART3 発進! ビジネスジェット
・急成長する究極の 「空飛ぶオフィス」
・“非常識”なヒコーキ、ホンダジェットの勝算
【インタビュー】藤野道格/ホンダ エアクラフト カンパニー社長
・「保守的な航空機の世界、ホンダだったら変えられる」
・日本のものづくり力と航空機開発
・ パイオニアも中小企業も、元気印は航空機を目指す
・次世代航空機はこうなる!
・民間機のウエートが高まる―国内航空機の売上高―

3ヶ月くらい前に、週刊ダイヤモンドで同様の特集(「エアライン VS エアポート世界大激戦」)をやってました。活況ですね、今年は。航空ファンが増えてるといいですね♪
週刊 ダイヤモンド 2008年 6/28号 [雑誌]
「週刊 ダイヤモンド 2008年 6/28号」 ダイヤモンド社

「クルマガ先か? ヒコーキが先か?」

貰い手が見つかったので、締め切りました!
ありがとうございました。

「クルマが先か? ヒコーキが先か?」プレゼント

いやぁ〜、思い切って来週はほぼ1週間…お休みを取ることにしました! 決断が遅くてちらほらアポ入れちゃったけど…。ちょっと遅めの夏休みですが、この夏休み期間中に、ダッフルコートを買おうと思っている竜子です。こんにちわ。

今日、紹介するのは軍事評論家・岡部いさく氏の「クルマが先か? ヒコーキが先か?」です。
クルマが先か?ヒコーキが先か?Mk.3
「クルマが先か?ヒコーキが先か? Mk.3」 岡部 いさく

はい、嘘です。

ペラッとめくって、目次をみて面白そうだな、なんて思ってさらにペラッと。

すると…。出てきたのは第8章! すっかり、今どき珍しい「落丁」してるのかと思ってビックリしてペラペラ、ペラペラ。どうも8章以降は全ページ揃ってる。もっかい目次をみると、なんとそこには「第1巻もくじ」「第2巻もくじ」「第3回もくじ」っていうように載ってる。

はぁぁぁぁ…。

実は間違って購入してしまいました。
Amazonのおススメ(Amazonでは、購入履歴からおススメの1冊を定期的に配信してくれる)ってことで買ったのですが、ななな・なんと! 購入したのは第3巻でした。表紙をみると、第3巻であることを示す「Mk.III」のマーク。この「Mk.III」の主張のなさにビックリ。腰抜かしたよ。内容的には面白そうなんだけど、クルマに疎い竜子はどうせなら第1巻から理解を深めつつ読んでいかないと、到底読めそうにない! かといって、あと2冊買い足してまで? お金も時間も費やす気がしない! ちょっと自分に呆れてしまいました。

ドジドジドジドジ・ドジ!!!!!!

というわけで。
この本、どなたかにさしあげます。
ただし、さらっと、さわりだけ読んだ感じだと、解説はわかりやすく本人のイラストが絶妙。良書の匂いがします。

知人、他人、問いません。読んでみたいという方であればどなたでも。
今日、はじめてこのブログに来た、というアナタでかまいません。
お気兼ねなく。車にある程度の興味がある方(少なくとも無関心の竜子よりも)の方が楽しめるのではないでしょうか。
右側にメールがあるので、メッセージください。もちろん、送料等のご心配なく。先着1名です。

この本を書かれた「岡部いさく」氏については、皆さんもご存知の通りフジテレビのニュースで、有事の際には必ずと言っていいほど軍事評論家として登場なさっています。その解説ぶりが「この、軍事オタクめが!!」とつぶやきたくなるほど(これは愛情表現の言葉です)、遠慮のない説明で解説に徹し、さらにはその背後にあるニュース(有事や事件・事故)に対しての「空気読んでいない」感が、ある意味では解説者として正しく、そしてその知識量と的確な言葉を選べるセンスが、マニア心をたまらなく刺激する、絶妙な解説者なのです。

おなじみの航空雑誌「月刊エアワールド」の編集者、艦艇雑誌「月刊シーワールド」の編集長を経てフリーに。「岡部ださく」名義で「世界の駄っ作機 」シリーズ(←軍用機ばかりだが、ユーモアたっぷりでおもしろい!)など、執筆多数。

↓ ドジでのろまな亀・竜子…

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「淳さんのおおぞら人生、俺流」

人恋しくなる秋を迎えた今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
激しく空模様を変える天気に合わせるように、竜子は体調を壊しまスタ。「女心と秋の空」ならぬ「心身と秋の空」です。いやぁ、めっきり寒いですね〜。ほんっっっとに寒いです、はい。

今日紹介するのは「淳さんのおおぞら人生、俺流」です。新刊です。
高橋淳さんという大正11年生まれ(85歳!)のおじいちゃまの航空人生を、聞きまとめした本です。太平洋戦争では、一式陸攻のパイロットとして従軍し、戦後は小型機とグライダーを愛好し、現在は社団法人日本飛行連盟名誉会長をされています。

淳さんのおおぞら人生、俺流
「淳さんのおおぞら人生、俺流」 高橋 淳

終始、淳さんが「アニキ」口調なのですが、聞きまとめする際に忠実に筆を起こしているのか、淳さんの一部分をデフォルメして統一させたのか(淳さんのお話を別の方が書きおこす、というスタイルです)、よくわかりませんが、軽〜く伝わって来る感じが、はじめて空の魅力に取り憑かれた方が読むのに、容易く読めてなかなかいい感じかもしれませんね。会わずして、チャキチャキした雰囲気の世話焼き淳さんにお目にかかった感じもします。

内容は幅広く、グライダーの魅力、軽飛行機の魅力を淳さんの言葉で教えてくれていたり、戦中、戦後のお話を聞かせてくれたりとまさに生き字引の名にふさわしいですね! 本来であれば、ご本人が著者として書きまとめたりした方が、個性やその方の独特なリズムが読みながらも伺えたりして、面白いのだろうけれど、淳さんの人生そのものが、確かに聴きまとめするに匹敵する内容で、面白かった。

でも、もう少しまとめた方の目線で見た「淳さん」があっても良かったかも。せっかく名前が出てるのに。だってなんだか、CDやレコードで聞いた方が、面白いような気がして。すみません、潔く「聞きまとめ」と名乗っているのに、余計な意見でした。

えと、航空ファンのみなさまには不適かも分かりませんが、この本を読んでたら、永沢光雄さんの本が急に読みたくなってしまいました。この永沢光雄さん、エロ本でAV女優のインタビューを書かれていた方で、それらをまとめた「AV女優」(上/下巻)という著作がひと昔前に売れたのですが、ご存知でしょうか? インタビュー形式にも関わらず、話を訊いている女の子の人となりや、それまでの人間模様なんかが淡々と書かれていて、なんていうか小説的で、この方の悲しいものを見るときの眼差しが、あたたかく感じられて好きなんです。同じ人や物でも、人の目を通すと、いかようにも変化するものですね。「AV女優」なんて目の当たりにしても、ちっとも面白くなんかないし、痛すぎて正面切って見れないけれど、人のフィルターを通してみると、少しは優しく見物することが出来る。インタビュアーって、というか書き手って、その役割をどう独創的に果たしてるかが、必要なのではないでしょうか。あ、でも間違ってるか。やっぱり、ありのままをあぶり出す、って方が、真っ当かな。分かんないや。

永沢光雄さんは、多くはないけれど、ほかにもいくつか本が出ているのですが、今日があんまり寒いから、この作家さんの「愛は死ぬ」という、何ヶ月も前に読みかけにしてた本を読み直したのですが、永沢さんの亡くなられる間前の著作なのに、やっぱり温い感触が残って、なんだか少し元気になりました。こっちはインタビューではなく、べつの切り口で人を見ている本なのですが。

愛は死ぬ
「愛は死ぬ」 永沢 光雄

↓ 寒さに負けない丈夫な肉体を。

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「男爵の愛した翼たち(上/下)」

「博士の愛した数式」に韻が似てる気もするし、いまどき「男爵」はないよね…。なんて思いながら手に取った本だったけど、ところがどっこい! 
「男爵」って響きのおかげか、ひと通り読み終わると、この本を抱きしめてしまいたくなるような感覚が残る本だった。
いや、こんなにこの本がいとおしく思えたのは、「男爵」って言葉なんか関係なく、こんな風にコレクションした人がいたこと、そしてこうしてめぐりめぐって、いち飛行機ファンの元に届けらるに至ったことへの感謝とありがたさだ。

「男爵」っていうと、鹿鳴館のような住まいに階級バッジを胸にたくさん身につけた、いわゆる「バロン」的な大正ロマンの男爵を思ってしまったけれど、案外我々にも身近だった。さて、どんな方でしょう?

