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「パイロットが空から学んだ運と縁の法則」など坂井優基さんの本

「鬼門」という言葉があるけど、私にとっての鬼門は六本木ヒルズの、ある特定の場所にある。その場所ではことごとくツイていないし、そこへ向かうとそこで起きた悪いことを必ず思い出す。そもそもテンションが高すぎる六本木という街が好きじゃないし、なんだかパワーが吸い取られる気がして気が乗らないのだけど、その特定の場所がどうもそれを象徴している。その場所とは、なんのヘンテツもないただの道。なにか特別なものがあるわけじゃない。そして、その場所もそんな私の気持ちを察しているようで、やっぱり私のことが大嫌いだったようだ! いろんな不運に見舞われたので竜子はその場所を嫌っていたが、その道のヤツはもっと昔から私を憎んでいるようだ。もしかしたら、もうあそこには行ったらいけないのかもしれない。
今日は平日にも関わらず、事情があって車で会社へ行ったのだけど、深夜にそのヒルズの鬼門ピンポイントの場所でおよそ5分足らず。ササッと用を終えて出てくると、車がない…。レッカー移動されたのだ。呆気にとられた。運転免許をとって10年。結構頻繁に車には乗っている方だけど、維持していたゴールドが剥奪される羽目となった。まぁ、仕方がない。しかし5分足らず。たった5分たらずだ。鬼門なのになんでそこへ行ったか? スタバでラッテを買うために。チッ、くだらない理由。近くに住んでるマキちゃんに電話して麻布署の場所を尋ね、そこへ向かうとなんと人、人、人の行列。そして3分で運ばれていた。なんかの間違いだと思いたいけど、3分だろうと1分だろうと、人がいなけりゃ持っていくらしい。無駄な抵抗はあきらめるより仕方がない。豆をひいてもらって、ラテを作ってもらって5分…(涙) いや、3分だろう? しかも、収監された車は六本木ヒルズの地下駐車場に保管されてるので、ヒルズの駐車料金が加算される。ずーっとハザードを点滅させながら私のお迎えを待っていたマイカーが今日はとってもいとおしくみえた。

当然のなりゆきで会ったマキちゃんは車に乗り込むとすぐに「3万円のラッテ飲ませてー」「やっぱり美味しいね、3万円のラッテ」くどくど言う。笑うしかない。数年ぶりにふたりでファミレスへ行って、スープだのフルーツだの。マキちゃんは、アレ食べたら? コレ食べたら? コレも食べようよ、とお腹いっぱいごちそうしてくれた。乃木坂のデニーズだけど、デニーズ(ファミレス)ってどこの土地でも、同じメニュー、味なだけでなく、全く同じつくりなのはある意味凄い。内装も外観も階段もお手洗いもすべてがきもちわるいほど同じ。10年以上前になけなしの金で朝まであれこれしゃべってるのとなにひとつ変わらない。

毎日お仏壇に手を合せているのにも関わらず、ツキも運もない私。それでも信じたい「運と縁の法則」を紹介します。


「パイロットが空から学んだ運と縁の法則」/坂井 優基

引退された方も、現役パイロットの方でも、執筆されているパイロットの方は結構多い。そのなかでもこの坂井優基さんは、好きな著者さんのひとりだ。
<いちばん大切なことは「見えない」ものにある。>
この本のオビにはどこかで見たことあるセリフ、ってゆーか「星の王子さま」の文言…。非常事態の訓練に的確な気象の判断と、出来る限りの「偶然」を排除し、運に頼らない訓練を重ね「パイロットの世界と運とはいちばん遠いように見える」という坂井優基さんが、それでも、どうしても人間の能力で及ばない部分が出てくる、との観点から「それならいっそのこと運について勉強して、運を味方につけてしまおう」と研究され「法則」としてまとめたものです。

●運を育てる7つのタネ(運と命、因果、因縁、縁起、波、人、思いのタネ)
●運と縁の法則33

書いてあることはいたってあたりまえのことなかりだ。たとえば「ふつうであることはありがたい」「失敗は成功の母」「すべては波、下がったものは上がる」「出会いの場に参加しよう」「好き嫌いで決めよう」「他人の望みを望んではいけない」…。

今に限ったことではないけれど、本屋に行くと、吐き気をもよおすくらい自己啓発書が置いてある。昔は自然や宇宙、神、など自分の内面の自己啓発書が多かったように思うけれど、最近はビジネスマインドの自己啓発書が多い。この本も、そんなビジネス書の自己啓発コーナーにおいてあったりする。だからといっては短絡的だけど、正直なところ全く期待していない本だったし、読んだ直後も、まぁ、あたりまえのことを書いてる本だな、程度の感想しか持たなかった。それは、ひとつの法則について、どういう理由でそう思うのかの説明が足らないと思ったのと、その法則の項目については頷けるけど取り上げる例が身近ではないのでなんかそれほどピンとこなかったのと。だけど、1週間もすると読んだことが頭の片隅に残ってたりして、しばらくすると、自分のことと重ね合わせたりして、心がその通り動いたりする。そして、私はちょくちょく心がやさぐれるのだけど、そんなときに読み返すと、自浄されるのだ。ちなみにこの本はパイロットのネタは少ない。

あたりまえだとわかっていてもなかなか出来ないこともある。例えば「見知らぬ人のお世話をしよう」というのがある。仕事や勉強、恋愛で悩んだときは自分のことばかりを考えていると思考がどんどん偏って、悪いときには悪い思考にしかならず、夜も寝られなくなる。その解決法は自分ことを考えるのをやめること。そうはいってもなかなか出来ないから、人の世話をしよう、ということだ。そうすれば人に感謝され、心に灯がともり、悪い考えから解き放たれる。うん、そうだなと思えるけど、実際に行動できるかどうかは個人の資質だ。

おそらく、こういう運や縁について書かれた本は山のように刊行されているけれど、ひねくれた言い方をすると、自分が誰に言われると素直に素直に耳を傾けるのかってことが重要だ。坂井優基さんは、現役のジャンボのパイロットなので、飛行機好きの竜子だから「そっかー」なんて思えるのかもしれない。それから、自分が思い切り疲れているときは身に滲みる。ほんとうに幸せな時はそういう説法はあんまりありがたく受け入れられない。どっちがいいのかよくわかんないけど、幸せなときでも運や縁、人のありがたみを感じられる人こそがもっともっと幸せになれるのかもしれない。でもそれは一般論で、そんなデキたひとでもなかなか運や縁には恵まれない人も結構いる。んーーーーーーーーーーーーーー。わからん。

とりあえずわたしは今日もお仏壇のご先祖様に向かって手を合わせ、無事に家に帰ってきたことを「ありがとうございました」というだろう。お仏壇にはありがとうをいうだけで、お願いごとをしちゃいけないって、悪名高い占い師が言ってたけど、私もそう思う。