はい、間を置かずに答えちゃいますけど、かの有名な「鳥人間コンテスト」(読売テレビ)の初代大会委員長として、開会のピストルをバチコーンッ! と撃ってるお方でありました(笑)

その「男爵」である故・宮原旭(みやはら・あさひ)氏は、学習院初等科から高等科を卒業後、イギリスのグラスゴー大学で航空工学を専攻し、飛行機制作に熱中したらしい。帰国後は三菱航空機に入社し、九十七式二号艦攻、九九式襲撃/軍偵察機などの設計に関わる。この辺、竜子には良くわからなかったのだけど、以前、武田一男さんから報知号についてのコメントを寄せていただいたけれど、その報知号の太平洋横断飛行計画に参加した、吉原清治操縦士の開設した会社でグライダー制作などをし、終戦までに370機ものグライダーを制作したという。
宮原氏は1983年に79歳で亡くなられたけど、氏の残した写真は翌年に日本自作航空機連盟に寄贈され、2004年に航空遺産の収集と保護、調査の目的で設立された「航空遺産継承基金」を契機に、3500枚に及ぶコレクションのデジタルデータ化が進められ、本冊子となって登場したのです。写真の多くは、まだ写真機自体が一般的でなかった1920年〜30年代にかけて撮影されたもの。

これらの写真の何が凄いって…。当時の機体はもちろん、飛行機乗りの姿や家族などが、ハッキリと鮮明に写っていることだ! 昭和ひとケタの当時の様子がえらいきれいに刻されている! 今とは違ってそれほどスマートじゃないパイロットの表情(漁師みたい!)、奥さんの肉づきの良い体格、おかっぱ頭のおしゃまな少女、袴をはいたはな垂れ小僧、映画にでも出てきそうな鬼軍曹みたいな人や、宮原氏と接した外国人…。大衆の様子がこんなに鮮明に見れることってあるんだろうか。なんだか、想像している昭和ひとケタのイメージってもっとぼやけた感じだったんだけど、それってもしかしたら今まで目にした写真がぼやけてたからじゃないか? とまで思っちゃったよ(笑)

写真のキャプションに名前が書いてあるが、ハッキリいって、それが誰なのか竜子にはぜんっぜん分からない。それに、軍用機に興味すら持たなかったわけで、どんな価値のある機体なのか良くわからなかったりする。報知号なんかはこのブログでも話題にのぼったことがあったのを機に、親しみをもって他の本を読めるようになった。報知号もこの本にも出てくるけど、半年前と今じゃ、楽しみの深さが少しだけ違う。それと同じで、今は分からないけど、ここに乗ってる人や事が、今はどんな歴史上の人物なのか分かんないことが多いけどそのうちなんかでつながっていくのだと思う。

それからね、この写真は宮原氏が亡くなった後に寄贈されたものなので、裏書きのないものなんかは、映ってる人が誰か分からなかったりするんだ。こういう資料が世の中に出ることで、他の写真や日記なんかも引き寄せられるように集まれば、もう少し研究が進められていずれ明らかになるのかもしれない。そんなときにまた新しい歴史の扉が開いたりして、どんどん広がっていけばどれだけ素晴らしいかと思う。

本屋さんで「男爵の愛した翼たち」ってタイトルを手にしたとき、最初はケチつけちゃったけど、なんだかこの本を世に送ってくれた作り手たちの、宮原男爵に対する敬意なのかな、って思えてきたよ。

竜子にとってもこの2冊の本は、生涯楽しめる資料になるんだと思った。値段は本や写真集にしたら、少し高いように感じるかもしれないけれど、これだけの内容が詰まって、長い間にまたがって楽しめる資料なのだから、とてもお値打ちだと思う!

9月中頃に本屋で購入しましたが、Amazonだと、予約受付中になっているようです。確かに歴史的な価値のある本だと思いますので、今のうちに。

↓宮原男爵とこの本の制作者たちに感謝♪

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■執筆:藤原洋 藤田俊夫
■監修:独立行政法人国立文化財機構 東京文化財研究所
■発行:財団法人日本航空協会 航空遺産継承基金
■発売:オフィスHANS
■価格:[上巻]2,940円 [下巻]3,150円

■Amazonでも取扱いあり(三樹書房でも並売なのか?…わたしのは、オフィスHANS(自費出版?)になってるけど)
「男爵の愛した翼たち 上」(三樹書房)
「男爵の愛した翼たち 下」(三樹書房)

「日本の旅客機2008-2009」

イカロス出版の本は高いとかなんとか、私はいっちょまえに言っちゃうけれど、それでも情報誌なんかかなりマニア心を押さえて刊行し続けるイカロス出版は凄いのだ!

日本の旅客機 2008-2009 (イカロスMOOK―AIRLINE)
「日本の旅客機 2008-2009 (イカロスMOOK―AIRLINE)」
イカロス出版

今回紹介するのは日本の旅客機を網羅したカタログです。
航空会社別に日本の全機種を掲載し、主要スペックはもちろん各機材ごとに路線や便数、保有機数とレジストレーションナンバーを収集。写真とイラストによる機体デザインまでも網羅し、キャビン内や客室クラスごとの写真も掲載している。

今回の巻頭企画は「プレミアム」をテーマに、ファーストクラス、エグゼクティブ/ビジネスクラス、プレミアムエコノミーと、近年の新しいキャビンの動向にあわせてシートの徹底紹介。シートピッチなどの基本データは当然ながら、個人用モニターのサイズもデフォルトデータだ。

必見は、747在来型の特集。カタログにはじまり、コックピットの写真に「 機長の『失敗学』」「機長の告白」などの良書も執筆されている、杉江弘キャプテンのインタビューも。

それから、2009年3月に予定されている、富士山静岡空港を拠点に、新規路線を就航させる、フジドリームエアラインズ(FDA:FUJI DREAM AIRLINES)のエンブラエル170のカラーパターンも紹介している。フジドリームエアラインズでは、2009年9月より、静岡←→小松、静岡←→熊本便線、じきに小松、鹿児島空港へと広げていくとのこと。

フジドリームエアラインズの今後の予定を含め、各航空会社の機材調達の計画は、巻末に「JAナンバー完全リスト」をみれば、よくわかる(ザッとみたところ、2012年までの登録年月日が記されているため。単に引き渡し予定のリストなんだけど…)。それから、JA5/6XXX台のレシプロ機は5003番から、JA8XXXのジェット機は8001から(もちろんリクエストナンバー制導入後の8XXX以降も)と、完全網羅。「日本の旅客機」というからには、日本籍のものでなくとも、日本の空を飛んだ外国籍のジェット機(海外航空会社リース会社からのリース機)のデータもある。データの内容は、登録記号(レジストレーションナンバー)順に、型式、製造番号、運行会社、登録年月日、抹消年月日、エンジンタイプ、エンジン型式、最大離陸重量、備考(どこから調達しているものなのか、リース元や回収履歴、カラーリング、売却先、寄贈先、などなどなど)。それから、機体の状態(現存の有無、運行の有無)も。

いくら飛行機好きだといっても、記憶するほどの頭は持ち合わせていない竜子にとってはほんとうにカタログでしかないのだけど、「日本の旅客機」を航空会社ごとにソートしてくれているのは、ありがたい限りだ。カタログ部分はほぼカラーだし、貨物機も拾っているので、いっときは国際線も視野に入れていた佐川急便のギャラクシーエアラインズなんかも乗っているわけだけど、10月に撤退するとされているので、カタログでの紹介は本書が見納めになるんだと思う。

なんやかんやいってもアレです。長いこと専門分野に特化してやってる方は、誰にも何ものにも変えられない財産を持っているってことですなぁ…(しみじみ)。

イカロス出版に乾杯!

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機長の「失敗学」
「機長の『失敗学』」
杉江 弘

機長の告白―生還へのマニュアル
「機長の告白―生還へのマニュアル」杉江 弘

「空のよもやま物語」

9月の新刊を紹介します。

戦時中に所属していた陸軍航空審査部でのよもやま話。この方、この本ではじめて知ったのですが漫画家さんらしく、イラストがふんだんに盛り込まれてわかりやすい上、ユーモラスに回想されていて当時のお話がとってもイメージしやすかった。
昭和57年に光人社より発行された単行本の、復刊です。

空のよもやま物語―空の男のアラカルト (光人社NF文庫)
「空のよもやま物語―空の男のアラカルト (光人社NF文庫)」
わち さんぺい

恐れながら…、竜子にとって太平洋戦争ってただの歴史に過ぎない。大げさにいっちゃうと、鎖国したとか、黒船がやってきたとか、そんな歴史と同列の出来事でしかなくって、そんな歴史が今の世の中とどう関わっているのかたまには考えるけれど、具体的な実感が持てない。だからこういう本で、そのときの暮らしぶりや文化なんかに触れられるのがとても嬉しくって、本当に楽しく読めた。

わちさんぺいさんは軍属の方なので、空の話だけでなく軍部での人間関係や自身の恋愛の話まで語られている。昭和5、6年の航空黎明期に抱いた空への憧れを胸に、航空学校から陸軍飛行実験部へ。飛行機の整備のしかたや、空の素晴らしさ…わちさんぺいさんの人を見る目が豊かで、その方の人柄がとてもよく伝わってくるのです。もちろん、イラストのおかげもあるけれど。

それから楽しく読めたのは、文章が難しくなく、おちゃらけてもなく、世の中が平和で自由だからというのもあるけれど、当事者であったわちさんぺいさんの、なにかを批判するでも肯定するでもない語りぐさが、心地良かったからだ。心地いいなんて言っちゃいけないかもしれないけれど、べつに全然平和じゃないことが、平和そうに見えるってわけじゃないよ。苦しいことは苦しいまま、楽しいことは楽しいまま、不幸なことは不幸なまま、幸せなことは幸せのまま伝わってくるってだけのこと。電車で読んでると、笑っちゃうときもいっぱいあったし、素直に涙がこぼれてくることもあった。

わちさんぺいさんは既になくなられている方ですが、この本は昭和57年当時、70歳になられたときに刊行されたもの。どうりで…というのも変だけれど、優雅というか、人生観にゆとりがあって素晴らしい語り部だったのです。偏屈じゃないって凄いことですよねっ! 復刊に値する良書だと思う。以前「瑠璃の翼」で挫折したけれど、この本に出会えて良かった。ノモンハン事件を題材にした「瑠璃の翼」にも登場した人物の話なんかもあって、こういった本を読んでいると、いつか「瑠璃の翼」のような歴史小説も気軽にスラスラと読めるようになるんだろうな、としみじみ思った。

この本は、思想的に偏ってるとかいうこともなく…あれ、なんでこんなこと説明しなくちゃいけないんだろ。やめたっ!! 右だの左だの、SだのMだの、みんなあけすけに喋るけれど、どうしてそんな風に枠に囲うのか、そして自らその中に括るのか不思議でたまらない。しかも、そこに媚びりそうになっちゃった! とにかくおもしろい本でした!

んじゃ!

復刊に乾杯!

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「高度一万フィートの死角」


「高度一万フィートの死角」(ヴィレッジブックス)/カム マージ,Kam Majd,戸田 裕之

長かった…。544ページあります。
この小説の著者であるカム・マージ氏は、パイロット出身。てっきり全編航空シーンンなのとかと思いきや、大半は地上でのこと。

雷雲に取り囲まれたマイアミ空港を出発した、アトラスエアウェイズ415便に(巧妙に仕掛けられた)電気系統の故障が発生する。通信も遮断された状態だったため、同じ頃近くを飛行していた女性機長、ケイトの操縦するジェット・イースト643便が様子を見に行く。その643便にはケイトの娘、モリーが乗り合わせており、モリーが突然の発作に襲われ、643便は急病人発生のため緊急着陸、一方のアトラスエアウェイズ415便も海に不時着する。

この物語は、石油に絡む陰謀が取り巻かれているのだけど、不時着したアトラスエアウェイズといい、この物語の謎を明かすヒントのほとんどが、ケイトの娘のモリーによる、サイキックによるものだったので、私にはそれがガッカリだった。石油の陰謀も遠隔透視などの超能力に頼るもの。モリーが空港である男にぶつかるのだけど、その男がこの陰謀の鍵を握る人物で、その男のみたものがモリーに憑依するのだ。

また、文化の違いといってはそれまでだけれど、大半に渡ってアメリカならではの家族愛の描写ばかりで、どうにもこうにもついてくのが大変だった。しかも、この超能力がケイトのママ(モリーの祖母)の血筋ときたから残念この上ない。

ひとつ救われるのは、翻訳がとても読みやすかったこと。

「このお話は夢の出来事でした、チャンチャン!」みたいな物語って、なんだ…もう少し捻ってほしかった! って気分になっちゃうし、わざわざ「夢でした!」なんて説明は勝手にしないでくれ、って思っちゃう。そこらへんの帳尻合わせは、自分でやりますから! って。サイキックも同じだ。世の中にあり得ないことや説明のつかないことって、いっぱいあるけれど、それはそれで説明なんか要らないし、わざわざそれはなんかの超能力です、なんて無理な解釈も要らないよ…。ましてや、そんな超能力だの透視に関して、むりやり理屈づけしたって、説明になんかならずにただの胡散臭さにしかならないんだよね…。

ただ単に他のテーマだったらもっとおもしろかったと思う。最初に読んだ本がまずかった。いずれこの著者の別な本でリベンジしよう。

以上。

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「飛行機モデルコレクション」と他ダイキャスト・プレーンの本

飛行機モデル、ダイキャスト・プレーンを紹介するカタログ。8月末日に刊行された新刊です。


「飛行機モデルコレクション」イカロス出版(イカロス・ムック)