ちなみに、坂井優基さんは無宗教(わたしも)。それからこの他いくつも著作がありますが(折りをみてすべて紹介していきます)、「超」努力家です。特に「現役ジャンボ機長が編み出した 超音速勉強法」では、ご自身がどのように工夫して膨大な勉強量をこなしたのかが克明に、かつパイロットへ向けてだけでなく、広く活用できるように紹介しています。「勉強法」として日常にどのように取り入れるのか、たとえば、左足でラダーペダルを緻密に踏み込めるように、普段からAT車で左足でブレーキ、右足でアクセルを踏むようにしたり、道行く車のナンバープレートを見て瞬時に計算できるようにするゲームを実践したり、電車に乗れば中吊り広告を通して視界を広くする努力をする、と、日常の些細なことをも訓練、勉強に変えてしまう、決して運に頼るパイロットでないのは確かです。


「現役ジャンボ機長が編み出した 超音速勉強法」/坂井 優基

それから、この「現役ジャンボ機長が編み出した 超音速勉強法」でも紹介していた、ご自身で編み出した英語のトレーニング法は、「英語超音速トレーニングブック(リスニング編)」となって刊行されている。ネイティブ英語をテープレコーダーに録音して、再生速度を2倍の長さににしてハッキリと聞き取る(MP3以前では、SONYあたりのテレコなら、再生速度を変えても、音の高さは変わらなかったのだそう)。そして徐々にスピードを上げて、通常のスピードでも正確に聞き取る訓練を「勉強法」とし確立されています。リスニング能力を高めるためのものなので、大部分を占める英語フレーズの例文が、(竜子にとっては)やや実用的でないのですが。努力と勉強を怠らない上、勉強法としてまとめるのが凄い。他の本と読み合わせると、いかに涙ぐましい努力の結果なのかがわかる。


「英語超音速トレーニングブック」〈CD付〉/坂井 優基

パイロットでありながらその職業にまつわることだけでなく、それ以外のテーマでなにかを書ける著者さんは案外少ない。
全てコンプリートしてますよ!

■坂井優基さんのサイト
http://www.sakaiyuuki.com/

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「ショート・トリップ」

ここのところ、なにかがおかしい。
昨晩は椅子で寝てしまったかと思ったら、ガッシャン!という衝撃で目を覚ましたら、椅子ごと仰向けに倒れていた。おまけに椅子の後ろに置いていた食器が割れていた。私の椅子は、何本も足があって倒れるようなつくりではないのだけど。
それから今日は、なんだかストンと気分が落ちて、まぁ仕事中に居眠りをしてしまったのだけど、「プルルル」と電話の音。「はい、××社です」と言いながら気づいた。寝言を言ってしまった、と。

そういえば、しばらくベッドで寝てないや。まぁ、要は時間に追われてた、というやつだ。まぁ、それをいえるのも、ようやく先が見えてきたからだ。今日からは毎日お風呂に入って、毎日天国のような布団で寝る。

そんなわけで、通勤時間に読む本といえばショートストーリーだ。なかなか長編を読む気になれない。もしその長編が面白かった時には最悪の事態を招く。仕事の進行そっちのけで続きを読まずにはいられなくなってしまう。そうすると、仕事という地獄はいつまでも続くことになる。時間の配分が出来ない性分なだけだけど。

それで、長いこと読んでいなかったショートストーリー系の単行本を持ち出してみた。めくってみると、飛行機や星空やらの挿絵がたくさんあったりして「旅」がテーマの本だ。これなら空へトリップできそうだと期待して。


「ショート・トリップ」(理論社)/森 絵都

で…なにこれ。くだらないよ。くだらなすぎて笑っちゃうよ。ほんとうに笑っちゃう。
この本装丁が凄くいい。白いカバーを外すと、紺のベルベット調の布巻きの製本で、赤い紐(しおり)。おまけに金の箔押しで乱暴なロケットの絵がワンポイント。オビには、売る気があるのかないのか、

「どこまで行ける? どこまでも行こう!
「カラフル」の森絵都がおくる、<旅>をめぐる超短編40」

とだけある。「カラフル」のって、それ有名なんだ…。とはじめて知った。しかも森絵都って知らない…。有名なのかもしれないけど、私は知らない。知ってたこともあるかもしれないから、この本が私の本棚にあったのかもしれないけど、誰にも負けないくらい物忘れがひどいので、覚えていない。「知らないというのは幸せなことだ」と自負している。でも、たぶん表紙がロケットだったから買った。このテキトーさのおかげでホントなにも考えずに、久しぶりに、読み進めるだけで笑える、というあたりまえだけどあたりまえじゃない、そういうストーリーに出会えた。

まず、はじめの一片でかなりおかしい。
砂漠の炎天下をさまよい歩く少年。最後の水が尽きてから何日か経ち、感覚の麻痺した足を引きづりながら悲観にくれ、旅にでたことを後悔する。さいご死を意識し、息絶えようとしていた瞬間、少年の目の前に動物と老人があらわれる。瀕死の少年に、老人は意気揚々という。
「一頭だけじゃ。どれを旅の共とする?」
金の斧、銀の斧よろしく、少年は生への渇望を取り戻し、喉を潤すために「う…牛を」と老人に乞うのだが、老人は牛を選んだ少年に説法をするだけしてどっかに去っていってしまう。しばらくは放心していた少年に、不思議なエネルギーがわき起こり、再び歩き出す前に少年はチッ、と生まれてはじめての舌打ちをした。

はい、コレで終わり。
ショートストーリーながらこの少年の哀れさといったらない。この少年はどうなるんだろうと引きずり込んでおいて、最後はチッ、って! 舌打ちかよ! おもわず、前のページも後ろのページもペラペラ見返しちゃったよ。自分が惚けたのかと思って。結局してやられた、ってこと。笑うしかないよ。40の短編、すべてこんな調子だ。意味が分かんないったらありゃしない! 読者をおちょくってるのかもしれないけど、おそらくこの人、こんなくだらなくってアホくさいことを真面目に書いてるんだと思う。こういう意味の分かんない作品をよく「シュール」だなんていうけれど、シュールとかいうより、いたって真面目に、人をおちょくってるんだと思う。でも許す。たまにはおちょくられたい時だってあるから。

手軽に読めておもしろい。1,300円。コストパフォーマンス高し。
でもひとつ文句言いたいのは、ロケットの絵でありながら空の話が全くでてこなかった。そんな本を紹介するのはどうかと思うけど、作者のあとがきの言葉を借りれば、「ふだん忙しい日々を送っていたり、ひまだけどお金がなかったり、飛行機がこわかったり〜云々…で旅から遠ざかってる方々に少しでも異国の見知ぬ土地の匂いをお届けすることが出来たら〜」ということですので。私は好きだな。

以上。

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「瑠璃の翼」


「瑠璃の翼」(文春文庫)/山之口 洋

あぁぁぁ!! この本はくやしい!