ちなみに竜子はダイキャスト・プレーンのコレクションはしていません。ちょくちょく頂き物をしたりしてますが、自分で買ったことはほとんどない…。プラモなら好きですが! ですが…いいなぁ、と思ったのは空港と基地のシーンを再現した巻頭企画。さまざまなダイキャスト・プレーンを配置して、情景と絡めた写真が紹介されているところ。これは一見の価値あり。
「情景制作:和田 拓」というクレジットが入っているのですが、この和田拓さんの制作したジオラマっていうのかな、情景が秀逸。誰なんだろう…。検索してみたけれど、満足な情報を見つけられなかった。ご存知の方がいたら教えてください。ジオラマ達人なのかなぁ…。凄いよね。欲をいえば照明がなんだかなぁ〜って感じだけど、このジオラマ写真、もうちょっと見せてほしかったなぁ…。ボリュームがね! こんなに凝って凄いことしてるのに、けっこうさらりと紹介してた。

あと特徴としては、旅客機だけでなく戦闘機もけっこうボリュームある。

それからお笑い芸人の、カンニング竹山さんは、10年前に大嫌いだった飛行機を克服して、今では大の飛行機好きとして有名らしいのですが、(…はじめて知りました)、そんな竹山さんのダイキャストモデルのコレクションなんかも紹介されています。仕事をしてきた証としてコレクションしているとのこと。自宅のコレクションを見ては、仕事の苦労を思い出してるんですって。ふ〜ん…。

あ、竹山さんのページにスタイリストがついてる!

Amazonで購入するも、ちょっと失敗した感じ。えい(枻:「木」へんに「世」)出版の「ミニチュア・エアライン」や「世界の旅客機モデル」のほうが断然良かったです! 雰囲気もひとつひとつのモデルの紹介も。旅客機モデルのカタログでありながら、機体そのもののカタログ的な要素が満載で、刊行年から月日が経っていますが、今みてもまったく衰えていません。だから、こっちの方をお勧めします。

■ミニチュア・エアライン(えい出版/2005年2月刊行/定価1,500円)
「JAL永遠の翼シリーズ」なんかはもちろん、旧JASの機体などなど、その時代背景とともに航空会社ごとに紹介。

■世界の旅客機モデル(えい出版社/2003年8月刊行/定価1,500円)
ダイキャスト・モデルの名高いブランド、ドイツのヘルパ社の社長と開発責任者にインタビューもおもしろい。

いつも不満に思うのですが、イカロス出版の本って高いですよっ。ついつい類書と比べてしまいます。ましてやこの本の場合、ページ数もグッと少ないです。まぁ、私のように買ってしまう人もいるんですけれど…。ってことで需要と供給が成り立ってるんだから、妥当だともいえるのか…。

↓イカロス出版はちょっと高い…

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「アラスカ極北飛行」

戦闘機のパイロットに憧れ、大学卒業後に志願して北海道の航空自衛隊に入り、実際にF-15戦闘機にのっていた…現「野営飛行家」の湯口公さんによる、このたった2年間の話。ぜひ紹介したい本の登場です。


「アラスカ極北飛行」湯口 公

大学在学中に1年間休学して自家用操縦士の免許をとった湯口公さん。12ヶ月のうちの2ヶ月はアメリカでの飛行訓練に、残りの10ヶ月はその資金のために肉体的にも精神的にも厳しい道路工事の作業をして。

その在学中からアウトドアに熱中し、アラスカに憧れ、アラスカの書物を読み漁るなか出会ったブッシュプレーン。「ブッシュプレーン」とは、大自然を自由に飛び回る飛行機で、それでアラスカ中を駆け巡るパイロットを「ブッシュパイロット」というのだそう。ブッシュパイロットに興味を持ちつつも、卒業後は航空自衛隊へ。そこで厳しい訓練を重ね、F-15戦闘機のパイロットになる。軍用機に疎い竜子といえども、さすがにF-15乗りがすっごい優秀なパイロットだってことぐらいは知っている。だけどこの方は、あることをきっかけに学生の頃に興味を持った「ブッシュパイロット」に想いを馳せ、それまでに築いた名誉も生活も、あるとき捨てたんだ。

きれいで雄大な大自然の写真がもりだくさん。それから不思議なことに、この本、すごくゆったり読めるんだ。普段文字を読むペースにならないっていうかな。ひとつひとつの文章がスローにしみ込んでくる。だけども1往復の通勤時間で読み終えてしまう。文章量が極端に少ないわけじゃないのに。読みごたえが充分ある! この本を読みはじめてしばし静寂な気分で時間が流れたのだ。不思議な感じ。今、ペラッと見返してみたけど、やっぱりそう。文字を追ってすぐに、静かで穏やかな時間の流れに乗ってしまうんだ。

町の数よりも滑走路のほうが多いアラスカに降り立つまでの話、そしてその滑走路は塗装もされていない砂利の滑走路だってこと、愛機「ハスキー」を手に入れるまでの話。アラスカを飛ぶということと、滑走路でもなんでもないところに降り立つ興奮。アラスカに住まう人たちとの交流、北極海への冒険飛行と先輩ブッシュパイロットたちの懐の深さ。アラスカの景色、土地、人の素晴らしさに出会うのはもちろん、それだけでない、とっても大切なこととが伝わってきた。周りから見たら突然のようにこれまでの生活を捨て、「好きなことをして生きてく」という決断をした、向こう見ずな性格のようで無鉄砲ではない、この方の精神のありように、敬意を感じる。

5、6、7、8月と竜子は、途方もない忙しさと慌ただしさに追われ、毎年の、決まった期間のことだから、と割り切ろうとしつつも、煮えきらない毎日の中で、ほんとうにどこかに飛び立ってしまいたい気分だったと思う。空港へ行った後のように穏やかな気分のときもあれば、イライラしてるときもある。女だというのにお風呂に入る気力すら起こらないときだっていっぱいあったし、…もちろんそんなときはブログの更新だってしないけれど、睡眠時間が少なくて、さらに睡眠時間が少なくなって、とてもつまらないことでつまずきがちになったりもする。おかげで、明日の食いっプチに困ることはないし、潤沢ではないけれど身の丈ほどの小遣いなら、さほど困っていない。いわゆる…人並みってヤツ。幸せだと思う。だけど、こんな生活が豊かかといえば、違う。

「豊かな生活」というと、自然とかが付き物だけど、竜子はべつに大自然で暮らすことがすなわち「豊かな生活」だなんて、微塵も思っていない。大自然を愛でることは出来ても、その中に生活を置くのは無理。ンヶ月、とかン年、とか期限があるなら出来るし、めいっぱい楽しめるけれど。ものごころつく前からハイテクにも情報メディアにも、娯楽にもサービスにも…ありとあらゆる利便性にもどっぷりと浸かった生活を送ってきたし、世の中過剰なこともあるけれど、ある程度は必要。豊かさなんて人それぞれ違うから、この本を読んだからといって、そんな自分に後ろめたさもない。

もちろんこの著者さんは、この本で「自然はすっごいぞ!」とか、目で見えるものの素晴らしさばかりをいってるわけじゃない。凄さはめいっぱい伝わるけれど!! たまたまアウトドア好きなので、それと空を飛ぶことが組み合わさっただけだ。湯口公さんが手に入れた豊かな生活。この方の澄んだ情熱で綴られた想いが効用となって、私にゆとり時間を与えてくれた。この異なる価値観の竜子であっても、「豊かさ」について考える大きなヒントとなりました。どんな生活が豊かなのかを想い描けば、未来はどうにでもなる、ってことで!

じゃ!

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空好き必見! スピーチで引用したい名言集

8年ほど前に刊行された名言集。

「ひとたび空を飛ぶことの味をしめたら、常に上を向いて歩くようになるだろう。自分の居場所は空だ、あの空に戻りたいと常に思うようになるのだ」

レオナルド・ダ・ヴィンチ


「浪漫飛行―大空を翔けた鳥人たちのことば」デイブ イングリッシュ,Dave English,小路 浩史

「正真正銘のイングリッシュマン」と自ら名乗るパイロットが集めたという、大空の名言集。ヘミングウェイやサンテグジュペリ、リリエンタールにリンドバーグ、ライト兄弟はもちろん、世界各国の将軍や大臣、新聞記者のコメントまで。よくもこんなに集めたものだ! すべては飛行することの素晴らしさを物語る名言、空への果てしない想いが言葉になったもの。「正真正銘のイングリッシュマン」! だからなのか、崇高なるパイロットだからなのか、紹介されている名言は、高雅なものが多い。

飛ぶことの感動から始まり、パイロットの言葉、安全にまつわる言葉、宇宙や女性飛行家のことばなど、最後には、パイロットの「最期の言葉」で締めくくられている。いろんな言葉に出会ったあとに、墜落直前のヴォイスレコーダに残された言葉などを知ってしまうと、泣きそうになる。

心にまで伝わる言葉というのは、「誰」が発したものなのか? というのが重要なポイントだ。その「誰か」、は自分にとってどれほど価値がある人なのか、なども加味されたりする。だから、この航空賢人の発したたくさんの言葉が編まれている本は、飛行機大好きな竜子にとっても、お気に入りの名言集なわけだ。
それから、もっと重要なのは、その言葉を受け止める側のメンタリティだ。この、受け止める側のメンタリティが、その時々に違うから、たまに本を読み返すと、感じ方が驚くほどがかわっていたりすのだ。そもそも名言だの格言と呼ばれるものは、その人が発した文脈からその部分だけが切り取られているので、受け手による作用がとても大きい。だから「うわ、響いた!」って言葉が、いつも違う。

このどちらもの相乗効果を生んで、いろんな格言が自分の引き出しとなるわけだけど…、ときに、まったく予想だにしないところから発せられた言葉が、自分でも意外なほど残ってたりするものだ。なにがどう作用したのかわかんないけど、ときどきどうも気になる、みたいな。竜子には、普通に生活していても困ってしまうほど、頭にリフレインする文句がある。

6年くらい前だったかな…。その頃はまだ転職前で、職場は新宿…とはいっても歌舞伎町裏のうらぶれた場所にあったのだけど、そこにはいつも麻薬の密売人だの、多国籍・無性別に立ち並ぶたちんぼだのがいて、夜になればその界隈を「シマ」とする構成員らによる定期的な「お練り」なんかもあったりして、歌舞伎町ルネッサンス計画前の、かなりディープな街で仕事をしていたわけだ。なんでそんな場所に職場があったのかはともかくとして、こんなカタギな竜子ですらも、声をかけられることもあったわけで、いわゆる「たちんぼスポット」の相場価格をなぜか言える…。もちろん、当時の価格云々以前に、自身のみで収集した情報をかき集めた結果なので、普通の相場よりか安いかもしれないけど(笑)
 
さて、そんな多種多様な街にはライトな浮浪者から、ディープなルンペンまで、顔なじみの浮浪者なんかもいた。もちろん顔なじみ、ってのは双方にというわけではなくって、私がいつも見かける顔、ってだけだ。あ、ちなみに…いわゆる「ホームレス」とちがうの。なにかを失ってしまったホームレスではなくって、なにかが(すべてが…)「壊れてしまった」浮浪者。そのある浮浪者のおっちゃん。髪の毛は超ロングでクシはおろか指ですらもとけないほど毛束になってて…、ヨレヨレの布どころか、どこからどこまでが服なのかわかんないほど、どっからか靴で、どっからが破れた靴からはみ出た足なのかがわからないほど、裾かなにかを引きづりながら、前身真っ黒けっけ。匂いもぷぅぅ〜ん、どころか、ぶへぇぇーーっ! とくるほど放っていて、そんなおっちゃんは、いっつも携帯電話(を耳にあてたフリ)で、誰かと声高に、めっちゃくちゃ早口でしゃべっていた。とにかく早口過ぎて、なにを言ってるかは聞き取れたことがなかったんだけど、職場の人の話によると、ビジネス風の会話をしてるらしい。ただ、注意して聴こうにも竜子は聞き取れなかったから、本当かどうかわからないけど、そうやってなんかしゃべってる時は、目が斜め上を向いていて、なんか考え事をしながら、確かにビジネスマン風な顔してるんだよね。もちろん、携帯電話で喋ってる風じゃない時もあって、でも、必ずなんかひとりごとをボソボソとそれもまた早口で喋ってるんだけど、なにか危害を加えるわけじゃないから、私も無防備にしてたある日。そのおっちゃんが私の目の前に直立して、ほんっと目の前に顔をつけ、こう言った。

「ちゃぁ〜んと生きろっーーー!!!」

なんか、よくわかんないけど…、当時はなんでこの人にそんな!っていうショッキングさの方が勝っていたけれど、最近はなんかことあるたびに、「ちゃんと生きろっ!」っていう質問とも叱咤とも激励ともつかない、その言葉が、竜子の中ですこし名言化しつつある今日この頃です。

すみません、またズレちゃいました!

「よい判断は経験より生まれる。経験は悪い判断より生まれる」
(不明)

「奇跡とは空を飛ぶことでも水面を歩くことでもなく、地面の上を歩くことである」
(中国のことわざ)

「夢の中では飛ぶことが出来る…。それは、わたしたちがいかに作られたかを表している」
(マデレーヌ・ラングレ「水の上を歩く」)←誰?

あらためて読むと、どの言葉も思いのほか記憶になんて残ってはいないものだ。それから、残念なことに、私はまだ、自分で飛ぶことを知らない。いつか、飛べる日が来たら、この本の大半の言葉の仲間入りが出来るのだと思う。つまり、飛ばないものにとっては、さらに空への憧れを強固なものにさせる言葉が多かったということ。

「空を飛ぶことで、くだらないことの束縛から精神が解放される」
(サン=テグジュペリ)

「言葉をしゃべる鳥はオウムしか知らない。オウムはあまり高く飛べない」
(ウィルバー・ライト)←ライト兄弟の兄

「浪漫飛行―大空を翔けた鳥人たちのことば」

くっそー! 飛びた〜〜〜い!
んじゃ!

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「THE PAPER AIRPLANE PILOT'S MANUAL」

お気に入りの1冊を紹介します。実は…同じものを3冊持っています。
わたしは、六本木のTSUTAYAで4,200円で購入しました。
が! が!!!! なんとAmazonでは、2,926円なのです! まさか、深夜料金だとかヒルズ価格ってことはないと思いますけど、洋書だから、Amazonは強いのでしょうね…。1270円以上の価格の開きってことは、もうちょっと足せば3冊分の金額で5冊も買えたわけです。
ま、でも。後悔はしてません。気に入ってますから。5冊も要りませんし!


Paper Pilot: The Paper Airplane Pilot’s Manual」Juliette Cezzar (著), Andy Spade (序論)

なぜ3冊なのかについて。

(1)閲覧用
(2)製作用
(3)なにかの機会に誰かへプレゼントできるようにとっておく用

ま、よくある話ですね。
というわけで、この本。工作できる本なのであ〜る!!!