まず、裏表紙のコピーを借りながら概要を説明すると、
昭和14年、日ソ両軍が激突したノモンハン事件。戦力的に劣りながらも制空権を渡すことなく凄惨な地上戦を援護した「稲妻戦隊」の指揮官と飛行機乗りたちが、その志を貫いて戦い、生きた男たちを描く長編小説。

なにがくやしいって、竜子の頭が悪いばかりに、この史実を描くスピードについていけなかったのだ!! 今思えば恥ずかしいことに、もっと読めるだろうとたかをくくっていた。徳川好敏や日野熊蔵(おっと、最初はココをうまくスルー)がチラッと出てきたと思って、ガッツリと私のハートが掴まれた! 前半はペースもこんなものかと、面白そうだ!と思ったのも確か。だけど進めば進むほど、とにかくスピードが速くて速くて、ついてくのに必死。人物描写にしても史実についても、とにかく突っ走っていく。それでも、いつかは追いつくかも! と思って竜子は全力疾走で追いかけるんだけど、息を切らしながら頑張って追いついた! と思ったにも関わらず、相手は休むことなく最後までゴールを決めやがった! ラスト、一緒に走り竜子はとぼとぼ歩きながらと考える。そもそも水分補給をせずに走ってしまったこと、柔軟体操をしないで試合に臨んだこと、コースの状態を調べずにただただ走ったこと、それがそもそもの間違いだったんだ!と。「お嬢ちゃん、まだ手を出すには早いぜ」という声が聞こえたようで、トラウマになりそうだよ…。

これを映像にするとNHKの「その時歴史が動いた」だ。ココで描かれているのは、そういう歴史ドキュメンタリーでの再現ドラマ。でも、もちろんテレビのようにマス向けじゃないから、わたしごときは最初から最後まで身近に感じられないまま終わっちゃった…。それに、再現ドラマっぽいノリだから、史実に基づいたことも多くて、その歴史背景なども多く盛り込まれている分、主人公とか登場人物に、にわかに感動できる。ちなみに…(飛行機ダイスキな竜子にとって)「出てきた!」と思えるのは、徳川好敏の人柄を感じるエピソード(セリフ)だ。別の人ならもっと別の人に思い入れを抱くのだと思う。人をくまなく紹介しているので「新撰組で誰が好き?」みたいに、この本は「飛行士版・タイプ別人物カタログ」っぽく使うことだってできるはず。それから、飛行機好きの人なら知ってると思うけど(竜子はかじる程度しか知らないけど)、徳川好敏や日野熊蔵のことだってしっかりと盛り込まれている。なんというか、いろんな本で得た情報がつながる。

私の母がたの祖母は、青島で少女時代を過ごした。満鉄に勤めるお父さんとお母さん、兄弟と。その祖母が「あの頃の中国(青島)は日本よりも文化的で、お手洗いは水洗だったんだ」「土地の人もいい人ばかりだった」と言っていた。それから「修学旅行は大連で、そこはとても華やかだったこと」、「祖母の末妹は、引き揚げ船の中で生まれたんだ」と、身近な人の昔話はこの程度の話しか知らない。だけどそれらの話は、まるで小説に見る歴史の一部でしかなく、私はもっともっと混沌としてたであろう歴史の話にとても興味がある。実際にその祖母も、引き揚げ後にはそんな歴史の壊乱の中で野心的に生き抜き、バブルというある意味幸せな時代を謳歌し、大きなうねりのあった現代日本を一周した頃、時代と共に亡くなっていった。私はそんな祖母にとてもかわいがられたにも関わらず、なんでその時の話をもっと聞き出さなかったのだろうと、後悔している。この時代に生まれた女性にしては、はつらつとしすぎるほど活動的で、身勝手で、とてつもなく個性的だった祖母が大好きだったからだ。この小説にも、そんな大連や青島の話が出てきたけれど、その後悔がこの時代への好奇心にもつながっている理由から、なかなか情景が広がらないことにやきもきしたのだ。

数年前に大連に行こうと日本を出国し上空を何度か旋回たものの、ダイバートのため(これはこれで幸せ!)、大連に降り立つことが出来なかった。そこで翌年、青島へ行ったのだけど、青島の租借地は小高い丘にあってプラタナスの街道と洋館が建ち並び、とてもステキだった。行ったときは冬。とにかく寒くて、街を行き交う人の呼吸が白く吐き出しているのを、遠くからでも確認できたけれど、そんな情景を見ながら当時はどんなだっただろうと恋焦がれた。

たとえばこの本にも、その街にドイツと日本が関わったことへのいきさつ、あるいはそこでの土地の人や日本人の生活の息づかいなどをもうちょっと伺えれば、きっと私はこの本の中の時代にタイムスリップできた。そういうのをこの本に求めることは違うのだとも思うけれど、そんなささいなことで、息を切らしてしまったんだ。

膨大な資料を、おそらくは忠実にまとめているんだけれど、その量が膨大すぎて、予備知識がない頭ではついていけないのだ! もっと多く深く引っかかる場所があったなら、竜子の頭に点在する戦中の話が線で結ばれ、この1冊で一気に情報の質が上がったはずなのだ! いくら竜子の頭が悪いっていっても、あと20年とか30年もすればもう少しいろんな事を知れて、この本だってもっと面白く読めたはずなんだ! 将来、もっと楽しく読んでやる!!

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「空の中」


空の中 (角川文庫)/有川 浩

2005年4月の新聞に「国産輸送機開発プロジェクト」が発足した旨経産省から発表されたことが記事になる。YS-11以来の大規模な民間航空機開発計画とされ、定員8〜12人の超音速ビジネスジェット。開発には出資したMHI、KHI、FHI、IHI、各社の技術者があたる。

………いいね、いいねぇ〜。MRJのようなホンダジェットのような…。だいぶ端折っちゃったけど、こんな出だしではじまるんだけど、飛行機好きなら面白そうな気がしちゃうじゃないの! しかも裏表紙には「すべての本読みが胸躍らせる、未曾有のスペクタクルエンタテインメント!!」ときたっ!

「スワローテイル」の愛称で呼ばれるこの試験機、MHI小牧南工場から隣接の名古屋空港に運び込まれ、四国沖の自衛隊演習空域で試験飛行をする。が…高度2万メートルに到達したと同時に突然の爆発炎上。
しばらく経って、岐阜基地から飛び立った航空自衛隊のF15演習機が、四国沖で高度1万メートルから2万メールの急上昇の演習中に、爆発。

事故機を操縦していた自衛隊員の息子と、その幼なじみは高知の海で巨大で不気味な生き物を拾って育てる。その息子と、もう一方の爆発したスワローテイルの機長の娘とが交差しながら物語はすすんでいく。

高知の青年と少女のかけあいがなかなか面白い。それに調子をよくして読みすすめてくと、自衛隊の大人たちのやり取りがなんだか、急にセリフ臭くなってきて、これってなんだろう? そこだけテレビドラマっていうか、映画っていうか、戦隊モノのテレビドラマっていうか、アニメなのか…。ノッてた感覚がストンと落ちて頭が「?」になる。で、またしばらく読んでると、高知の場面が面白い。高知弁や少女の描写とかがはつらつとしていて、それが高知出身の男まさりの友だちと重なったりして、ストーリー+αの楽しみが出てくる。けれど、またまたストンと落ちる。その部分というのは、美人でやり手の女性の自衛隊員の性格が、セリフが、とにかく人物設定のすべてがアキバ系のノリなもんだから、このペースになかなかうまく乗れなくって、けっこう努力がいった。なんだろう、その部分だけ急にアニメになっちゃって、過剰に嘘くさい。

このふたつの事故は、ある知的生物が介在することによって起きてしまったのだけど、それが、その姿がなんというか…かんたんに想像できる。できたのは、CGでつくったクラゲ。でもって、「あのCGはないよね」なんて言われちゃいそうな、いかにも「ぼく、CGです!」と主張する…映画に出てきそうなCGの。これって、なんでこんなにかんたんなんだろう? ってちょっと不思議だったんだけど、理由がわかった。なんか角川映画っぽいんだよ。角川映画っていってもね、「セーラー服と機関銃」だとか、「時をかける少女」とかじゃないよ。安達祐実の「REX 恐竜物語」。世の中もバブルで、角川春樹が覚醒剤で捕まっちゃった時の映画。アレをすごく思い出させるの。「恐竜だ!」じゃなくって「わぁぁぁ、CGだぁ!!」って。
不思議だー。イラストとか入ってないのに。でもってもっとビックリしたのは、どこの本? と思ったら…な・な・な・なんと! 本当に角川文庫だった!! (あ、コレは新刊で買ったので、買ってから一度も書店さんでかけてくれるカバーを外してなかった)
単に結末が知りたかったので、結局読んじゃったけど、まぁ、いかにも! な結果でちゃんちゃん♪ でした。

そんなら、何時間かかけてこの本を読むんだったら、最初から映画でみればよかった(いやぁ、レンタルDVDで十分。ってゆうか…おそらく手に取らない。そもそも映画化しないよね、とはおもいつつ…)。内容云々はともかくとして、これはとっても映画にしやすい材料だとおもう。
読んでいてそんな欲を感じてしまった。ん〜残念!

ただこの表紙…。オビを取ると奇麗な空がでてくるの。
成層圏ってやつかな。神秘的。

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「一人の男が飛行機から飛び降りる」

ここ何年か、毎週or隔週で定例会のようにえっちゃんと会っては仕事の愚痴とかをこぼしている。大学のふたつ上の学年で学科も違うなか知り合った友達で、どういうわけだか似たような業界の仕事をしている。夜な夜な会っては朝方までお店をはしごするのだ。ささいなことでどうして毎度こんなに喋れるのか、不思議だ。しかも、えっちゃんも竜子もてんでお酒が飲めない。なのにお互い会えるのはいつも深夜。そんな時間に、お酒抜きで過ごせるお店を探すのは結構な労力なのだ。

ある夏、乾物が得意な和風居酒屋(お酒が飲めないのに、肴が好き)で、喉をスッキリさせたくって、シークヮーサージュースをふたつ頼んだ。頭を突き抜けるような酸味が気持ちよいのと、柑橘の皮のような苦味があって、「えっちゃん、これ本場の味がするねぇ〜!」「ほんとほんと!生かなぁ?」なんて沖縄に行ったような気分に浸り、調子に乗りながらいつものようにお喋り。3、4口目くらいかなぁ。まだまだ1/3もいってないくらいのところで頭がカーーーーッと熱い。早いスピードで心臓がバクバクいってて、「えっちゃんたいへん!! これお酒!!!」と気づいた時には、もう手遅れ。愉快なんだけど、なんで愉快なのか理由が分からない。可笑しくって笑っちゃうんだけど、何でおかしいのかさっぱり分からないし、なんでそんなことになっちゃうのか、誰かにコントロールされてるような…マリオネットみたいに操られてるようで、とにかくパニック。そんな状況にどうにもこうにも不安が押し寄せてきて、怖くてどうしようもなくなって涙が出てくるんだけど、泣いちゃうってのが、またヘンテコすぎて可笑しくって笑っちゃう。照明が落ちてわりと雰囲気のあるお店だったのに、えっちゃんも竜子も「何これ?」「どうなっちゃうの!」「どうしよう!」と奇妙な声が響いていた…。お店の人は、このテンションの異様さに驚いたと思う。何度も氷水を持ってきて、冷たいおしぼりを運んだ。「横になりますか?」といろいろと気遣ってくれながら、ひたすら頭を下げてばかりで、逆に気の毒だった。しょうがないよね。夜に酒と肴のお店に入っときながら、ふたり揃ってソフトドリンクと頼むなんて想定外だったろうから。

昨日の終電では酔っ払って気を良くしたお兄さんが、ふわふわ。私は座ってたんだけど、電車の揺れでそのお兄さんが覆いかぶさるようにドッと倒れてきた。態勢を起こせないくらい酔っ払っていて、私ととなりのお兄さんの膝の上に寝そべる体勢になっていた。私も結構痛かったけど、その人はもっと痛かったと思う。意識も朦朧としているっぽかったので、席を譲ったんだけど「大丈夫です」というばかり。降りる駅も近かったので、強引に席を押し付けたんだけど、また別の酔っぱらったおじさんが「大丈夫?」と私に聞く。「大丈夫です」と答えると、話しかけてくる。酔っぱらうのって、幸せだなぁとつくづく思う。みんな楽しそうだもの。あの酔っぱらったお兄さんだって、全然痛くないのかも知れないし、起きたら昨日のことも忘れてるんだろうな〜。

飲めない人にとって、そんな夢見心地になれるときは、実際に寝てるときくらいのもん。あと妄想してるときと。けれど、寝てる時に見る夢って、痛いときは痛くなくても「痛い!」と感じてしまうし、悲しい時も「悲しい!」と感じる。なんていうんだろ。「夢かまことか」を調べる時に「ほっぺをつねってみる」っていうけど、もし夢の中で、これが夢かどうかを調べるためにほっぺをつねってみたところで、「痛い!」と思ってしまうわけで、夢だろうがなんだろうが、痛いものは痛い。

けれど、実際の怪我はすごいのに「酔っ払っててぜんぜん痛くなかったんだよね」と聞いたりする。夢ならどこも怪我してないくせに痛いと感じちゃうけど、酔っぱらってると、実際に怪我してるのに痛くない。それって、なんだかすごいハッピーだ。

また今日も前置きが長くなっちゃったけど、そんな夢つながりのショート・ショート、その名も「一人の男が飛行機から飛び降りる」。酔っ払っても、夢でも、わけのわかんないものはわけがわかんないままなわけで(←早口言葉で)、この短編もわけがわからない。でも、そのわけのわかんなさがたまらなく脳みそをゆる〜くさせてくれるので、好きな短編集だ。
タイトルは「スープの骨」みたいな名前(要確認)。一人の男が飛行機から飛び降りる。涙を流しながら靴箱いっぱいのラブレターを空中に投げ捨て〜。なんてロマンティックなくだりでしょう! 男が雲に落ちてそこにスープの骨があって、頭から犬が落ちてくる? ん?