まず、表紙をチェック! サイバーな雰囲気が好きな竜子にゃDAFT PUNKっぽいマスク姿も気になるところですが、なんといっても「THE PAPER AIRPLANE PILOT’S MANUAL」ですよ。この本を手に入れれば簡単にパイロットになれるわけですねぇ〜。いやぁ、安いっ! でもって手に入れたら、マニュアルを読みましょう。冒頭は苦手な英語なので読み飛ばします。すると、イラストで飛行機の構造の解説が出てきます。航空ファンの方ならご存知のことだと思いますので、わざわざ英語で読む必要はありません。ですが、イラストがクール。心が躍ります。

で、ペラペラと…エンジンの構造や紹介などもしつつ、やがて出てくるのは、昔の戦闘機や飛行艇などの概要と写真とイラスト。正面、上から、横からの見取り図、サイズ、定員、エンジンの数、生産台数、最大速度、コスト、最大離陸重量、航続距離、上昇限度…(あとは戦闘機向け概要なので省略させてください)、プロフィールもバッチリ。世界を舞台にしているので、零戦なんかも出てきますし、もちろんB-29やミグとか(すみません、申し訳ないくらいわかんないけど)ステルス爆撃機や戦闘機などなど。これらが概要と一緒に写真付きで掲載、しかも、その機体がこの紙で工作できちゃうんですよ〜。
ページ数にして36ページ分がなんと型紙(もちろん、塗装済み)!!! 24体もの飛行機が作れるのです。いっくらね、軍事の機体に興味がないってったって、見て学んで遊べる、この本にときめかない方がウソでしょ。言い過ぎた。でも、写真集として、デザインサンプル集として、必携の1冊ですね…。

PAPER AIRPLANE部分には、ミシン目がついてますので、切り抜くだけ。あとは解説通りにのりで貼付けて組み立てるだけです。プラモより簡単。とかいいつつ、まだ組み立てていない状態。これ組み立てたら紹介しようとおもいつつ、数ヶ月が過ぎました…。
パーツのくりぬき部分だけでなくて、ページ単位で切り取れるようにミシン線が入っているので、お知り合いのバースデーカードにしのばせるってのもアリかなぁ。竜子は、クリスマスツリーの飾りにするよ。「平和な世界が訪れますように」と。

あ、たぶんコレ、日本で作れないよ。半端じゃない制作費がかかってると思う。だから、買った金額はちょっと高かったけれど、コストパフォーマンス良し、と思ったわけで…(負け惜しみ?)。
雰囲気良し、スケールが大きい、日本にはなかなかないセンス、英語力必要なし、こんな洋書に出会うのが、本屋を歩く醍醐味です。

じゃ!

日曜日にデジカメ…コンデジ買っちゃった(いまだ持っていなかった)ので、調子に乗って誌面をパチリと。ピンぼけですみません…。

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Zero 中島飛行機でもライセンス生産された三菱重工の零戦
THE PAPER AIRPLANE PILOT'S MANUAL

F-15 Eagle MDの戦闘機 まるで卵のようにお腹にミサイルが!
             ↑失礼しました外部燃料タンクとのご指摘がありました。
THE PAPER AIRPLANE PILOT'S MANUAL

B-52 Stratofortress ジェットエンジンの大型戦略爆撃機
THE PAPER AIRPLANE PILOT'S MANUAL

木型模型の歴史的資料も…
THE PAPER AIRPLANE PILOT'S MANUAL

イラストもきれいで解説もわかりやすい
THE PAPER AIRPLANE PILOT'S MANUAL

ボリュームたっぷり。厚さにして2cmほどの束
THE PAPER AIRPLANE PILOT'S MANUAL

「マイナス・ゼロ」

こんちわ。常にノソっとしてる竜子です。
普段からぼけっとしてますが、5年くらい間にぼけっとどころか一瞬記憶喪失になったことがあります。時間にして30分くらいでしょうか。

この季節にありがちな「海に泳ぎに行こう!」とかいうお誘いは、マイ・プロポーションを考慮して、辞退申し上げてるんですが(ってゆーか、それを察してなのかそもそもそんなお誘いがないが)、それでも夏になれば、どうも潜在的には泳ぎたいみたいで、清流や湖なんかに涼みにいくと、その場で泳ぎたくなっちゃうんですよね。暑い日に水を見ると体が勝手に反応する、っていうか。そもそも泳ぎにいくわけじゃないから、水着なんて用意してないし、おまけに竜子にゃ理性の欠片も備わってないんでね、その場でドボンと。で、またそれが気持ちいい! 多少は人の目も気にしますがね。

で、4、5年前の8月の終わり頃に千葉の山奥にある養老渓谷に涼みにいったとき、こんな調子でドボン! と。ひとりでさんざん遊んで、一緒に行った友人のミチルはドボン、とはせず、退屈そうだったので、んじゃ帰ろか、って半ばあきれ気味のミチルを追って、水から出て岩場を歩いていたら、足がスベった。でもって頭に大きな電流が! そっから覚えてなくって、気づいたらヒグラシが鳴いててあたりはうっすら暗く…、半ベソのミチルが目の前にいた。竜子は頭がガンガンしつつ「ここどこ?」状態。でもって「わたしはだーれ?」とはならなかったけど、「いま、いつ?」って尋ねた。

…夏っぽいけど、今はいつなんだろう? あれ? おかしいな、なんだかなにも思い出せない…。ここはどこだろう? なんでここにいるんだろう? あれ、なんで今夏なわけ? どうしたんだ? おかしいな? 思い出せない…?

凄い不安で。でもそんなときも私はやっぱり笑っちゃうみたいで、「どうしよう!? 思い出せないよ、どうしよう」って言いながら爆笑してしまった。どうしよう、どうしよう、ってそればかり。それから出た言葉が「私は仕事やめた? まだやめてない?」と。その年の5月に前の職場を離れたんだけど、退職することは2月には決めていたので、だいたい半年くらい前までさかのぼっちゃったんだ。「やめたじゃない!」ってちょっと必死なミチル。ってことは…大丈夫だね、って、悲しいもので、こんなときにまず仕事先に連絡することを考えてしまった。

「マイナス・ゼロ」という小説の広瀬正さんのあとがきによると、広瀬さんも終戦の翌年の春に、記憶が失ったことがあるという。米兵にすれ違いざまにアッパーカットを喰らったとのこと。気がつくとあたりの様子がどうもおかしい。明かりがたくさん見えて、広瀬さん自身もハデな服を着ている。なぜ灯火管制をしていないのか、空襲があったらどうするんだろうか? 自分はどうしてゲートルを巻いて、防空服装をしていないのか。つまり、広瀬さんの場合は1年分の記憶を失ったのだ。その話をSF作家の友人にすると「過去の世界へ行ったんだね」という。けれど広瀬さんは「1年分の記憶を失った私は、主観的には<空襲中>の人間で、あたりを見渡すと<終戦後>にいたので驚いたのだ」と逆を思う。つまり、この瞬間<未来>の世界へ行った、と。その考え方を積み上げていくうちに「マイナス・ゼロ」のストーリーが出来上がったんだって。まぁ、過去に行こうが未来へ行こうが、竜子はそんなのどっちでもいいけど、凄く気に入ったこのSF小説、「マイナス・ゼロ」を紹介します。


「マイナス・ゼロ」(集英社文庫・広瀬正小説全集 1)/広瀬 正

昭和20年5月、空襲を受けて燃える家で亡くなってしまった隣家のせんせい。そのせんせいが最後に残した言葉「18年後の同じ日にこの場所に来てほしい」、この約束を守って、社会人になった俊夫は既に住む人の変わった旧せんせい宅を訪ねる。そこの住人は物わかりのいいおじさんで、夜更けにも関わらず俊夫の希望通り、せんせいとの約束の場所を貸してくれる。俊夫は誰が来るのか、なにが起きるのかといろんな想像を立てながら、時間を過ごすのだが、やがて、もんぺ姿の女の人が目の前に現れる。18年前、せんせいが俊夫にお願いしたのは、自分が作ったタイムマシンに、愛娘を避難させたからだった。
せんせいの残したノートを解読しながら、あぁでもない、こうでもない、とやっているうちに、俊夫はタイムマシンで昭和7年に飛んでしまう。そしてタイムマシンはそのまま消えてしまうのだ。