こんなさわりで面白そうもなにもないだろう? と思いますが、続きが気になる人は書店で立ち読みでも。1分足らずで片づきますのでぜひどーぞ。わたしは他の短編も立ち読みしてしまい、結局家まで連れてきました。


一人の男が飛行機から飛び降りる (新潮文庫)」/バリー ユアグロー,Barry Yourgrau,柴田 元幸

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「飛ぶ教室」


『飛ぶ教室』(講談社文庫)/エーリッヒ ケストナー著、山口 四郎訳

幼稚園だったか、小学校だったか。よく覚えてないけど、すごいお気に入りの「もの入れ」(ボックス)があった。それはまだ倉庫に残ってるけど…モカ色の木目調のカラー合板で、今思うと「君はこんなにチープだったのか!」と言いたいほど、安いつくり。なのに、この「もの入れ」にはなぜかハンガー掛けがつているのだ! しかも、洋服が正面向いてかけられるのです!!(クローゼットは横向きにハンガーをかけるでしょ? そうじゃなくって、洋服が正面を向く…。つまり、ブティックのように服がかかる!) これは、子供ながらにとっても気に入っていて、さらには「ランドセルはココへ」というような場所もあって、1つのものなのに何通りもの機能が搭載されていることが、メカのようでうれしかった。

なのに突然、何十巻もの分厚い子供向けの文学全集(30巻以上あった!)が大量に、どこかから運び込まれ、瞬く間にこのお気に入りの「多機能型MYもの入れ」が、本棚に大変身を遂げてしまった…。

小学館のやつで、真っ赤な箱に入っていて、クリーム色のカバーにつつまれ、ツタのような装飾がされてた。せっかくの本棚が真っ赤かな箱でギッシリ! 辞典のように分厚くって、存在感満々。部屋のどこにいても「読め!!!」といわんばかりに真っ赤な「ぬりかべ」が目についてしょうがなかった。最初はあまり気に入ってなかったんだけど、子供の頃はどうしようもなく内気で、くら〜い毎日を送っていた私は、この本たちとつきあうしかなく、少しずつ、気に入ったタイトルだけ読むようになった。確か国別になってた気がするけど、たとえば「トムソーヤの冒険」とか「フランダースの犬」なら覚えるまでもないど、当時は作者の名前はおろかタイトルなんか気になるわけもなく、思春期に読みはじめた本のいくつかは、「読んだことあるな?」というものあって、それは今でも、本に限らずレンタルビデオでも…相変わらずだ。
というか、有名、無名に関わらず私の記憶力は極端に悪い。ひどい時は3度も同じビデオを借りたこともある。さらに困ったことに、この3度も観てしまったタイトルですら思い出すことができない。

この文学全集は、大阪のド田舎の大学へ進学する時に捨てた。私の家は昔から、どういうわけだか常に下宿の人がいて、一時的にその下宿の人たちの人数が膨らむことがあったりで、そんなとき、私の部屋があてがわれるので、その文学全集も読むわけじゃないし、邪魔になるので捨てたんだとおもう。

そのド田舎の大学では、私同様ほとんどの割合で地方出身者が多かったので、そこで出来る友だちもみんな一人暮らしか寮住まい。そんな環境なので人間関係がまとまるのも早く、大学のある半径5キロくらいがひとつの寮のような感じになってた。
そんなとき出会ったのが「飛ぶ教室」。「読んだことある!」という気分になったのは言うまでもないですね…。惹かれるタイトルにはなんかの法則があるのでしょう…。でも、読んだことある、なんていうショックより、もっともっとこの人の作品が読みたくなって、作者のケストナーにハマった。

男子寮(学校)仲間の物語なんだけど、クリスマスに上映する演劇が「飛ぶ教室」。同級生の男の子が書いたシナリオで、飛行機で授業をする!という夢のような(?)企画(将来の学校像の予言)、飛行機で火山を見に行ったり天国に行ったりする劇なんです。が、本編ではこの劇の内容についてはさほど触れられません。読み終わって「飛ぶ教室」というタイトルが際立ってくる。楽しい幼少ライフを過ごした人、そうじゃなくって不遇に送った人も、ジ〜ンとくるのでは…(わかんないけど)。

この本を紹介しようと、昨日さらっと読み返すつもりで、ながいながい「まえがき」を読みはじめたら、もうボロボロボロボロ涙が止まらなくってしまって、悲しいわけじゃないのに、つらいわけじゃないのに、とにかくどういうわけだかわかんないんだけど、止めどなく溢れてきた。
(そのおかげで心身ともにデトックスされたわけだ!)

本には「こどものなみだの大きさについて」とある。
そこに書いてあることは、ケストナーもサンテグジュペリもおんなじノリ、同じことを言ってるんです。

さて。
そんな「飛ぶ教室」は映画にもなってる。こっちも面白いし、TSUTAYAにも置いてるので気になった方は、映画からでもいかがでしょうか。

「点子ちゃんとアントン」「ふたりのロッテ」、それから「ヤンババ」「グッバイレーニン」「バグダッド・カフェ」「ブリキの太鼓」…。
あ〜あ。これはついでだけど、ドイツの映画ってとても面白い。上質。「フランス映画」ってジャンルとして確立されてるのに、「ドイツ映画」っていまいち認知度低い…。TSUTAYAとかでも探すのがたいへん。
わたしはドイツの映画が好きだーーーっ!!

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飛ぶ教室 完訳版 (偕成社文庫)

「かもめのジョナサン」

私は漫画をあまり読まないで育った。本だって、そんなに読んだわけではないけれど、本より音楽より美術館へ行った数より、とにかくなによりも漫画を読んだ数は圧倒的に少ない。そんな数少ない漫画だけど、手塚治虫といくつかのマンガにだけはハマった。というか何を読んだらいいのかわからなくって、知ってる名前の作者の棚にだけ行ってた(行くしかなかった)。それも大学生になってからだ。だいぶデビューが遅いんだ。

それも、最初から自主的に読んだわけじゃない。マンガ大好きのマキちゃんの家に行くと、カリカリとマンガやイラストを描いていたり、当時は珍しかったマッキントッシュで友だちの自主映画のパンフレットや、友だちのバンドのロゴマークなんかをデザインしてたり、その脇でやることもないからマンガでも…と思ってたら「これでも読めば?」といって借してくれたのが、手塚治虫の「I.L(アイエル)」。それから面白かったっていったら貸してくれたのが石ノ森章太郎の「家畜人ヤプー」。私がマンガをあまり読んだことがないのを知っていて、こんなものをセレクトするなんて、やっぱりマキちゃんは当時から凄い変わり者だ。でも、たぶんマキちゃん家には普通のマンガがなかった。

石ノ森章太郎の「家畜人ヤプー」はとてもグロテスクだったけど、マンガ、というかイラストってすごい説明力だなって思った。それから、マンガは本みたいに面白かった。それから、思いのほか大学でも有名で、読んでる人が多かったのもびっくりしたし、読んでることで何かのパスを得たように、グッと会話の幅が広がった。今はこんな話を、たとえば会社でしたら、会社の人はどんな反応をするんだろう?

「家畜人ヤプー」のグロさのせいか、むかしっから動物を飼ったことがないからかわからないけど、私は動物がとても苦手だ。犬に触ると風邪をひく。
それから鳥はよく擬人化されてて不気味な印象がある。それだけじゃない。ヒッチコックの映画「鳥」を昔みて、顔面めがけてたくさん飛んでくる黒い鳥が、とてつもなく怖かったんだ。だから、今も好きになれない。だけど、飛行機は鳥と同じだし、毎年琵琶湖とかでやってた「鳥人間コンテスト」も、飛ぶことを指してたし、「翼」といったら飛行機の翼で鳥の翼のことだ。

手塚治虫のマンガで「鳥人大系」がある。べつに怖くはないけど、鳥ってもしかしたら本当に頭がいいかもしれないから、もっと脳みそが大きくなってしわも深くなって、知恵をつけたら、このマンガのようなことも少しはあり得るかもしれない。
嘘。ないよ。