まぁ、こんなのは序の口で、物語はときに想像通り、ときに意外な方向へ転回しながら、展開するのだけど、その物語自体の仕掛けもさることながら、その時代その時代の描き方が秀逸。時代ごとの古き良き日本が、過激でなく、せつなくもなく、なんともいえないあたたかい雰囲気で味わえるのだ。登場人物の話し方しかり、街並の描写やその時代のニュースしかり。戦争の時代だって、悲惨さが描かれていないのに緊迫感は感じ、昭和38年のはつらつとした都会の情景が目に浮かび、昭和7年以降は、人の心も深く、豊かに表現されていんだなぁ〜。しかもね、その時代の描写がさりげない。タイムマシンで知らない時代に行ってしまったのだから、目に映る光景が新鮮なのはあたりまえなんだけど、それらがさりげなく織り込まれているから、私までタイムスリップした気分になれるんだ。たとえば、空を飛ぶ小型飛行機。昭和7年といえば、このまえも「報知号」の件(こっちは昭和6年だけど)で話題になったけれど、そんな話を思い浮かべながら、この時代の人になって空を見上げることができる。空を飛ぶ乗り物ってのが、どんなに不思議だっただろう、って。

俊夫が大阪へ行く、というシーンがあるのだけど、思い立って飛行機で行くことにする。羽田国際飛行場へ行くと、名前は立派だけどまだ建設中で、野原の真ん中にコンクリの滑走路が1本。見るも殺風景な空港だったことが想像できる。東京・大阪・福岡・京城(ソウル)・大連を結んでいたものの、京城も大連も当時は日本の統治下だったのでまだまだ「国際」とはいえないウソ表記だと(笑) 乗るのは6人乗りのフォッカー・スーパーユニバーサルだ。中島飛行機のライセンス生産モノだ。俊夫は、外国人の老夫婦と軍服の海軍中佐と華族の紳士と、伊丹飛行場へ向けて飛び立つ。この時代に飛行機で飛ぶことがどれだけスリリングだったかを思うと…。この作家さんの、飛行機のシーンが満載の小説をもっと読んでみたかったです(もう亡くなられているそうなので)。

タイムマシンがでてくるから、一応「SF」というジャンルになるらしいのですが、なんかね、そう感じさせないんですよ。もちろんいい意味で。結末は驚きの展開。というか結末だけじゃなくてこの小説の時の流れも驚きだ。この物語にはいっぱい仕掛けがされているんだけど、仕掛け、と感じさせないというのかな。派手さはなんにもないんだけど、読み終わってみて、ちゃんと読みごたえを感じさせる小説。
この広瀬正さん、はじめて知りましたが、7月末から6ヶ月連続で復刊していくらしいのですが、しばらくハマりそうだ。

さてさて。ほんのしばらくの間の出来事だったけど、記憶をなくす、ってのはそれはそれはほんとうに恐ろしい体験でした。念のため次の日に病院へ行ったけど、なんともなかった。ただ、その病院はヤブ医者と言われてるので、もしかしたら竜子の恐るべき記憶力の悪さは、この日からかもしれない、と本気で思っています。

じゃ。

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「small planet」

竜子はレディだ。だからギャンブルは好きじゃない(でも麻雀はギャンブルではないのだ!)。パチンコやスロット、競馬に競輪、もってのほかだ。

だけどこのまえ…ななななんと、生まれてはじめての競馬を経験した! 大井競馬場…トゥインクルレースってヤツだ。課の暑気払いで。暑気払いで競馬をセレクトした諸先輩方の感性ってのも驚きだけど、10:00出社の会社で(っていってもみんなが揃うのはたいてい11:00直前…)11:00〜13:00まで会議して、終わったら即行で14:30頃まで昼食に出掛け、1時間半ばかり仕事して…「ハイ出発!」と号令をかける課長の感性にも驚きだ(もちろん、普段からそんなテキトーなわけじゃないし、他の課の手前もあるのでホワイトボードには「大井競馬場」ではなくって、全員「大井町:NR」と微妙な嘘をつく)。

品川から無料バスが出てるとかいう意見を「ガラが悪いからイヤです」、じゃぁタクシーってのは「贅沢すぎます」とかなんとかキッパリと放ち、単に自分がモノレールに乗りたいだけで、浜松町経由で大井競馬場まで。ん〜。モノレールのときめきってほんとうに素晴らしい! これから飛行機に乗るわけじゃないのに、凄い旅行気分になってしまってモノレールを降りて、大井競馬場のゲートをくぐった途端、一瞬にして異国の土地に降りたかのような…、マカオのドッグレース場にでも訪れた気分になったんだ。やっぱりこの選択は間違ってなかった!

パドックを通って近代的なガラスの建物と、市場のように古びた建物を抜けるとそこがコース…、いや、ちがう! 飛行機が見れる絶景スポットだったのだ!!! おもわず「おぉぉぉぉ!」と声が出ちゃったよ! 場所柄、あたりまえっちゃぁ、あたりまえなんだけど、ちょっと意外だったんで。平日の、まだ明るいうちからこんな距離で飛行機が見れるなんて…。双眼鏡を持っていって良かったぁ!

チラッと馬主フロアだの、いわゆる馬券と怒号が飛び交う席だの、予想屋さんだのを見学をした後、食事をしながら観戦できる場所(要予約…平日なのに超満席!)に移ったんだけど、そこはクーラも効いていい場所…というか異空間だった。数十分おきにレースが行われるんだけど、その都度同じフロアで飲み食いしている人の大歓声。竜子たちはいちばん前の列のシートをいくつか並べて座ってたんだけど、盛り上がってる最中にふと周りを見渡すと、何百人もの人がその同じフロアで、同じタイミングで、みんなが同じものを目で追い、同じように頭が動いて、同じような感嘆をする…、そっちの方が大迫力のすごく面白い光景だった。しかもみんな同じような服を着て(ってゆーか、スーツの人が多かったんだけど)、みんなド笑顔だった。賭博って凄いね。

シートには投票券と。それからパドックと他の地方競馬の様子が好きなように切り替えられるモニターがもれなく置いてあって、真後ろの機械でいつでも誰でもすぐに投票&換金出来るようになっている。30分くらいおきにレースが開催されるので、その都度予想してたんじゃゆっくり食事も出来ないので、いちばん簡単に予想できそうな「単勝」っていうヤツを500円もする予想新聞の通りに、最終レースまでまとめ買いして(新聞は自分では買わずに見せてもらったもので済ました)、わたしは思う存分双眼鏡で飛行機を眺めてた。

大井競馬場のトゥインクルレース

この「単勝」ってのは1着を当てたらいい、っていうシンプルなヤツなんだけど、竜子は見事にすべてのレースを外した。ちゃんとパドックに馬を観に行く人、当たったかどうか言わないけど、いろんな馬の賭け方を駆使して(枠というの? だっけ?)堅実にプラスにしてた人、「記念買い」とかいって、すべての馬を買った人(外れることがない)、ここぞってトコで多めに賭けて、見事に当てて最終レースをせずに帰宅した課長(勝ち逃げ)などなど。次の日、「みんなそれぞれ賭け方に性格があらわれるよね」とかなんとか、それぞれが納得してたけど、すべてのレースを外した私はどう納得したらいいのかいまだ解せない。
ま、おかげさまでハマることはなさそうだ。