「鳥人大系」(角川文庫)/手塚治虫

あと、不朽の名作「かもめのジョナサン」。これも同じで大学生のときに読んだ。食べることに必死のかもめと、飛ぶことに必死のジョナサン。食べることも忘れて落下スピードの記録更新にスポーティに頑張りながらも、食べることに必死のかもめに追放されちゃう。飛ぶことに野心を燃やして、懸命に頑張るジョナサンをとても応援するし、読み終えて感動する。けど、食べることって大切だよね? 人間、野心を燃やすこともあれば、「野心」なんて気づかない時だってある。人間だもの(相田みつを)。
でもね、「かもめのジョナサン」を読んだばかりのときは感動するの。でもあとがきがスーッと熱を冷ますんだよね。五木寛之さんの。


「かもめのジョナサン」/リチャード・バック著、五木寛之訳

「鳥人体系」にも「カモメのジョンガラサン」ってのが出てきて、つまり「かもめのジョナサン」のパロディなんだけど、津軽の海(笑)でみすぼらしい格好で飛ぶ練習をするジョンガラサンと、生け簀の魚を食べる肥えたカモメたちのお話。
いま読み返してみても…こっちの方が断然面白いから!!!
(と今日は言い切ってみる…生意気いってごめんなさい)

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そらの本

飛行機に乗ると、コックピットの挨拶にお食事に、到着地でのあれこれの期待感と…、楽しみはいっぱいあるけど、景色も楽しみの中で大きなもののひとつ。

離陸して、小さくなる車や街を眺めながら、雲の中をグングン突き抜け、太陽光線を浴びながら出てくるのは、それこそ飛行機に乗らなきゃ見れない景色!! 目の錯覚だか窓のせいだかただの思い込みだかわからないけど、地平線(もはや地平線ではないけれど)が弧を描いてるようにみえる時は「地球」外に出たようなうれしい気分になる。

それに飛行機から雲を見てると、雲の影が丸見え! てっことは…「あそこは今曇ってるんだ!」という、ちょっと地上の人より優位な立場にいるように思っちゃうんです。あ、いまこれ書きながら気づいたのですが、曇ってるのは間違ってる…、陰ってる、程度のことでしたね(笑)

「雲海」っていうけど、本当に海のように見えたり、その海にたくさんのイワシの群れが泳いでるように見えるときもある。ふわふわ綿菓子のようで、飛んでいってもゴムのように弾みそうに見えるときもあれば、どぶ川みたいによどんだときだって、山のような雲もある。

竜子がとても興奮したのは、YS-11で高知から福岡まで行ったとき。真夏のギラギラした太陽で、海もギラギラ、どこをみてもまぶしいなか見えてきたのが、とにかく大きくそびえ立ってる入道雲。エベレストはみたことないけど、エベレストみたいに大きくって、でも中国の水墨画に出てくるような鋭角な山で、なんていうんだろ、山っていうか超巨大なタケノコみたいなその雲が、天へ天へと成長するようにそそり立っていた。てっぺんのほうなんか、雲がにゅるにゅると渦巻きながら、まだまだおっきくなってやる! みたいな勢いだった。
ジェット機だったらその上を通り抜けるんだろうけど、ターボプロップ機なので、その周りを迂回。最初は遠くからみてたから「大自然だ!」なんて興奮したし、もしかしたら、この機長はこの雲を見せてくれてるんじゃなかろうか? とも思えてきて「このままこの雲の中に突っ込めーーー!」って思った。でも、その迂回してるときに、その雲を近くでよく見たら、どこもかしこも巨大な蛇がとぐろを巻くようにぎゅるぎゅるとした渦がいっぱいで、なんか磁石のように吸い込まれそうで、凄く不気味…というか、とても怖くなった。

そんな空の本がたくさん出てます。すっごいたくさん。
ペラペラめくってひとつでもときめくところがあったら、買い。


空の名前」(角川書店)/高橋 健司
定番書。


空の色」(ピエブックス)/HABU
ちなみに、このHABUさんはたくさんの写真集が出ていますが、ホームページでも写真を公開されているので、気になった方はぜひ。

http://habusora.com/


雲の世界」「雲の世界」/(成山堂書店)山田 圭一・菊地 勝弘

こちらは他の本と比べて色気に欠けるけど、同じように空の写真がいっぱい。でもって「雲の世界」といって、「雲」に焦点をあててるんだけど、台風の空も晴天の空も夕焼け空も朝焼けの空も「空=雲」、空といえば普通に「雲」を想像するものだし…と思っていたので、「空」と「雲」の違いがよくわからないんだ。雲ひとつない空もちゃんとあるんだけど、なんてゆーか、同じものだと思っていたのであえて「雲」を名乗るこの本に、いさぎよさを感じつつも、なんかふと疑問に思った。
この本は、なんでわざわざ「雲」っていうの? といえば写真集じゃなくって、飽きない程度にちゃんと雲や雨や霧や…ってことを解説してるからなんだけど…。写真の幅がとにかく広い! 地上から、飛行機から、山から、衛星から! それに、飛行機も映ってる!! でもって、この本を読んでるといろいろと興味がつきない。衛星写真とか。宇宙のそらってやっぱり黒いのかなぁ? 「地球は青かった」っていうけど「宇宙」の色は?
話逸れちゃった。

地上から見上げるのは「空」で、飛行機から見下ろすのは「雲」。
でもって、飛行機から見上げるのは「そら」?「宙」?
あーーーーわかんなくなってきちゃった!!!!!!!

では。

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「空港にて」

空港にて (文春文庫)」村上 龍 (文春文庫)

成人して久しぶりに買った村上龍さんの小説。
中学生の頃は気に入って読んでたのに。私の高校生時代は、ちょうど女子高生ブーム。援助交際って言葉が出た頃。ルーズソックスとかも。「エンコー」の時代ではないけど。「音楽何聞く?」という質問と同じように「春樹 or 龍?」みたいに合い言葉にしていた年頃でした。
ちょうど村上龍のブームだった頃なのかなぁ? 「トパーズ」が映画になったり、そんなとき。親の目を盗むようにして、映画館に観に行ったけど、やっぱり「エロい」のと「トパーズ」がそんなに奇麗じゃなかったのだけ覚えてる。それだけだな。でもって、女子高生とかがちょこちょこ登場したりして、「おっさん、まるでわかってないよ!」ってな気分になってきてうんざり。まるきり読まなくなった。

で、この「空港にて」は、羽田空港第2ターミナルのロビーで、30ウン才(忘れた…)の、子持ちバツイチ風俗嬢が、ほんの少しだけ希望を持ちながら人を待っている話。要約しちゃうと、色んな人が些細な悩みを持って、ささやかな生活の中でも希望を見つけながら生きてますよ、と言ってる小説。
竜子には、この主人公の悩みも希望も「おまえはバカか!!」と言ってやりたい気分になるんだけど、けれど、悩みなんてのは人に言わせるとそんなもんだったね(反省)。

それから、風俗嬢って思いのほかいると思う。しかもそんなに目立たないと思う。キャバクラ嬢ならひと目でわかると思うけど、風俗嬢はいたって普通だと(経験はないけど、念のため!)。カルティエの腕時計をしてるだけで、わかるかなぁ? ブランドもののスカーフをしてるだけでわかるかな? その程度なら普通の30代だって!