ひとつ、写真集を紹介しときます。そらの本ではなく、そらから見た本。滅多に写真集は買わないんだけど、そんなこんなの競馬場が表紙になっています。

「small planet」本城 直季

この人の写真、とてもトリッキー。どういうわけだか、実際にあるはずの景色がジオラマにみえるんだ。よくみると色味とかピントとか、ぼかし加減とかそんなテクニックがあるんだけど、それがどういうわけでジオラマに見えるのかまるでわからない。ビルからとか、おそらく一部は空撮で撮影してるんだけど、よくさ、空港から離陸した直後に飛行機の窓から景色を眺めるでしょ、そのときに人や景色がミニチュアに見える瞬間ってあるけれど、その瞬間ばかりを切り抜いている。それもね、単にミニチュアに見えるだけじゃないよ、ジオラマに見えるんだよ。ほんとうにある、知ってるような景色なのに、ぜんっぜん自然じゃないの。作り物っぽいの。色も形も存在も、まるで「作りもののおもちゃ」を並べたみたいに!
どう例えたらいいかわかんないけど、たとえば、本物の寿司を撮影した写真のはずなのに、その写真はまるでロウやビニールで出来たような寿司のサンプルに見える、っていうのかなぁ。美味しそうに見えないけど「な、なんでこんな風になるの?」っていう驚き。

飛行機に乗って、「人がちいちゃい! 車がミニチュア!」そんな感動が、もっとハッキリと、クッキリと、そして頭を「?」にさせてしまう景色が目の前にあらわれてしまう写真集なのです。はじめて見たとき、けっこうショッキングでした。ほんと不思議なので、暇なときにでも本屋さんで立ち読みしてみてください。

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航空小説

あのー! ちょっとひとこと!!
(国会の…「議長、ちょっとひとこと!」風に手をあげて by辻本清美)

竜子がここんとこミステリーとか、航空小説に興味を持ち出したのは、ある日突然、ひょっこり航空小説が送られてきたからだ。

いままで読んだことないジャンルの小説(そもそも航空小説なんて読んだことがなかった!)だったので、はじめはどうやって読んだらいいのかよくわかんなかったけど、みるみるうちにのめり込んでしまったんだ! よく情報誌でみるようなフレーズが、どんな風に交わされるのか生き生きと伝わってきて、私のところに送ってくれるということは、その作家さんも同じように飛行機ファンであろう方だということで、当然マニア心をくすぐるシーンの連続で…心が奪われてしまった。

日頃キャッチしてきた飛行機の情報や航空用語(っていうの?)、ビジュアルが、想像力を手助けする道具となって、一気につながって鮮やかな映像に変わる、それが楽しくなっちゃって「航空小説」にハマったのだ!
無駄に情報をたくわえてきたわけじゃない! こういう妄想でこそ役立つ代物だったんだ〜! という感動。ただのマニア知識にすぎなかったことが想像力となって躍動する瞬間。想像力が身を助けるって茂木健一郎さんもクオリアの本で言ってたよ?

ち、ちなみに…。
竜子が受け取った航空小説っていうのは…。これから連載していく航空小説っていうのはね。

恐れ多くも!
このブログのために用意されたオリジナル航空小説だっ!
(やっぱりコレを言うのは、オドオドしてしまいます)

もっかい、書いちゃいます。
ある作家さんがこのブログのために書き下ろされたオリジナルの航空小説だっ!

どーだ!

もったいないので、今日は出さないから!
んじゃ!

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「天空の蜂」


「天空の蜂」(講談社文庫)/東野 圭吾

面白かった。

すべては、錦重工業で開発された超大型ヘリコプター「BIG B」のお披露目の日の数時間の出来事である。フライバイワイヤー方式、自動離陸などなどを取り入れ、防衛庁と錦重工業が威信をかけた最新技術満載のヘリコプターが、無人のまま飛び立ってしまう。それも、開発に携わった人の息子を乗せたまま、なにものかに乗っ取られてしまうのだ。そのヘリコプターが向かう先は、敦賀にある高速増殖原型炉「新陽」である。高速増殖原型炉、という部分だけ聞いたなら、竜子なんかはすぐにはなんのことかわかんないけど、いわゆる原子炉だ。ヘリコプターにはダイナマイトが仕掛けられ、燃料が切れるまでに脅迫者の要求に従わないと、「新陽」に墜落するという。その上空をホバリングするヘリコプターから、いかにして息子を救い出し、原子炉に「BIG B」を落とさないようにするかという、数時間だ。脅迫者の要求は、「新陽」以外の稼働中の原発をすべて使用不能にすること、建設中の原発の計画の中止、この作業をテレビ中継すること。

ちょっと、ギョっとするかもしれないよね。空の小説かと思いきや、原子炉かって。おもっ、って。他の問題ほどじゃないかもしんないけど、なんかタブーっぽいし。けれど、この話は数時間の出来事に絞ってるからなのかもしれないけれど、そんなスケールの大きな話ではない。だから大丈夫。しかもね、この東野圭吾って腕っ節がいいんだろうね。最初はこのヘリの開発ネタが多かったので、安心して乗り込んじゃった。

1/3くらいにさしかかるまで、この脅迫主が誰なかのか、そして主人公が誰なのかすらわからないけれど、わりと早いうちにそれがハッキリとする。それまではこの機体の開発のはなし(ちょとプロジェクトX風だ!)、でもって脅迫がニュースとなり、官庁、企業、報道機関、評論家、世論の反応ばかりだ。でもってそれがテンポあって、まるで映画のようにシーンごとに絵が浮かぶ。世論やそのときの人の生活も書かれているけれど、それが面白い。どれってことはない。そのどれもが「あるある」なんだ。「世論」について、サバサバしてるけど、そのサバサバした感じがいかにも「世論」なわけで。ニュースになっても誰が大きく騒ぐってわけではない。

この脅迫者にとっても子供が乗り合わせていることは想定外で、子供もろとも「新陽」に墜落させてしまっては、脅迫者の目的が達成されないので、子供を救出させる提案をするのだけど、そうなると世論のいくつかは犯人はちょっとカッコいいのでは、と共感されたりする。この脅迫によって電気消費量を少なくするためにデパートの冷房が弱くなっても、この小説の通りやはり買い物に夢中な人たちはそんなに気にならないし、私はいま、この小説のことを涼しい部屋で、テクノをガンガン流しながら書いているんだ。

後半に入ってはじめて、この脅迫者の人となりやその周りの環境などディティールがグッと盛り込まれていき、この話が鮮やか変化する。ホント見事。にそのせいか、いつの間にかこの脅迫者目線になっちゃった。おいおい、どーいうことだ? 一応、ミステリーってジャンルらしいので、脅迫者の目的はヒミツ(にしても、このミステリーとか、そういうカテゴリを明確に定義してほしいものだ!)。

この本を読み終わっても原子炉がどういう構造で、どんな風に運用されているのか、思い出せない。自分が残念だけど、そんなもんなんだ。地方にいくつもある原子炉でどのように人が働いているのか、都内じゃなくって、地方にあることとか原子炉が必要なものなのか、そうじゃないのか、それがなんでなのか…ちょっと、ほんのちょっとだけ想った。でもね、ドッと疲れが残るほど考えさせられるような小説ではない。それは小説だから。ただ、何ともいい難い確かな感覚は残る。冷房ついた部屋でね。

飛行機や空って、あらゆる方向に行くねぇ。
それにしても東野圭吾さんって職人じゃないかっ?

↓「そうだ、東野圭吾って職人だ」って思う人は

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