主人公に共感できないのはあたりまえだけど、ひとつだけ頷けるのは、空港には色んな希望があるってこと。もしかしたら訃報を聞きつけての出発の人もいるかもしれないけど…。

村上龍は読む側をおちょくった小説が面白くって。「69」とか「走れタカハシ」とか。「テニスボーイの憂鬱」みたいなSFがはいった小説とかもね。でも、またしばらく読まないだろうけど。

短編集のいちの一編が「空港にて」。
他には「駅にて」「居酒屋にて」「公園にて」などなど。なかなか本を読む時間のない人にはいいかも? 短編なので。

↓村上龍も村上春樹もお腹いっぱい…

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「空」はステータス

私の家は羽田へは30キロ、成田空港へは60キロほど、北関東に住む親戚にとって、私の家は「空の玄関口」のようで、海外へ行く際にはうちに泊まってから空港へ行き、帰ってくるにもうちに泊まってから帰り、と送迎をするうちに私は空港が大好きになった。

うちにやってくる親戚は、旅慣れている人はカジュアルな格好だったけど、たいがいは「よそゆき着」「お出かけ着」を着て、「サムソナイト」を持って来ていた。それだけでも子供ながらに、羽田空港に行くことに特別感があったけど、なによりも思い出深いのは、うちはその親戚を送りにいくと、普段はファミレスなんていかない父親が、成田空港の「不二家」に連れてってくれて、アルミ箔に包まれたペコちゃん型のパフェを食べながら、飛行機を見るのがとても楽しくって、ほんとうに良い想い出だ。
それに、その親戚たちが買ってきてくれるお土産も楽しみでしょうがなかった。今思えば些細なものだけど、機内グッズや現地のお菓子、現地のおもちゃとか、パッケージに書かれたイラストの顔が違う、文字が違う、それに味まで違う! いつも「今日は何かなー」という気持ちで待っていた。
まれに外国のお客様がみえることもあって、その人たちがくれたぬいぐるみとか、クタクタになるほど一緒に寝てはかわいがったもの。

30年ほど前をさかのぼっても飛行機や海外旅行って、昔は「特別な行事」であり、ステータスだった。
海外旅行もそうだったし、今は成田空港は出入国する人たちばかりだと思うけど、昔は大勢の見送り客に囲まれた団体の人たちがいたものだ。
あと、わたしは車の後ろにカンカンをつけた新婚さんを見たことがある。いまはめっきり見ないけど、車をおめでたく装飾して、たくさんの空き缶を車の後ろにつけていた。

ほんの少し前のバブル期には海外旅行は格安となって、カジュアルなレクリエーションになった一方で、「空」はまたちょっと違うステータスとなって、自家用ヘリなんかを所有するのが流行った。
空をクルーズするっていうのは、時代が変わってもその優雅さに対してステータス感があるもの。


「反転―闇社会の守護神と呼ばれて」田中 森一

今日、紹介する本は去年ベストセラーになった本で、航空関係の本ではないのだけど、バブル絶頂期に自家用ヘリを持ったという著者さんの本です。
この方は元検事、それもやり手の特捜検事さんから弁護士さんに転身し、政治家や起業家をはじめ、同和団体や山口組などなど「闇社会の守護神」として活躍…、その後許永中と親しくなり石橋産業事件で逮捕される。

とにかく面白くてあっという間に読み終えてしまった。この方には正義もあるけど、悪もきっとあるわけで、それがどこでどうかというのはまったくどうでも良いことだし、そんな矛盾なんかもひっくるめて、この本を読んで思ったのは、バブルっていうのがいかに凄い時代だったかということ。この人のドキュメントかというか、ある意味バブルのドキュメントのようで、とにかく面白かった。

まるでザルのような金銭感覚…、「バブル」の狂乱というのはファンタジーです。
節税のために、自家用ヘリを買ってみる。節税かぁ〜。
その「節税」という感覚、会社員にはわからない話ですが。
ちなみに、この田中森一さんは、ご自身の出身校での講演会に、ヘリで校庭に乗りつけたそうです。著書では恥ずかしそうに書かれていましたが、これぞ「ザ・バブル」。

私が自家用のライセンスをとれるようになるのは、いったいいつのことになるのでしょうか?

それから田原総一郎さんとの対談の共著「検察を支配する『悪魔』」も、面白かったけど、対談って、ちょっと満足度に欠けてしまう…。

↓「文庫化するのが早すぎる!」という怒りに応援を!

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「航空検定」

航空検定―7科目からの出題で“航空力”を総合判定! (THEマル知検定)」谷川一巳/(河出書房新社)

大ブームも終焉間近? とも思っていた「右脳」「ドリル」「検定」といった市場に、ななななんと! 「航空検定」なるものを発見。
どうやら今月の新刊です。

例えば<機体編>から。

■ジャンボ機は世界でも最も親しまれている航空機といえるが、B747を「ジャンボ」と名付けたのは誰か?
(1)ボーイング自ら名付けた
(2)最初に路線就航させたパンナムが名付けた
(3)当時のアメリカの小学生が名付けた
(4)イギリスの新聞記者が名付けた

「航空検定」(谷川一己著/河出書房新社刊)

答えは(4)の新聞記者ですね。ロンドンの動物園にいる象の愛称から(あまりに大きくて「のろま」にみえることを皮肉ってついたあだ名だから、ボーイングは嫌がってたと読んだことがありますが)。

著者さんは、谷川一己さんですのでこの方の本と月刊エアラインを読んでる方なら、かなりの高得点が目指せそう。とか思うのは甘かったかな。
後半の<空港編>は竜子にはちょっと難しい、というか無理な問題でした。

例えばこんな感じ。

■日本には空港バス路線を専門とするバス会社は何社あるか?

(1)4社
(2)5社
(3)7社
(4)10社

「航空検定」(谷川一己著/河出書房新社刊)

答えは(1)。どうも、<空港編>はバスにも鉄道にも詳しくないとダメみたい…。

というような感じで、自分のマニア度の足りない部分を知ることができます(笑) 知識なんてなんの役にも立たないし、航空検定で何点とったからって、誰かに褒められるわけじゃない、ましてや高得点だったと誰かに言うことこそ、完全にKYなヤバい人なのですが、まぁ、自己満足ということで、試してみたい方はどうぞ!

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7月1日号雑誌「pen」の中吊り広告

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「国産旅客機MRJ飛翔」


国産旅客機MRJ飛翔」/前間 孝則

あーーーー面白かった!
こういう本は、あっという間に読み終わってしまう。
私の読書時間は、主に通勤中。1日に電車往復で1時間くらいでしょうか。
面白い本だと、仕事で帰りが遅くなっても、家に帰りたくなくなるくらい、読みふけってしまいます。4日で読み終えました。
航空業界に詳しい方なら、新しい情報はないかとおもいますが、ボーイングとエアバスの立ち位置やエンブラエルやボンバルディアの総まとめとか。現在の状況をおさらいする意味でも、とても良くまとまっていて、わかりやすいっ!

また、それこそ開発に携わる人や航空パブ関係のお仕事に従事されている人でなければ目の当たりにできないパネルディスカッションでのやりとり、記者会見、航空ショーでのそれぞれの立場の人のコメントなんかも多く引用されていて、私のような一般ピーポーはときめきの嵐!
その時の人間ドラマが目に浮かぶよう。
それに専門知識がなくったってスラスラ読めてしまうのです。

6月頭に書店に並んだ新刊です。
はじめは、まだ飛ぶことが決まってもないのに…タイトルからして「煽り系のMRJバンザイ本」?といぶかしく思いながら手にしましたが、アッという間に覆されます。
MRJのメンテナンス請負先がSAABのネットワークだったり、P&Wのエンジンを選ぶにしても、ちゃんとやってたんだね。教えてくれてありがとう。

あと、ホンダジェットの話なんかも、よく解説されていてとても面白かった。はじめから半分以上のボリュームはMRJ以外の話、というかMRJを取り巻く環境の話。その話がこの筆者だからこそ語れる内容だったので、読んで良かったー!

政治的な話や重工業業界の話、メーカーの話、歴史の話などなど、航空業界をとりまく状況を総括してまとめている本で、なおかつ楽しめる本というのはなかなかないものです。

もちろん、厳しい目でMRJを見ていますが、愛情を感じます。日本の航空業界に対して。

たまにテレビで見ますね、前間孝則さん。
この著者さん、軍用機のイメージが強かったので、ノーチェックでしたが、こんなに良い本を書かれているとは。
石川島播磨重工業の航空宇宙事業本部技術開発事業部でジェットエンジンの設計に20年間携わっていたそうです。
今年刊行された文庫本に、気になったものがありつつも、読むにはいたらないでいましたが、今後は要チェックですね。

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「JETLINER」LANDSCAPEとTHE LEGEND

今日紹介するのは「JETLINER LANDSCAPE」と「JETLINER II THE LEGEND」です。
いずれもルーク・オザワさんの作品集。
頭をからっぽにして、目だけで感じられるステキな写真集です。
「JETLINER LANDSCAPE」の表紙は下地島ですが、世界の景色と飛行機と。「JETLINER II THE LEGEND」は国内の飛行機と空港と景色をおさめています。
どちらもおススメ。

■JETLINER―LANDSCAPE (イカロスMOOK)/Luke H.Ozawa

■JETLINER (2) (イカロスMOOK)/Luke H.Ozawa

この写真集のよいところは、飛行機の写真集ではないところ。
どの写真にも飛行機が映ってますが、景色のひとつとして飛行機があるところです。
それでいて、見たことがあるような。ないような…。
よくわからないけど、見たことある気にさせてくれるくらい、記憶を刺激させられます。記憶じゃないか。想像力かなぁ?
写真が掲載されている紙面は小さいのだけど、目をつぶるとその景色のなかに立ってるような、行けちゃうような気がするんですよ…。

あと、驚くのは「JETLINER II THE LEGEND」の色の奇麗さ。
表紙をそのまま見ていただいたらわかるともうのですが、色が面になっているっていうか…。ごめんなさい。実際に書店で開いてもらった方が美しさが伝わるかと思いますが、景色ってこんなにビビットカラーだっけ? って一瞬思うけど、よく見ると確かにこんな色だったってすぐにおもい直したり。驚きと発見が多いんです。
紙面のレイアウトが奇麗なんですね。

ルークさんは、「月刊エアライン」でも毎月写真を公開されていますが、その日記も本当にきれい。あと、成田空港の近くのホテルとかで講習会のようなものもよく開いてた気がします(さだかじゃない)。
それから、さっきネットで知ったのですが、ルーク・オザワさんの美しさは「ルーク・ショット」っていうんですってー。はじめて知りました。

ちょっと話は変わるけど、毎月ではないもののたまに「月刊エアライン」や「航空ファン」を買っていますが、この両誌のいちばん好きなのは、読者が投稿できるページ。エアラインの方は、飛来機王国や最後の方のリーダースページなんか、ワクワクが伝わってきて、読んでいて楽しくなってくる。
「航空ファン」は読者投稿でも秀逸な作品が多いですね。そう「作品」って感じです。
竜子が勤めてる会社には、軍用機マニアの人がいますが、その方はカメラにこだわり、レンズにこだわり航空ショーへ行っては何千枚も写真を撮るらしいのですが、読者投稿はおろかブログにもなんにも公開せずに、ただ撮るだけだといっていました。
もったいない…とおもうのですが、そういう楽しみ方の人も意外と多いんだろうな。

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「パイロットの妻」

実は、もう1ヶ月以上も持ち歩きつつも、まったく読み進めないでいる本がある。
「パイロットの妻」だ。
文庫本なので、本当だったら通勤往復1週間もあれば、ちゃちゃっと読み終えてしまうような本なのに、まだ半分も残っていて、しかも…苦痛だ。

だけど、こういう小説に限って、この苦痛を乗り越えると大きな喜びが待ってたりするので、どうにか執着して読み終えたいところなんだけど、あまりにしんどくて…。

なにせ、この妻が、とてつもなく暗い。
パイロットである旦那が操縦する機体が事故に遭ってしまうのだから、読み手である私がこんな風にズッシリとおも〜い気分になるのは間違っていないし、わざとそうやって書いてるのかもしれない。

だけど…、ずっしりと湿っぽく、どうにもこうにも本を開いて読み始めると退屈になってきて、「もういっこの本でも読むか」という気分にさせられる。

はてさて、この本を読破できるのだろうか?
どうしても読み終えなくてはならないと、自分に喝を入れるために、今日はその愚痴を書いてしまった。

パイロットの妻 (新潮文庫)

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「極上旅客機伝説!」

山海堂のお話をしたので、ちょっと触れます。
山海堂は今はない出版社ですが、どういうセレクトなのか、自転車、バイク、鉄道、飛行機といった乗り物から、日曜大工などなど趣味関係の本を刊行していた出版社です。
そんな山海堂から出ている航空関係の本を紹介します。

極上旅客機伝説!―旅客機発達の歴史がよくわかる (AIR BOOKS)」/阿施 光南(山海堂)

「月刊エアライン」をはじめ、数々の執筆と著作でおなじみの阿施光南(あせこうなん)さんの本です。
航空の歴史を解説する本はたくさん刊行されていますが、この本は良書。
2001年12月に刊行された本ながら、古くは飛行機が発明された頃の話から、新しくはA380の紹介までしており、その情報量の多さに感服。
最後にボーイングのソニッククルーザーの話も出ており、刊行時点で構想(のみ)の段階の話だったのに、今読んでもブレが少ない。

まぁ、そんなことはどうでも良いけれど、なんでこの本が良書かといえば、解説のわかりやすさに尽きる。ご本人が飛行機の歴史を消化され、噛み砕いた言葉で説明してくれているからよくわかるし、入り込める。難しい事を難しい風に書くのは容易いけれど、難しい事を平易に書くのは誰にでもできる事ではないよね。
それに英雄のような機体をなんとなくの風潮で祭り上げることもなく、全体的に、相対的に見てその機体がどういうものだったか評価しているのも、読んでいて信頼がおける。
また、それぞれの指摘も明快かつ的確(あら、わたしエラそう…)。
とにかく、時系列に歴史を追うだけでない本なので、わかりやすいのです。
ご本人によるイラストも、飛行機に対する愛情がたっぷり。

当時の情勢もしっかりと解説していて、どうしてそうなったのか? なぜそうしなければならなかったのか? 各メーカーの思惑と機体の成り立ちを知りたいときは、この本がおススメです。

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